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情報学・計算・プログラミング アーカイブ

0001-01-01

tetu_bn_161.gif 書評・読書カテゴリーには私が Amazon や BK1 に投稿した書評や,本について書いた文章をあつめています. 以前はすべての書評をひとつのページにいれていましたが,書評の数がおおくなり,書評・読書カテゴリーのページがながくなりすぎたので,書評・読書カテゴリーを分割しました. 書評以外のカテゴリーにあわせて, Web とインターネット仕事と起業メディア・アート・イベント・エンターテイメントインタフェース,アメニティとデザイン思想・哲学・宗教情報学・計算・プログラミング政治・法律・憲法教養・教育と学習歴史環境生活知的生産とリテラシー社会・経済秘密・プライバシー保護とセキュリティ言語・コミュニケーションとネットワーキング というように書評を細分するようにして,書評カテゴリーのページにはそれらに分類しづらいものをあつめました. なお,このページは各カテゴリーのページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 10:39 です).

NintendoDS.jpg Cell-Processor.jpg このカテゴリーにはコンピュータによる計算やコンピュータのプログラミングに関する話題をあつめています. 上位のカテゴリーはカナダからのブログです. オペレーティング・システムデータベースとストリーム処理プログラミングとコンパイラ人工知能・複雑系と人工生命情報の検索・抽出・組織化などに関する話題はサブカテゴリーに分類しているので,そちらをみてください.

なお,このページは計算・プログラミング アーカイブ のページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 19:40 です).

おもくなるのをさけるためにアーカイブのページには写真がはいらないようにしていますが,個別ページにある写真をここに引用しておきます.

WASSad.jpg

2007-06-30

ずっとまえから話題になっていた iPhone (アイフォーン) がやっと市場にあらわれたということです. キーのない携帯電話,これは電話のインタフェースからキーに起因する制約をとりはらった,ポケット・コンピュータ (携帯情報端末, PDA) にほかなりません.

つづく…

2007-08-23

日立のメインフレーム・コンピュータ関連製品として,かつて IAP (Integrated Array Processor, 内蔵型アレイプロセッサ) というものがありました. 何世代か IAP をつくりつづけているうちに,IBM がだしてきたのが VF (Vector Facility, ベクトル処理機構) です. これらはいずれもベクトル処理を高速化するための CPU 付加機構 (attached processor. コプロセッサともよばれる) ですが,その設計思想にはおおきなちがいがあります. このことについて一度書いてみたいとずっとおもっていましたが,ここでそれを実現しようというわけです.

つづく…

2007-09-30

本書におけるセレンディピティ・マシンとは,「セレンディピティ効果」 をもたらす機械という意味である. セレンディピティということばは本来 「偶然をとらえて幸運に変える力」 という意味だが,「セレンディピティ効果」 はこれとは《関係がなく》,さまざまなデータの断片をもとに予期せぬ発見をすることである. セレンディピティ効果のひとつとして,本書では幸運どころか,予期しない事態でものごとがうまくいかなくなる 「カモノハシ現象」 をあげている. ほかにもさまざまな IT に関係するセレンディピティ効果が紹介されていて,それぞれおもしろいのだが,はたしてこれが読者が 「セレンディピティ」 ということばから期待するものとあっているだろうか? すくなくとも私のばあいはそうではなかった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: セレンディピティ・マシン@ [bk1]セレンディピティ・マシン@Amazon.co.jp

つづく…

2007-10-14

もう 3 年くらいまえのことですが,Perl をつかってリアルタイムでデジタル音声処理をするプログラムを書きました. 3D 音声をつかったコミュニケーション・メディア voiscape (ヴォイスケープ) の音声 3D 化,残響計算とミキシングの処理をするプログラムです. Perl で書いてちゃんとうごくかどうか心配でしたが,デモ目的ではほとんど問題なく動作しました. おそまきながら,この話題について書いてみたいとおもいます.

つづく…

2007-10-27

PS3 に関する WiredVision の 2 つのニュースがおもしろい. これらは PS3 (プレイステーション 3) をスパコン的な用途でつかったものであり,PS3 が搭載している Cell プロセッサの強力さを証明しています. PS3 はゲームにつかうより数値計算につかったほうがよいということでしょう.

つづく…

2007-11-22

これまで,さまざまな最適化の技術が開発されてきました. それによって,たとえば工業製品をつくるのに,かつては試行錯誤をくりかえして最適なものをつくりあげていたのが,コンピュータをつかうことによってむずかしい最適化問題についても最適にちかい解がもとめられるようになり,ほとんど試行錯誤なしに最適なものがつくれるようになりました. しかし,現状をパラメタ化してそれに対して最適化すると,その結果としてつくられるものは現状維持を指向することになります. ほんとうは現状が適切でないときには,これによって 「最適化の罠」 にはまってしまうことになるとかんがえられます.

つづく…

2008-02-08

文字列によるコマンドによってコンピュータに指示をあたえるユーザ・インタフェースを英語では CLI (Command Line Interface) といいます. ところが,日本ではおなじ意味で CUI (Character(-based) User Interface) という和製英語がひろくつかわれているようです. 海外ではつうじない,このような和製英語をつかうべきでしょうか?

つづく…

2008-02-23

Internet Explorer (IE6) にいろいろ不満があったので,Web ブラウザとして,ふだんは Firefox をつかっています. IE7 はだいぶ改善されたので,Firefox のバグにいやけがさして,のりかえようとおもったのですが,やはりダメなようです.

つづく…

2008-02-26

私はこれまでいろいろな研究をしてきて,そのときどきでことなるさまざまなプログラミング言語やツールをつかって,そのデモをおこなってきました. しかし,そのほとんどは現在は動作しないので,デモしたくてもできません. 最近の研究をのぞけば,いまでもデモ可能な唯一のものが,Java で書いた 「化学的計算のモデル」 のデモ (「はじめて公開した Java のプログラム ― 反オブジェクト指向 (?) のプログラム」 の項目を参照) です. Web の強力さをしめしているといえます.

つづく…

2008-03-12

音がでずにすこしあせった,ベアボーン XC Cube をつかった Windows XP の実験用 PC」 という項目に書いたように Aopen の XC Cube EX945-GC という PC に Windows XP をのせてつかっています. 付属の CD-ROM についているイーサネットのドライバをのせると,ときどき電源をいれたときに LAN インタフェースが認識されません. リブートするとなおるのですが,不便なのであたらしいドライバをさがしてインストールしました.

つづく…

2008-03-11

最近,会社で Aopen の XC Cube EX945-GC という小型の PC を導入したことは 「音がでずにすこしあせった,ベアボーン XC Cube をつかった Windows XP の実験用 PC」 という項目に書きました. それとあわせて MP965-D という超小型 (165 x 165 x 50) の PC も買って Linux (Fedora 8) をのせたので,それについて書きます.

つづく…

2008-04-11

これまで,いろいろな種類の 「電子マネー」 が開発されてきました. そのなかには,DigiCash (デジキャッシュ) のように非常に巧妙なソフトウェア技術にささえられたものもいくつかありましたが,みな,きえさってしまいました. Visa Cash (ビザキャッシュ) もそういう電子マネーのひとつであり,これは日本でも実験的に使用され,私もその実験に参加しましたが,結局,ほとんどつかわずにおわってしまいました. しかし,ちょっとつかってみて,なぜダメなのか,それなりに納得したのでした.

つづく…

2008-04-13

SaaS は ASP とどうちがうのか,えせ SaaS ベンダをみわけるにはどうしたらよいか,などの点について,技術内容にたちいらずにえがこうとしている. だれでも読める本にするために技術内容にふれていないことが,かえってわかりにくくしている面があることは否定できない. 最後の章で SaaS がおもに販売管理や人材管理につかわれていて,今後も企業の 「競争力強化」 にかかわる部分にはつかわれず,「未確定情報」 や 「文字情報」 の処理のため,「負荷削減」 のためにつかわれるだろうという指摘は納得できるものである.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: SaaSはASPを超えた@ [bk1]SaaSはASPを超えた@Amazon.co.jp

つづく…

2008-04-29

すくなくとも最近まで,情報通信技術は最先端技術であり,主役でした. すくなくとも情報通信技術者たちは,そうおもっていたでしょう. しかし,ユビキタスの時代,つまりコンピュータがみえなくなる時代 (「ユビキタス・コンピューティングとエージェント指向コンピューティング」 参照) には,もはやコンピュータは主役ではなくなる,つまり情報通信技術は主役である 「みえる技術」 をささえる脇役になるのだとおもいます. 主役はむしろ農林水産業や鉱業などなのではないかともおもいます.

つづく…

2008-05-15

研究上,数値や数式の計算やシミュレーションのためのプログラムをつかうことがあります. たとえば,voiscape におけるような音に関する計算をするとき,MATLAB がよくつかわれます. また,ネットワークに関するシミュレーションにはよく OPNET がつかわれます. しかし,これらは有料であり,使用するにはライセンスが必要です. そこから発生する問題のためにつかいにくくなっているので,どうしても必要なとき以外はフリーのもの (オープン・ソースのもの) のほうがつかいやすいと私はかんがえています.

つづく…

2008-06-07

欧米人のなまえを表記するとき,ダブルハイフン (゠) がつかわれることがあります. Wikipedia の 「ダブルハイフン」 にも書いてあるように,ダブルハイフン(゠)は JIS やユニコード (Unicode) にもあるにもかかわらず,しばしば等号 (=) や下駄記号 (〓) で代用されています. ただしいコードを使用するべきでしょう. また,ただしい表記をひろめるためには,コンピュータ・ソフトでそれがかんたんに表示されるようにする必要があるでしょう.

つづく…

2008-06-12

雑然とした印象をあたえる本だが,それでも人工生命の中心概念である 「創発」 についてかたられ,それに関連する遺伝的アルゴリズムやニューラル・ネットワークなどについて説明されている. しかし,中心的な話題は並列コンピュータであって人工生命とは関係がない. また,「創発」 についての説明はまったくまちがっている. ダマされないようにしよう.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 人工生命@ [bk1]人工生命@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-17

「人工生命」 といっても,単に生命のようなふるまいを人工的につくりだすだけではない. 言語の発生をシミュレートする研究もあるが,この本では著者の研究テーマでもある 「心の発生と進化」 に重点をおいている. 最先端の研究もふくんでいるが,それをできるだけ平易に説明しようとしている.

1994 年から 1998 年くらいまでのあいだに 20 冊くらい,人工生命に関する本が出版されているが,2003 年以降この本が出版されるまでの約 5 年間に出版された本はほとんどない. そういう意味でも貴重な本だといえるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 心はプログラムできるか@ [bk1]心はプログラムできるか@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-26

ACM (Association for Computing Machinery) のコンファレンスのひとつとして IMC (Internet Measurement Conference) というのがある. インターネット (IP ネットワーク) 上での各種の計測に関する学会である. 2007 年が 7 回めであり,毎年 30 ~ 40 件の論文が発表されている. この学会の論文の著者をしらべてみると,日本人が著者の論文はひとつしかみつからなかった. 日本にはインターネット上での計測の専門家はほとんどいないということだろうか?

つづく…

2008-07-02

おもしろい物理を一般向けに解説する本というと,むかしから寺田寅彦の本,「物理の散歩道」 などを読んできたが,これは 「渋滞学」 というあたらしい (人間の心理などもからんでいるので物理っぽくない) 物理の解説書である. くるまやひとの渋滞だけでなく,アリやインターネット,粉つぶのながれなど,いろいろな現象をあつかっている. 未解決の問題もいろいろ紹介されているので,それに挑戦するひとがでてくるとよいとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 渋滞学@ [bk1]渋滞学@Amazon.co.jp

つづく…

2008-07-24

日本で出願した特許の情報は 「特許電子図書館」 において検索することができる. 通常の検索においては 「初心者向け検索」 が便利である. ところが,「特許・実用新案検索」 からは明細書の PDF ファイルがダウンロードできるのに,よくにた 「初心者向け検索」 のメニューからはいるとそれができない. どうなっているのだろうか?

つづく…

2008-09-16

「整理」 の 3 つの段階つまり,それ自体を整理する段階,索引をつかう段階,電子的な手段でそれらの制約をとりはらった段階について書いている. 「インターネットはいかに…」 というタイトルは原書と関係なく訳書につけられたものである. 第 3 の段階に焦点があるが,それ以前の記述,たとえば百科事典においてアルファベット順とたたかったひと,デューイと 10 進分類に関するエピソードなどのほうがおもしろかった. これらだけでも読む価値は十分にあるとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: デジタルの無秩序がもつ力@ [bk1]デジタルの無秩序がもつ力@Amazon.co.jp

つづく…

2008-09-23

今後は,情報通信技術 (ICT) はこれまでのように主役であるよりも,農林水産業や鉱業の脇役としてのやくわりが増大していくでしょう. また,これらの 「リアル」 な産業に資金が傾斜する結果,ICT によるヴァーチャルな世界の重要性は相対的に低下するでしょう. サブプライム・ローン問題にみられるようなヴァーチャル世界のあやうさも,リアルへの指向をつよめるものとかんがえられます.

つづく…

2008-11-28

わたしのこどもとプログラミングとのかかわりについて書くことにします. 幼稚園のときに自発的に書いたプログラムの話と,小学生 (低学年) のときに Squeek の本をみつけてパソコンでプログラムを書いていた話です.

つづく…

2008-12-30

Microsoft Excell などでもなかなか画面に表示されたとおりには印刷できない. しかし,Web ブラウザの表示と印刷とのちがいは,がまんがならない. ふだんは Firefox をつかっているが,それでうまくいかないときに Internet Explorer をつかうとうまくいくことがある. しかし,インストールしているどのブラウザをつかってもうまく印刷できないこともある. どうしてこうなのか! 「印刷なんか,つかうもんじゃない」 のかもしれないが,もうすこしうまく印刷できるようにしてほしいものである.

つづく…

2008-12-28

この本は 580 ページもあり,SQL の機能や使用法がくわしく記述されている. したがって,例が実際に DBMS でたしかめられていないとしても,SQL をつかうときにはやくにたつだろう. しかし,重複がおおいのと,バカていねいな説明にはいささか疑問がある. 算術演算子ひとつひとつにまで例をつける必要があるのだろうか?

評価: ★★★☆☆

関連リンク: SQLハンドブック@ [bk1]SQLハンドブック@Amazon.co.jp

つづく…

2009-02-04

タイトルには 「基盤技術」 もふくまれていて,実際に最初の 80 ページくらいはコンパイラの一般論にあてられている. しかし,80 ページで説明されて理解できる内容ではないとかんがえられるので,これはオマケとかんがえたほうがよい.

この本のテーマは COINS をつかった実践 (演習) にある. COINS をつかえば Yacc のようなパーザ自動生成から最適化,コード生成までを比較的容易にためしてみることができる (らしい). 実際に C0 という簡単な言語のコンパイラのつくりかたが解説されている.

私はためしていないが,たぶんこの本をみながらじっくりとりくめば,他の本をただ読むよりはるかにえるところがあるだろう. 逆に,読むだけですませようというひと (私もそのひとりなのだが) には,この本はすすめられない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: コンパイラの基盤技術と実践@ [bk1]コンパイラの基盤技術と実践@Amazon.co.jp

つづく…

2009-03-18

タイトルの 10 ヶ条はところどころ列挙されてはいるが,「説明の必要なし」 として説明されていない. C++ についてや数人のひととの対話などから構成されているが,そのテーマは明確でない. 著者は自称 「IT エンジニア」 だが,なにが専門なのだろう. すくなくとも本書の内容からして C++ をよく理解してはいないようだから,プログラマではないのだろう. 著者の立場もよくわからないから,「10 ヶ条」 がだれのためのものなのかもわからない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: IT技術者として生き抜くための十ヶ条@ [bk1]IT技術者として生き抜くための十ヶ条@Amazon.co.jp

つづく…

2009-04-10

XML データをあつかうとき,それを自動生成するしくみがよくつかわれる. そもそも XML の構文じたいが,人間が読むのに適しているとはとうていおもえない. 自動生成によって生産性が向上するのはよいが,つねに自動生成にたよる,自動生成しかできないようでは,人間はバカになってしまうのではないだろうか?

つづく…

2009-04-13

さまざまな分野の論客による環境知能の本ということで期待したのだが,はずれてしまったようだ. 第 1 部はシンポジウムの記録であり,おもしろい研究の紹介であるはずだが,テレビなどにくらべるとおもしろさがなかなかつたわらないようだ. それ以降はかなり哲学に傾斜しているが,それほどあたらしさを感じなかった. わすりやすくするために小説のようなスタイルなど,ストーリー性をあたえた部分もあるが,成功していないようで残念だ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 環境知能のすすめ@ [bk1]環境知能のすすめ@Amazon.co.jp

つづく…

2009-04-22

出版社,とくに,しにせの出版社はおおかれすくなかれ,教養主義にささえられてきたといってよいだろう. だから,最近の教養主義の後退は,あらたなながれに身をまかせた会社をのぞいては,こうした出版社にとってきびしいものだったにちがいない. 金融資本主義が後退した今後の世界において教養主義はどうなっていくのだろうか. この点で 2 つの対立する意見があるようだ.

つづく…

2009-05-10

ドナルド・クヌースの本にならって (?) 仮想マシン Comp-XX の機械語プログラミングからはじめて,アセンブラ,Fortran,Basic, … と説明がつづき,最後に C, C++, Java, スクリプト言語の説明でおわっている. 正統的な入門のしかただが,初心者にこれで理解しろというのはむずかしいだろう. 案の定 (失礼!) 品切れ (絶版 ?) になっている.

初心者でなくても 2 つ以上のプログラミング言語をあつかうのはむずかしい. 初心者にはなおさら,まずなるべくたんたんな言語をすこしおぼえてもらうのがよいのではないだろうか. そのうえでなら,もしかしたら Comp-XX にもつきあってもらえるかもしれない. Comp-XX として,スナップ・スイッチがならんだ古典的なコンピュータの絵が何枚もあるが,まったく 「仮想」 でおわってしまっている. これに似た実在したコンピュータの写真をのせれば,もっと迫力があっただろう. ほかにも,もっとリアリティがあれば…という気がする.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: プログラミング言語@ [bk1]プログラミング言語@Amazon.co.jp

つづく…

2009-05-17

複雑系に関するやさしい話から数学的な話まで,さまざまな内容がいりまじっている. 数学的な話を理解するには基礎的な説明が必要だが,そのためにところどころ,「次元とは」,「対数とは」 といった基礎的な話もおりまぜられている. とはいえ,これだけでは初心者が理解するにはたりないだろう. それが 「雑学」 だといわれればそれまでだが… この本には第 2 版がでているが,最後に 10 ページくらい追加されている以外は,目次をみたかぎりでは変化がない. 理解しやすさもあまりかわっていないと想像される.

この本でひとつ不満な点は,この本でとりあげられている 「複雑系」 は比較的かんたんに計算できるものがおおくて,なぜ近年になって複雑系が 「大ブーム」 になったのか,その理由が書かれていないことだ. ライフゲームなどが複雑な挙動をすることは 40 年以上まえからしられていた. しかし,そういう複雑系の性質がよくわからなかったのはコンピュータの計算能力がひくかったからだ. コンピュータがはたしたやくわりについて書いてほしかったとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 複雑系@ [bk1]複雑系(第2版)@ [bk1]複雑系@Amazon.co.jp複雑系(第2版)@Amazon.co.jp

つづく…

2009-06-14

最近,クラウドコンピューティングということばが氾濫している. その意味もさだかではないが,すくなくともファイルや計算力 (computing power) がてもとで管理しているコンピュータにあるのではなくて 「あちら側」 で管理されているコンピュータにあることはまちがいない. これまでコンピュータをとりかえるたびに,実は保存するべきだったいくらかのファイルが散逸してしまったという経験をしている私としては,この点はぜひクラウドコンピューティングに期待したい.

つづく…

2009-06-28

分散オブジェクトを使用したシステムの設計方針を知るためにこの本を買ったが,まったく裏切られた. とりあげられている事例がそもそも Web サーバと RDB を連携させたアプリケーションという,どこにでもあるしろものなので,出版されたのが 2001 年だということをかんがえても,なぜ CORBA が必要なのかもわからない.

この事例に関して UML によるモデルがしめされているが,抽象的なレベルで記述されていて,各オブジェクトがどこに存在するのかは捨象されている. IDL はごく一部しか書いてない. つまり,「分散」 オブジェクトのモデルにはなっていない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 分散オブジェクトモデリングガイド@ [bk1]分散オブジェクトモデリングガイド@Amazon.co.jp

つづく…

2009-07-20

エディタは Emacs! というわけで Windows でも Emacs 22.3 をつかっている. 文字化けはあるものの,UTF-8 の漢字があつかえるので,一応はつかえている. ところが,マウス・ホイールでスクロールすると,どうもおかしい. しらべてみると,上スクロールするときと下スクロールするときとで,おなじだけホイールを回転させてもスクロール量がちがうことがわかった. これでは快適につかえるわけがない.

つづく…

2009-08-08

前著 「みんなの Python」 につづいて,Web アプリケーション開発にしぼった Python 入門書である. 前著と同様に Python 2.4 (?) に準拠しているため,最新版である Python 3.0 とはだいぶちがう点がある. しかし,Web アプリ開発技術という点からみれば,現在でもおおきなちがいはない.

むしろ問題は Web アプリ開発の基礎をひととおりさらうまえに特殊な 「テンプレートエンジン」 について書いていることだ. 現在では CGI をナマでつかうことはすくなくなっているので Web 開発ツールについて書くのはよいが,特殊なツールについて書いても読者にはあまり,やくにたたないだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: みんなのPython@ [bk1]みんなのPython@Amazon.co.jp

つづく…

2009-08-04

現在の最新版は Python 3.0 だが,この本は Python 2.4 (?) に準拠している. 3 年くらいふるくてもたいした差はないだろうとおもって古書を買ったが,いくつかの例をためしてみると,どれも結果が本書に書いてあるのとはちがう. “ustr = u"あ"” と入力するとエラーとなる (ただしくは ustr = "あ") し,“1/2” と入力すると,本書に書いてある 0 ではなくて 0.5 が表示される. というわけで,たとえ古書をやすく売っているとしても,最新版のほうを買うべきでしょう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: みんなのPython@ [bk1]みんなのPython@Amazon.co.jp

つづく…

2009-09-11

Fedora のインストールは初期にくらべるとよりかんたんになった. しかし,それでもこの本を最初から読んでいくと,まずインストールと OS の設定でかなりのページをさいているので,(何 10 回もインストール経験がある私でも) ハードルはたかいと感じてしまう. おなじ 「最強の自宅サーバー」 というタイトルのべつの本にある Windows によるサーバ構築のほうがかんたんにみえる. しかも,メールサーバなど,内向きの設定に関する記述がおおくて,Web のような外向きの機能の記述はすくない. 初心者にはやはり Windows のほうがよいのかもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 最強の自宅サーバー@ [bk1]最強の自宅サーバー@Amazon.co.jp

つづく…

おなじ 「最強の自宅サーバー」 というタイトルで Fedora によるサーバ構築の本もある. それとくらべると,この本のほうが XAMPP というツールをつかうことによって手順がかんたんになり,そのぶんだけ外向けのサービス構築の記述にちからがはいっている. 実際に外向けにサービスを提供するにはもっとセキュリティ対策などが必要になるが,記述のバランスとしてはよいようにおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 最強の自宅サーバー@ [bk1]最強の自宅サーバー@Amazon.co.jp

つづく…

Apache のインストールからログ解析,セキュリティ対策,運用管理などについて書いている. Web サーバへのいろいろな脅威,つまりストリーミング配信やロボットなどに対する対策や,ユーザの追跡のしかた,時計管理の方法なども書かれている. もはや最新の情報ではないので,現在ではあたらしい脅威もあるだろうが,おおくの点は現在でもやくにたつし,ほかの本にはあまり書いてない点も参考になるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: Webサーバ・メンテナンス@ [bk1]Webサーバ・メンテナンス@Amazon.co.jp

つづく…

2009-11-21

竹内 正浩 の 「日本の珍地名@Amazon.co.jp」 (文春新書) は,「人間をまどわす地名,コンピュータをまどわす地名,… ― 竹内 正浩 著, 「日本の珍地名」」 という項目に書いたように,区別しにくい地名,まぜこぜの地名,まぼろしの地名など,さまざまな珍地名について書いている. そのなかでもとくに地名のあいまいさに関する記述は,テキストからの地名抽出をこころみたことがある身にはとくに興味ぶかいこれから地名抽出や地名検索のプログラムを開発しようとしているひとにはとくに参考になる本だ

つづく…

2009-11-23

ライブドアの技術力を結集した一冊ということのようだ. Google などが独自のインターネット・サービス技術をほこっているいま,ホリエモンですっかりイメージ・ダウンしてしまったライブドアがもう一度,スゴイ技術をみせようということか? 残念ながら Google にはくらべるべくもないが,いろいろ,おしえられることはある. ただ,「Web サービス構築術」 といわれると XML Web サービスを想像してしまうが,XML の話はなくて,データベースやキャッシュの話が中心だ. タイトルには 「4 Gbps を超える」 とあるが,ネットワークの部分はよわい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: Webサービス構築術@ [bk1]Webサービス構築術@Amazon.co.jp

つづく…

2009-12-01

ソフトウェア開発に関する名著 8 冊を紹介している. この本を読んでもこれらの本のエッセンスがわかるという虫のいいはなしはないだろう. しかし,この本を読むことによってもとの本のうちの 1 冊でも読む気になれば,収穫があったというべきだろう. 私のばあいは 「ソフトウェア職人気質」 を読みたいという気になった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ソフトウェア開発の名著を読む@ [bk1]ソフトウェア開発の名著を読む@Amazon.co.jp

つづく…

2009-12-13

ファイルを変換するにはなにかしら 「変換操作」 をしなければならないものとおもっていた. なので,Emacs をつかって EUC-JP コードの HTML ファイルを UTF-8 コードに変換するときに,一生懸命,「変換操作」 をこころみた. ところが,いくつか 「変換操作」 をこころみてみても,変換してくれない. そういえば,HTML ヘッダで EUC-JP が指定されていたら,それを UTF-8 にかきかえなければならないのだった. そこでこれらのヘッダの指定をかきかえると,「変換操作」 をしなくても変換してくれることがわかった.

つづく…

2010-01-20

ビジネスを改善するための 「仮想化」 とはどういうものかを解説していて,その内容は理解することができる. 著者はそれを 「本当の仮想化」 と呼び,一応は 「インフラまでを含めた仮想化」 (Virtualization 2.0) と定義している. しかし,「インフラ」 ということばの意味があいまいであり,「本当の仮想化」 がそれにとどまらず 「コンマ何秒かの切り替え」 にはこだわらないものだというような記述もあり,読者を混乱させる. もっと整理が必要だろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ビジネスを仮想化で加速する@ [bk1]ビジネスを仮想化で加速する@Amazon.co.jp

つづく…

2010-04-04

ACM (Association for Computing Machinery) ではずっとまえから電子図書館が整備されていた. 年間 100 ドル程度をはらうと,いつでも ACM のジャーナルや SIG (研究会) の文献に自由にアクセスすることができる. これはとても便利なのだが,これまで,私が所属している他のどの学会でも実現されていなかった. それがようやく情報処理学会でも実現された. あまりにおそかったが,それにしてもこれは画期的なことだ.

つづく…

2010-05-29

著者はコンピュータ科学の成果を利用してさまざまなアート作品を創作してきた. コンピュータをつかったアートは他の作家によってもさかんにつくられるようになっているが,AI (人工知能) にもふかくかかわる著者のこころみはよりひろく,ふかい.

しかし,AI じたいがまだ多様な側面をもった人間というものを十分にとらえているとはいえない. そういうなかでは,著者のそれぞれのこころみも一面的だという感じがぬぐえない. すぐれた芸術作品には多面性・多層性がある. 「カルチュラル・コンピューティング」 には従来のアートにはなかった人間とのインタラクションがある,とはいうものの,ふかみのある芸術に到達できるのはいつの日か,あるいはそもそも可能なのか? とおもってしまう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: カルチュラル・コンピューティング@ [bk1] カルチュラル・コンピューティング@Amazon.co.jp

つづく…

2010-07-26

日本人よりは,Ruby on Rails,Perl,Twitter などの有名な言語やサービスを開発してきた外国人がインタビューの対象になっている. 技術系雑誌の連載を単行本化したということで,Perl, Ruby, JavaScript などといったプログラミング言語の話題もおおい. これらの言語を知っていればよりたのしめるが,知らなくてもえられるものはおおいだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 小飼弾のアルファギークに逢ってきた@ [bk1] 小飼弾のアルファギークに逢ってきた@Amazon.co.jp

つづく…

2010-09-07

建築だけでなく,おおくのデザインにおいてコンピュータはなくてはならないものになっている. しかし,そのほとんどがコンピュータを単なる道具として,デザインにとって本質的ではない部分でつかっているにすぎない. 著者はコンピュータのパワーをもっとデザインの本質的な部分にいかそうとしている.

この本のおおくの章は概念的な記述や既存のアルゴリズミックなこころみの紹介などにあてられている. そこにはアルゴリズミック・アーキテクチャのさまざまな可能性がよみとれる. しかし,プログラムの例がしめされた,アルゴリズミック・デザインの具体的な適用例の章になると,当面,著者が興味をもっているのはアルゴリズムで生成される形態やその過程だけらしいことがわかってくる. そこでは建築が人間をつつみこむものであり,居住性,アメニティなどがめざすべきものだということは,わすれられているようにみえる. コンピュータにさせるべき仕事はこういう目的と形態とをうまくつなぐことなのではないだろうか. 失望させられる内容だった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: アルゴリズミック・アーキテクチュア@ [bk1] アルゴリズミック・アーキテクチュア@Amazon.co.jp

つづく…

2010-09-17

Eniac の時代からマイコン時代までのコンピュータ開発にたずさわった 10 人の日本人にインタビューしている. 本人にきくと,いろいろな裏話がでてくるところが,単なる 「歴史書」 とはちがうところだろう. そこには,TAC 開発のグループが分裂した話,その一方からでてきたパラメトロン計算機の開発者である後藤英一氏の話,TAC 開発をつづけたグループの和田弘氏の「パラメトロンは [中略] 速度が遅いから,実用価値は乏しいと思っていました」 という話など,ドラマもある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本人がコンピュータを作った!@ [bk1] 日本人がコンピュータを作った!@Amazon.co.jp

つづく…

2010-09-14

まえから気になっていたこの本をやっと買った. カバーをふくめて,あやしいイラストが何枚かはいっていて期待したくなる (?!) が,はずれた :-)  NAND のような基本的なものを中心とする IC 10 個だけで一応動作する CPU がつくれる. 配線もそれほど複雑ではない. スキルは必要だが,ある程度,電子工作をつくった経験があれば,たぶんつくれるだろう.

メモリが ROM だけで,CPU からはかきこみができないところがちょっと機能不足だが,それをのぞけば最低限のしかけはもっている. この CPU をもとに,すこし変化させてつくることができればもっとよいが,そこまでできるひとはかぎられているのだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: CPUの創りかた@ [bk1] CPUの創りかた@Amazon.co.jp

つづく…

2010-11-18

著者は Viaweb という Web 上のサービスをたちあげた 「ハッカー」 であり,この本のなかにも Viaweb がときどき登場してくる. 5 年間ねかしていた本だが,そのあいだに Viaweb のようなサービスには 「クラウド」 というなまえがつけられて,なじみのあるものになった.

話題はいろいろな方向にふれていく. なかには専門家でないとわかりにくい話もあるが,そうでなくてもたのしめる部分がおおいだろう. この本を読んで,本来の意味の 「ハッカー」 を理解してもらいたい.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ハッカーと画家@ [bk1] ハッカーと画家@Amazon.co.jp

つづく…

2011-01-19

この本は,技術の習得を怠って 「35 歳定年」 をむかえてしまうプログラマと,著者のようにずっと現役でありつづけられるプログラマとのちがいがどこにあるかをしめそうとしている. 思考力をきたえ,つねによみやすいコードを書くように努力し,積極的・継続低に学習するなどの点が指摘されている. 英語力をきたえることもふくまれているが,TOEIC 900 点が必要というのは,いいすぎだろう.

目標はたかいほうがよいだろうが,「現役続行」 するためにこれほどたかい技術的・能力的なハードルが必要だとはおもえない. その一方で,これからのプログラマにはアップル・ストアで当てるというような起業家的な能力も必要なのではないかとおもえるが,この本がめざしているのは従来的なプログラマやシステム・エンジニアをきわめることであり,そこに弱点があるようにおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: プログラマー現役続行@ [bk1]プログラマー現役続行@Amazon.co.jp

つづく…

2011-02-19

パソコン上で数式などを書くとき,「プラス」 の文字つまり 「+」 にはあいまいさがないが,「マイナス」 に関してはいつも,まよう.

つづく…

専門家ではなく IT ジャーナリストが書いた AR 論だ. だから,AR の技術よりは社会,とくに広告などのビジネスが中心の話題になっている. セカイカメラやそれに類するサービスにかなりのページがさかれているが,こういうサービスはセカンドライフと同様にあまりパッとしない.

むしろ,本書でもふれられている 「AR 空間を整備することで,現実空間の人の流れを意図的に変えようという試み」 のほうが興味ぶかい. つまり,AR をみているひとの数はかぎられているので,他のひとにどれだけ影響をあたえられるかが勝負だとおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: AR@ [bk1]AR@Amazon.co.jp

つづく…

2037-01-01

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