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言語・コミュニケーションとネットワーキング アーカイブ

0001-01-01

tetu_bn_161.gif 書評・読書カテゴリーには私が Amazon や BK1 に投稿した書評や,本について書いた文章をあつめています. 以前はすべての書評をひとつのページにいれていましたが,書評の数がおおくなり,書評・読書カテゴリーのページがながくなりすぎたので,書評・読書カテゴリーを分割しました. 書評以外のカテゴリーにあわせて, Web とインターネット仕事と起業メディア・アート・イベント・エンターテイメントインタフェース,アメニティとデザイン思想・哲学・宗教情報学・計算・プログラミング政治・法律・憲法教養・教育と学習歴史環境生活知的生産とリテラシー社会・経済秘密・プライバシー保護とセキュリティ言語・コミュニケーションとネットワーキング というように書評を細分するようにして,書評カテゴリーのページにはそれらに分類しづらいものをあつめました. なお,このページは各カテゴリーのページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 10:39 です).

WLA2-S11.jpg second_life_startup.jpg このカテゴリーにはおもに人間の言語,メディアをとおした人間どうしのコミュニケーションやネットワーク (つながり) に関する話題をあつめています. ときにはコンピュータどうしのコミュニケーションやネットワークもあつかいます. 上位のカテゴリーはカナダからのブログです. voiscape 電話放送やさまざまな語彙・訳語などに関する話題はサブカテゴリーに分類しているので,そちらをみてください. また,iPhone に関する話題は情報通信博物館iPhone アーカイブにまとめました.

このページには書評もふくまれていますが,言語・コミュニケーションとネットワーキングに関する書評のページにはそれらの書評だけをあつめています.

なお,このページは コミュニケーションとネットワーキング アーカイブ のページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 17:20 です).

おもくなるのをさけるためにアーカイブのページには写真がはいらないようにしていますが,いくつかの個別ページにある写真をここに引用しておきます.

WASSad.jpg

2007-05-12

憲法改正というとすぐに第 9 条の話題になります. 日本の将来をきめるうえで第 9 条をどうするかがおおきな問題であることはまちがいありません. しかし,第 9 条にとどまらず,国民が主体的に憲法をえらびとって自分のものにすることが重要だとおもいます. そこで,ここでは憲法における情報・通信の保護と情報通信技術 (ICT) との関係についてかんかえてみたいとおもいます.

つづく…

2007-05-11

90 年代にはいくつかの会社がパソコンのために 3D 機能つきのサウンドシステムを開発しました. しかし,A3D という 3D サウンド API を開発した Aureal Semiconductor 社をはじめとして,そのおおくは解散するか,あるいは現在のこっていても規模はちいさいままです. ゲームなどで 3D グラフィクスはさかんにつかわれてきましたが,3D 音響はほとんど注目されないままです.

つづく…

2007-08-23

インスタント・メッセージング (IM) においては相手の “プレゼンス” を知ることができます. このばあいの “プレゼンス” とは,相手がオンラインかどうかという 1 ビットのデジタルな情報です. オンラインであればメッセージをおくって,すぐに相手のコンピュータにメッセージを表示することができます. しかし,もともとプレゼンスということばは,人間やものの存在感とか臨場感とかいうアナログな情報をあらわすものです. 仮想現実 (virtual reality) においては,もっと本来の意味にちかい意味でこのことばがつかわれています. この分野の専門雑誌として MIT Press の 「Presence」 があって,興味ぶかい論文がいろいろ掲載されています. IM における “プレゼンス” は,それらとはあまりにおおきくちがうものです.

つづく…

2007-08-29

バッファローの無線 LAN アクセス・ポイント WLA2-S11 がこわれました. 2003 年ころに導入したものです. 熱がたまりやすいつかいかたをしていたので寿命をちぢめたのかもしれません. それにしても,無線 LAN はトラブルがおおくて (信頼性がひくくて),いやになります. アクセス・ポイントも 5 年間で交換は 3 回め,交換にまでいたらなくても,その間,何回かトラブルが発生しています.

つづく…

2007-09-09

あふれる情報のなかから,ほしいもの,必要なものをどうやって選択するかということは,情報化がすすんだ現代におけるおおきな課題です. 情報の選択のしかたとして情報源を単位として選択するやりかたがあります. 情報源というのは,特定のひと,特定の新聞・雑誌・放送局などです. ここでは情報源としての “ひと” に焦点をおいて,情報源の選択についてかんがえてみます.

つづく…

iPod (アイポッド) が音楽プレヤーだということは,だれでも知っています. しかし,iPod は動画もとりいれました. また,電話をとりいれて iPhone (アイフォーン) もつくられました. iPod の本質はなんなのでしょうか? 私は iPod の本質はユビキタスなデータベース・アクセス・ツールだとおもいます.

つづく…

2007-09-08

Web は基本的にはデータベースのようなものです. つまり,Web 上の情報はいつでもみることができる,日常的なものです. もちろん,非日常性を演出するために,特定の情報を特定の期間だけそこにおくことはできますし,実際にそういう 「イベント」 が開催されてきています. しかし,非日常性ということばからすぐに連想される 「まつり」 とくらべると,なにか魅力に欠けたものであるようにおもえます.

つづく…

2007-09-07

“プレゼンス” におけるデジタルとアナログ」 では,インスタント・メッセージング (IM) などにおける “プレゼンス” とはちがって,本来のプレゼンスはアナログ情報だと書きました. プレゼンスということばにはいろいろな意味があって,IM の “プレゼンス” もそのうちのひとつだということができますが,東工大の比嘉研でつかわれていた e-office というシステムには,IM の “プレゼンス” にちかいが記号化されていないアナログ情報がつかわれている例をみることができます.

つづく…

2007-09-14

イベント・プロデューサーである 平野 暁臣 は 「コトづくりの眼」 (日本実務出版, 2005) という本のなかで 「イベントにとって一番大切なもの,それはおそらく 「物語」 だ.」 (p. 45) と書いています. このことばがどういう意味をもっているのか,この本から十分に把握することはできません. なぜなら,この本はみじかいエッセイをあつめたものであり,ここで 「物語」 ということばがどういう意味をもっているのか,十分には展開されていないからです. しかし,「物語」 は,「イベントと ICT 技術 (とくに Mixed Reality)」 に書いた同時性,双方向性,一回性,ライブ性,参加性,空間性,体感性などのことばと同様に,私のこころにひびくことばです. したがって,イベントにとって一番大切なのは物語だということばは,おぼえておきたいとおもいます.

新聞や雑誌は比較的ふるくからあるコミュニケーション・メディアですが,19 世紀後半以来,電話,ラジオ,テレビなど,さまざまなコミュニケーション・メディアが発明されてきました. 20 世紀後半にはさらにインターネットが普及し,メイル,Web などのメディアが発展してきました. これら,メジャーになったコミュニケーション・メディアは,あたらしいメディアがあらわれてもきえることはなく,つぎつぎにつみかさねられて (piled) きています. 今後もおなじことがくりかえされていくのでしょうか?

つづく…

2007-09-09

あふれる情報のなかから,ほしいもの,必要なものをどうやって選択するかということは,情報化がすすんだ現代におけるおおきな課題です. 情報の選択のしかたとして,「情報源の選択 -- “ひと” の選択を中心として」 に書いたように情報源を単位として選択するやりかたがあります. 情報源というのは,特定のひと,特定の新聞・雑誌・放送局などです. ここでは情報源を 1 次元空間や 2 次元空間に配置して,その空間内を移動しながら情報源を選択するやりかたについてかんがえてみたいとおもいます.

つづく…

2007-09-16

コミュニケーション・メディアのつみかさねとフュージョン」 のなかで,これまで,とくに 19 世紀後半以降,電話,ラジオ,テレビなど,あたらしいメディアがつぎつぎにあらわれてきて,従来のメディアのうえにつみかさねられてきたということを書きました. しかし,固定電話が携帯電話によってとってかわられようとしていることは,これまでの単純なつみかさねとはすこしちがっているようにみえます. また,地上波のテレビ放送がアナログからデジタルに転換されようとしていることは,政治的なちからがはたらくことによって,これまでの 「つみかさね (piling)」 になることを阻止しようとしています. 固定電話に関しても,NGN の登場によって,これまでとは質的にちがった変化がおこることが予想されます. 「コミュニケーション・メディアのつみかさねとフュージョン」 のなかではこうした具体的なメディアの変化についてかんがえなかったので,ここでそれをかんがえてみたいとおもいます.

つづく…

2007-09-15

以前,遠隔会話のためのメディア voiscape (ヴォイスケープ) に関係してテレビ朝日のひとの話をききにいったことがあります. そのときにきいたのは,表現者 (映像作家) はフレーム (わく) のなかに視聴者の注意をひきつけて,表現したものをそのままみてほしいということでした. これに対して,イベント・プロデューサーの 平野 勝臣 は映像についても観客が自分で選択して見るしかけをつくっています. 通常の映像作家と “イベント作家” とのちがいを感じさせる話です.

つづく…

2007-09-19

濱野 智史 は 「情報環境研究ノート」 というブログのなかで Linden Lab (リンデン・ラボ) の Second Life (セカンドライフ) についてつぎのように書いています (第11回 セカンドライフ考察編(4)).

Second Life は

1) 「真性同期型アーキテクチャ」 であるがゆえに,(非同期型に比べて相対的に) ユーザー間の非接触機会が高い,
2) セカンドライフの仮想空間 「メタバース」 は,「場所」 という概念はそこそこ 《現実的》 に設計されているのに対し,「距離」 の概念は 《非現実的》 に設計されている (= テレポーテーションができてしまう),
3) ひとつの 「島」 (プライベート SIM) に共在できるユーザー数が数十人程度に制限されている」

これらの点を voiscape (ヴォイスケープ) に関して検証してみようとおもいます.

つづく…

濱野 智史 は 「情報環境研究ノート」 というブログのなかでニコニコ動画を 「疑似同期型メディア」 とよんでいます. 通常 「同期型メディア」 とよばれているメディア (濱野は 「真性同期型メディア」 とよんでいます) はリアルタイムであり共体験性 (臨場感・一体感 (?)) がありますが,ニコニコ動画にはライブ感やリアルタイム感があり,時刻がずれていても体験を共有することができるというのです (第 3 回 「Twitter」 と 「ニコニコ動画」 の共通点 (2)).

つづく…

2007-09-22

Linden Lab (リンデン・ラボ) の Second Life (セカンドライフ) に関して,しばしば 「閑散としている」 といわれます (たとえば濱野 智史 の 「情報環境研究ノート」 (第10回 セカンドライフが 「閑散としている」 のはなぜか? 3)). 「新 清士 のゲームスクランブル」 (ディズニーランドにはなれない 「セカンドライフ」 (2007-8-3)) によると,Second Life にログインするひとのおおくは新規ユーザであり,ほとんどのユーザは 1 回しかつかわずに放棄してしまうということです. 新が書いているようにログインしても閑散としているからインタラクションは成立しにくいわけですが,さらに,こういうユーザはひやかしでつかっているわけですから,だれかと出会ってもインタラクションしない可能性がたかいのではないでしょうか?

つづく…

2007-09-20

産経新聞は紙の新聞のイメージをそのままオンライン化した 「産経 NetView」 というサービスをしています. 紙で購読すれば月額 2950 円であるのに対してオンライン版は月額 315 円であり,はるかに安価に読むことができます. こんなサービスはうまくいくはずがないというひともいますが,私自身はけっこう気にいっています.

つづく…

2007-10-03

このブログには,当初の目的からはずれて,さまざまなことを書くようになりました. おもに,書く訓練,そして思考の鍛錬のためにつかっているということができます. 書く訓練,思考の鍛錬のためには,以前は紙のカードやワープロをつかってきましたが,それにくらべるとブログははるかに画期的な知的生産の道具になっています.

つづく…

2007-10-02

通信にも放送にもリアルタイムのものがありますが,通信と放送とではリアルタイムといってもその意味がちがいます. それらをあわせもつメディアをつくることが通信と放送の融合ということなのではないでしょうか.

つづく…

2007-10-01

本書はおもにインターネットがもたらした変化,とくに言論のフラット化 (匿名でも権威があっても 「何を言ったか」 だけで判断される) と,ウィキペディアなどにおいて意見の集約が困難になっいること,セレンディピティによって人と人とが出会いやすくなったことについてのべている. しかし,それと同時に日本において 2000 年代前半に 「戦後世界」 のわくぐみとそれを象徴する共同体が完全に崩壊した崩壊したことによって人々がばらばらにされたこともフラット化のひとつであり,それが 「出会い系」 へののめりこみを生んでいることも指摘している. このようなネットだけにとらわれないはばひろい視野はまなぶ価値がある.

評価: ★★★★★

関連リンク: フラット革命@ [bk1]フラット革命@Amazon.co.jp

つづく…

2007-10-06

私のブログのかきかたについて書いてみようとおもいます. 私はブログを 「アイデア・メモ」 としてつかっていますが,ひとにも読んでもらいたいので,推敲したうえ,印刷してみて完成度をたかめています. 参考文献や他の Web ページへのリンクはてきるだけいれるようにしています. また,Movable Type における 「エントリーの内容」 と 「追記」 とのつかいわけについても書きます.

つづく…

ブログの機能として,情報発信つまり一方向のコミュニケーション機能と,議論つまり双方向のコミュニケーション機能とがあります. ただ書くだけではどちらの機能も十分にはたすことはできません. どうすればそれらの機能をよりよくはたすことができるか,かんがえてみます.

つづく…

今年前半におこった 「ビデオ・トラフィックが P2P (peer to peer, ピア・ツー・ピア) をぬいた」 という現象を,私の経験・意識とむすびつけて論じてみたいとおもいます.

つづく…

2007-10-09

220 ページほどの本のなかでモバゲータウンそのものについて書いた部分は 50 ページほどではあるが,モバゲータウンについての本がわずかしかないなかでは貴重な記録ということができるだろう. 著者はモバゲータウンを試用し,それを運用する DeNA と一部のユーザに取材し,それをこの本に反映させている. しかし,それらのいずれについての記述も中途半端だという印象をまぬがれない. 入門者のためにはモバゲータウンだけでなく周辺の説明も必要だろうが,もうすこしモバゲータウンそのものについてのページをふやして,もっと 「すごさ」 がわかるようにしてほしかった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: モバゲータウンがすごい理由@ [bk1]モバゲータウンがすごい理由@Amazon.co.jp

つづく…

2007-10-13

書店でみたら,私だったら手にとるのをためらってしまいそうなカバーがついている. また 「ブログ魂」 という,読んでもなお理由のわからない書名がついている. しかし,内容はすばらしい. 本書ではつぎのようにブログに 2 種類の分類をあたえている.

A: Q & A 系,B: ホームページ系,C: 掲示板系,D: 日記系

1: 情報系,2: 共感系,3: エンタメ系

自分のブログがどれにあたるかをかんがえれば,これからどうすればよいかもみえてくるというわけである.

本書でもっとも価値があるのは,どうすればブログをもっと読んでもらえるか,コメントがもらえるか,トラックバックをどう利用したらよいか,他のブロガーとつながることができるか,などに関する記述である. これらについては類書にないくらいさまざまな内容が書かれている. たとえば,タイトルひとつにしても,10 種類に分類して論じている. 読んでもらうためには投稿する時間までかんがえたほうがよいと書いている. 他のブロガーとのつながりに関しては,「ブログ・コネクター」 になること,「ハブ・ブログ」 とつながることをすすめている. ほかにもさまざまなことが書かれている.

最近ブログに関する本をあつめていろいろ読んだが,この本が一番,私が知りたかったことにこたえてくれた.

評価: ★★★★★

関連リンク: ブログ魂@ [bk1]ブログ魂@Amazon.co.jp

つづく…

2007-10-09

本書においては,一般市民がブログを通じてジャーナリズムに参加できるようになったいまジャーナリズムがどうなり,また将来どうあるべきかという点を論じている. 著者のジャーナリストとしてのこれまでの経験,ジャーナリズムがこれからどうなっていくのか,プロのジャーナリストや新聞社はどうするべきなのか,などなど,さまざまな問題があつかわれている. しかし,よみおわってみて,雑然とした印象しかのこらない. 前著 「ネットは新聞を殺すのか」 を出版したあと,著者は 「不完全燃焼のような思いを抱いていた」 とあとがきに書いているが,本書においてもまた不完全燃焼におわっているようにみえる. むずかしい問題が山積しているので,不完全燃焼するのはやむをえないのだろうが,もうすこし明確な主張をもりこんでほしかった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ブログがジャーナリズムを変える@ [bk1]ブログがジャーナリズムを変える@Amazon.co.jp

つづく…

2007-10-17

きょう (2007 年 10 月 17 日) の NHK のためしてガッテン 「大満足!動物園サプライズ体験術」 では動物との “会話” をたのしむ方法が紹介されていました. これまで動物園は情報のながれが一方向だとおもってきたので,これは 「目からウロコ」 でした.

つづく…

2007-10-28

著者は 「グーグル」 (文春新書) という本などで Google のすごさを指摘してきた. 本書でも商品検索において Google が楽天などの顧客をうばってしまう可能性を指摘している. しかし,本書ではむしろ Google の支配にほころびがみえること,すなわちその信頼性がゆらぎ,グーグルラボから先進的なサービス,Web 2.0 的なサービスがうまれにくくなっていることなどを指摘している. そして,あたらしいサービスの可能性を,Google モデルが適用できない YouTube,ニコニコ市場,Twitter などにみている. これらで実現されている会話と独白がいりまじった非同期的なコミュニケーションが支持されていて,それをビジネスにすることができた企業がつぎの覇者になるという.

この種の本では現在のコミュニケーション・スタイルや現在の覇者を未来に延長しようとしていることがおおいが,本書ではもっとさきをみようとしている. 刺激的な本である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ネット未来地図@ [bk1]ネット未来地図@Amazon.co.jp

つづく…

2007-10-29

Web をあまりつかわないひとにはもちろん,つかっているひとでも Web 上でおこっていることの全体像はみえにくい. 「炎上」 という現象についても,炎上しているところにぶつかることはあるとしても,その原因や過程をおいかけることは,ふつうの Web ユーザにはなかなかできないだろう. 著者はそういうひとたちにもわかるように,炎上やサイバーカスケードや他のさまざまな現象を分析してみせるだけでなく,この世界の用語をゴシック体にしてめだつように本書のなかにちりばめて教養主義的に解説している. これまでモヤモヤとしかわかっていなかった Web 上の現象が,本書を読めばもっとはっきりわかるようになるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ウェブ炎上@ [bk1]ウェブ炎上@Amazon.co.jp

つづく…

2007-11-13

本書は,おおくのひとびとが Web などをつかって共同で創造していくさまざまなしかけをとりあげている. そのうちのいくつかは,ほかの本や Web などを通じて,すでにおなじみになっている. しかし,「サイエンス 2.0」 などについては,まだ日本ではあまり議論されていないようにおもわれる.

また,本書を読めばウィキノミクスの弱点もわかってくる. たとえば,「ピアリング」 が機能するための条件のひとつとして生産物が部分に分割できることがあげられているが,これは複雑系のように分割できないものはウィキノミクスでつくりにくいことを意味している. いろいろと興味ぶかい内容をふくんだ本である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ウィキノミクス@ [bk1]ウィキノミクス@Amazon.co.jp

つづく…

2007-11-29

東京工科大学の 星 徹 先生の話をきく機会がありました. いろいろな話をききましたが,そのなかに,スイカ (Suica) などにはいっている FeliCa (フェリカ) をつかった行先表示システムがありました. 部屋にはいるとき,でるときにスイカなどをつかってチェックイン,チェックアウトすれば,どの部屋にいるかがみんなにわかるというシステムです. ひとにしらせたくないときはチェックインしなければよいので,プライバシーがまもれるわけです. 携帯電話の GPS などをつかった行先 (あるいは通過場所) 検出システムにおいては自動的に場所を検出するのでプライバシーをまもるのが困難です. ひとにしらせてよいときでもチェックアウトをわすれたりしてシステムを混乱させることがあるのが欠点ですが,こういうプライバシーに配慮した方法が普及するとよいとおもいます.

つづく…

通常の使用法ではなにも問題がおこっていないデジタル音声再生機器をちょっとちがう方法でつかうと,急に音質が劣化したりすることがあります. 音声固有の問題ではなくてリアルタイム処理にはありがちなことだとはおもいますが,いわば 「デジタル音声再生はひとすじなわではいかない」 ということです. 私は USB ヘッドセットを VoIP 通信 (IP デジタル音声通信) でつかって,こういうことを経験しました.

つづく…

2008-01-12

1988 年に自宅をたてかえたとき,もうすぐホーム・ネットワークがつかわれるようになるだろうとかんがえて,準備しました. しかし,準備した電力線ネットワークはいまだに実現されず,その一方で計画していなかった LAN が必要になりました.

つづく…

2008-04-04

著者の主張をひとことでいえば 「NTT はいまだに電話的価値観の呪縛からぬけだせないために低迷している」 ということになるだろう.フレッツ網の障害も NGN の低迷も電話的価値観のせいにされている.しかし,この本の内容をすなおによむと,これはこじつけだとおもえる.

フレッツの成功はこの呪縛をまぬがれて自由にサービス開発ができたからだという. しかし,フレッツよりまえ / よりあと (NGN) においても,フレッツにおいても,NTT が電話以外にめぼしいサービスを開発したことがあっただろうか? この本に書かれた NTT の動向は読むに値するが,著者の意見は聞くに値しないとおもわれる.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: NTT の自縛@ [bk1]NTT の自縛@Amazon.co.jp

つづく…

2008-04-12

iPhone をタイトルにふくむ本は日本でもすでに何冊か出版されているが,iPhone がまだ当分日本ではつかえないためか,これまでの本は iPhone そのものにはあまりページをさかず,iPhone をつくった Apple や Steve Jobs について書いていた. この本は iPhone そのものに正面からとりくんだ最初の本だといえるだろう. iPhone の機能や日本の携帯電話との比較,日本での発売の可能性などについて書いている. 意外な話はとくにないが,iPhone の概要を知るにはよいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: iPhoneが日本に上陸する日@ [bk1]iPhoneが日本に上陸する日@Amazon.co.jp

つづく…

放送通信融合」 ということばはあいまいで,私にはいまだにその意味がよくわかりません. しかし,すくなくともそれには 3 つの側面があることがわかります. ここではそれぞれの側面についてかんがえてみたいとおもいます.

つづく…

2008-04-11

きょうは事故で中央線がとまって,会社にいくのにとおまわりせざるをえませんでしたが,判断をあやまって時間をロスしてしまいました. このようなばあいにいつもおもうことですが,構内あるいは車内のアナウンスでもうすこし判断のための情報をあたえてくれれば,より適切な判断ができるとおもうのです.

つづく…

2008-04-29

すくなくとも最近まで,情報通信技術は最先端技術であり,主役でした. すくなくとも情報通信技術者たちは,そうおもっていたでしょう. しかし,ユビキタスの時代,つまりコンピュータがみえなくなる時代 (「ユビキタス・コンピューティングとエージェント指向コンピューティング」 参照) には,もはやコンピュータは主役ではなくなる,つまり情報通信技術は主役である 「みえる技術」 をささえる脇役になるのだとおもいます. 主役はむしろ農林水産業や鉱業などなのではないかともおもいます.

つづく…

2008-04-27

SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) は最初の版が 1980 年に標準化されたのち,おおきく改訂されてはいない,ふるいプロトコルです. メイルが単なる文字情報のやりとりだけでなく,さまざまな用途につかわれていることは Dabbish ら [Dab 06] などで指摘されていますが,SMTP はそういう用途のためには,ちょっと役不足です. しかし,SMTP においては “to”, “cc”, “bcc” など,宛先をさまざまなかたちで指定することができます. こういう機能は他のプロトコルにおいてはおなじやりかたで指定することはできません. しかし,その有用性はみとめられていて,SIP のインスタンス・メッセージ機能などにも,べつのかたちでとりいれられようとしています. そういうわけで,私は SMTP をみなおしました.

つづく…

2008-05-04

「放送と通信の融合」 に関する本は何 10 冊かあるが,本書はそのなかでももっとも示唆にとんでいる. テレビの進化をかんがえるうえでコンテンツをどのように発展させていくかをかんがえることが重要なのはいうまでもない. しかし,著者はテレビ局や従来の放送・通信政策におさえつけられていた古典的な意味でのコンテンツ制作者を自由にすることを主張してはいない. むしろ,「次のテレビ」 や 「テレビの次」 として,YouTube やニコニコ動画がしめしているような Web 2.0 的な方向をみている. 「テレビの次」 のビジネスモデルのヒントを Google や楽天にみている. とはいっても,よみおわると,むしろいろいろともやもやした感じがわきあがってくる. むしろ,そのもやもやをそだてていくことが今後のたのしみだとおもえる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: テレビ進化論@ [bk1]テレビ進化論@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-08

「調べる技術」 というと,最近ではまず Web をかんがえてしまうが,オリジナリティのあるものを書くにはいまでも取材が重要ということになるだろう. この本の中心は 「わすれさられた」 取材と執筆のルールを読者につたえることにある. 古典的な取材法と執筆法,そして書くテーマも古典的なテーマのなかからあたらしさをみつけるところに価値をおいているのだろう. しかしそれにしても,変化がはげしくなった時代のなかで 「あらゆるテーマがすでに書き尽くされているのではないかと思えてくる」 と書かれているのを読むと,違和感を感じてしまう. 取材の場を世界にひろげれば,あたらしいテーマはいくらでもあるはずである.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 調べる技術・書く技術@ [bk1]調べる技術・書く技術@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-18

2003 年ころ,私は湘南新宿ラインをつかって戸塚に通勤していました. その電車のなかで,アジア系外国人とみられるひとにであいました. 東京テレポートにいきたいというのですが,電車はすでに大崎駅をでて,西大井にむかっていました. 彼がのりかえるべきであることを知らなかったのは,英語のアナウンスがなかったからだとかんがえられます. 運のわるいことに,その電車は快速であり,横浜まで,おりることはできません. しかも,横浜から東京テレポート方面にいくのはかなり困難だとおもわれました.

つづく…

数年前,戸塚に通勤していたときに,東京テレポートにいくつもりで電車にのったのに横浜につれていかれてしまった外国人にであいました. それは湘南新宿ラインの電車で英語のアナウンスがないためでした. この点は改善されましたが,いまでも,外国人にはとても理解できないような内容のアナウンスをしています. どうも,こまったものです.

つづく…

2008-07-03

著作権つきの動画が勝手に動画サイトに投稿されたとき,著作権者が要求すれば,動画サイトはその動画を削除せざるをえない. しかし,ニコニコ動画においては動画につけられたコメントはもとの動画の著作権者のものではない. したがって,もとの動画がけされてもコメントだけを再生することができる. コメントだけ再生しても,けっこう,おもしろいばあいがある.

つづく…

2008-06-29

中野新橋駅付近をとおるとき,ふだんはあまり上をみあげることもない. したがって,ほとんど気づいていなかったのだが,ここにはいくつか屋上に看板がつけられるようになったビル,つまり広告塔のあるビルがある. しかし,実際に屋上に広告看板をつけているビルはかぎられている.

つづく…

2008-07-27

最近,国内でおこるいろいろな刺殺事件・通り魔事件などがマスコミをにぎわせています. 秋葉原 で 6 月 8 日におこされた無差別殺傷事件7 月 19 日に埼玉県川口市で中学 3 年の長女が 46 歳の男性会社員を刺殺された事件7 月 22 日に京王八王子の書店で女性 2 人が刺された事件をはじめ,他にも多数ありました. このような事件がおこる背景に,親族やなかまとのコミュニケーションがうまくいっていないことがあるようにおもいます. 日本でも欧米的な個人主義がひろがっているなかで,コミュニケーションに関してももっと欧米のやりかたをとりいれるべきなのではないでしょうか?

つづく…

2008-08-12

この本がとりあげている問題は重大である. 子供がケータイを何にどのようにつかっているかを分析し,ネットいじめ,ケータイがもたらす心理的な罠,フィルタリングの問題などについて論じている. しかし,子供をすごく,とおくから見ている印象だ. 直接,子供にきいたナマの情報というのはないようにみえる. こういう情報はもう聞きあきたし,そういう本ならほかにも,いくらもあるようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ケータイ世界の子どもたち@ [bk1]ケータイ世界の子どもたち@Amazon.co.jp

つづく…

2008-08-11

タイトルには 「ウェブ」 がついているが,むしろケータイの話題,とくにこどもによるケータイ使用に関する話題がおおい. しかし,全体として散漫な印象であり,なにがいいたいのかよくわからない. その理由はこの本が新聞などからとった多数の文章を PHP の編集者が中心にまとめたものだからだろう. また,サル学が専門の著者がサルのはなしを書いていないことも,文章のおもしろさを減じているのかもしれない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ウェブ人間退化論@ [bk1]ウェブ人間退化論@Amazon.co.jp

つづく…

2008-09-12

書評はさまざまな新聞や雑誌にあらわれる. したがって,それらが目にふれる機会はすくなくない. しかし,いざある本を買おうとおもったときには,それらの書評はアクセスしにくい. そういう書評はみな沈んでしまって,やくにはたたず,実際に本を買うときに目にするのは Amazon や BK1 などの書評である.

つづく…

2008-09-07

ひとが情報にアクセスするときの枠組みあるいは文脈を著者は 「情報共有圏 (インフォコモンズ)」 と呼んでいる. このことばじたいは 「場所」 とむすびついているが,著者はむしろひとのグループとむすびつけている. 情報検索における絞り込みも情報共有圏のひろさを制御するものだととらえている. いずれにしても,きわめてあいまいな概念である.

著者はユーザごとにこの情報共有圏を適切に選択するためのしかけが 「暗黙 (インプリシット) ウェブ」,たとえばフェースブック・ビーコンのようなしかけだという. そこでは情報共有圏を適切に設定するためにさまざまな技術がつかわれるが,困難がおおく,たとえばマイクロソフトはベイズ理論をつかったユーザ支援で失敗している. そこで著者は Web 3.0 を登場させ,さらに考察をかさねている.

いろいろな知識が動員されくみあわされているが,それで現在の状況になにがつけくわえられ,問題が解決されるのか,私には理解できない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: インフォコモンズ@ [bk1]インフォコモンズ@Amazon.co.jp

つづく…

2008-09-13

数年前まで,あたらしい音声メディアをつくるという目標にむかっての研究を中心として仕事をしてきた. それによって研究としては成果をあげてきたが,実用になるものをつくることはいまのところできていない. その理由はいろいろあるとおもうが,そのなかでもおおきな理由は人間の耳をいかすメディアをつくることがむずかしいということだとおもう.

これはおおきな問題なのでもっとしっかり論じるべきだが,ここではとりあえず,いまおもいつくことを書いてみたい.

つづく…

2008-09-23

Second Life (セカンドライフ) に関して,しばしば 「閑散としている」 という表現がつかわれています (「インタラクションの機会がかぎられる Second Life (?!)」 参照). これは参加している人数のわりに空間がひろすぎるからです. ひろすぎる空間という点ではインターネット上に展開されている他のメディアも同様です. たとえば,ブログにおいてはいったん炎上するとアクセス数は爆発的にふえますが,たいていのブログは,ふだんはわずかなひとしか,みていません.

つづく…

今後は,情報通信技術 (ICT) はこれまでのように主役であるよりも,農林水産業や鉱業の脇役としてのやくわりが増大していくでしょう. また,これらの 「リアル」 な産業に資金が傾斜する結果,ICT によるヴァーチャルな世界の重要性は相対的に低下するでしょう. サブプライム・ローン問題にみられるようなヴァーチャル世界のあやうさも,リアルへの指向をつよめるものとかんがえられます.

つづく…

2008-11-12

宮崎駿が NHK の 「プロフェッショナル」 のなかで,こどもをたのしませるための決定的瞬間をのがして後悔した話をしていた. すこしちがうが,私はおもしろい話をする決定的瞬間にことばがおもいだせなくてのがすことがときどきある.

つづく…

2008-12-06

これまで英単語を (Web 上の) 辞書でしらべたいときは goo の辞書 をつかってきた. べつにそれがよいとおもってつかったきたわけではなく,もっとよいものをしらないから,そうしてきただけである. 最近,論文の英文添削をうけたときに,添削者から ALC の辞書 (英辞郎) は用例がおおくてよいということをおそわった. これからは,この辞書をつかうことにしようとおもう.

つづく…

2009-01-13

タイトルをはじめとして,実用的な本であるかのようにみせかけているが,実は言語学者によるメール作法の分析書である. メールを書くときの実用にはあまりならないだろうが,ケータイ・メールまでふくめて,これだけ様々な場面を分析した本は他にないだろう. ただ,メール作法はコミュニティによってかなりのちがいがある. 大学生が書いたメールを中心に分析しているので,企業でメールをみている私には違和感がある部分もあった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: デジタル社会の日本語作法@ [bk1]デジタル社会の日本語作法@Amazon.co.jp

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2009-02-03

ケータイや 2 ちゃんねるから,つぎつぎと顔文字やこれまでの日本語になかったあたらしい表現がうまれている. 著者はそれを分析するところからはじめて,かな小文字,外来語表記,濁点・半濁点,長音,句読点などに関して,あたらしい表記法を提案している. こういう問題についていろいろかんがえるのはたのしいことではある. しかし,とびきりおもしろい話題があるわけではない. 結局のところ,1 冊の本が表記法に影響をあたえる可能性はすくないとおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本語ヴィジュアル系@ [bk1]日本語ヴィジュアル系@Amazon.co.jp

つづく…

2009-04-10

XML データをあつかうとき,それを自動生成するしくみがよくつかわれる. そもそも XML の構文じたいが,人間が読むのに適しているとはとうていおもえない. 自動生成によって生産性が向上するのはよいが,つねに自動生成にたよる,自動生成しかできないようでは,人間はバカになってしまうのではないだろうか?

つづく…

2009-05-02

4 月 22 日の NHK 「視点・論点」 は詩作家の 荒川 洋治 による 「聞こえる言葉」 だった. 電車のなかなどで,ちかくにいあわせたひとの話をきいて,いろいろ想像をめぐらすところを語っていた. これは私が voiscape (「声の景色」 というような意味の造語) というあたらしいメディアを開発して実現したかった世界につながる内容だったので,印象的だった.

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2009-06-19

日本では携帯電話が固有の進化をとげていて,「ガラパゴス現象」 ともよばれている. この現象を肯定的にみるひとつの視点は,携帯電話が万葉集以来の短歌,俳句など,短文による表現の伝統にマッチしたデバイスなのではないかということだ.

つづく…

2009-07-26

世界中で現在つかわれている言語をカバーしようとしている. 新書のページ数でそれをやろうとすれば,個々の言語に関しては最低限の記述にならざるをえない. それでたしかに 「地図」 をえがくことに成功してはいるが,地図以上ではない. エピソード的な話もいろいろ書かれているが,つっこみが浅いので,あまりつよく興味をひく記述はなかった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 言語世界地図@ [bk1]言語世界地図@Amazon.co.jp

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2009-08-08

認知心理学者ノーマンは著書 「誰のためのデザイン?」 において既存のさまざまな工業製品のデザインを分析していた. するどい分析ではあったが,その内容はむしろ保守的にみえた. 本書では知的な機械と人間とのインタラクションがテーマとなっていて,よりノーマンらしい内容だとおもえる. 本書の内容はそのなかに書かれている 「6 つのデザインルール」 にまとめられ,また 「機械によって [実はノーマンによって] 作られた 5 つのルール」 もあわせて書かれていて,そのほうが私にはピンとくる. いずれにしても,マイコンなどを内蔵した知的なインタフェースのデザイナーは,本書をてもとにおくとよいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 未来のモノのデザイン@ [bk1]未来のモノのデザイン@Amazon.co.jp

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2009-09-04

ローレンス・レッシグがつかいはじめた意味での 「アーキテクチャ」 は,権力がひとびとを規制するためというネガティブな意味をおびていたが,著者はそれをもっとポジティブにとらえようとしている. ミクシィ,ウィニーなどの P2P ソフト,ニコニコ動画,初音ミクなどがとりあげられて,アーキテクチャという観点から論じられる. あたらしい視点のはずだが,そのわりには新鮮味が感じられない. 著者の議論をすでにブログなどでみているせいかもしれないが…

評価: ★★★☆☆

関連リンク: アーキテクチャの生態系@ [bk1]アーキテクチャの生態系@Amazon.co.jp

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2009-09-26

八ッ場 (やんば) ダムの 「八ッ場」 というのは奇妙なつづりだ. 「「八ツ場」 の由来は 「簗場」 だった」 (Yahoo ニュース) によると,もとは 「八ン場」 だったという説もあるということだが,それが誤記されたのなら 「八ッ場」 ではなくて 「八ツ場」 になりそうなものだ. 朝日新聞や上記の Yahoo ニュースなどでは実際 「八ツ場」 とつづっているが,ほかはたいてい 「八ッ場」 とつづっている. ほかにもいろいろ説があるということで,やはり謎の地名だ.

つづく…

2009-10-07

「論理」 といえばまず 3 段論法をおもいだすが,この本では 「対」,「言い換え」,「媒介」 の 3 つがすべてである. 3 段論法があつかわれていないわけではなくて,それは 「媒介」 の一種としてあつかわれている. つまり,ふだんの日本語でつかわれる論理としては 「対」,「言い換え」 という 2 つのものの関係 (2 項関係) のほうがもっと重要であり,3 段論法は 3 つのものの関係 (3 項関係) である 「媒介」 のなかのひとつ (にすぎない) ということだろう.

この本のなかには 「類書はすでに多数あります」 と書いてあるが,こういう方針が単純で実用的な読解の本は比較的すくなくて,価値のある本だとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本語論理トレーニング@ [bk1]日本語論理トレーニング@Amazon.co.jp

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2009-10-16

話が通じない理由をいろいろ分析している. ひとことでいえば 「非・論理的コミュニケーション」 をしているからだという. しかし,私の経験では互いに論理的に話をしようとしていても通じないことがしばしばだ. この本を読んでもその理由や対策はよくわからない. いろいろな話が書いてあるが,あまり新鮮な話題はなかった. 結局,知りたいことはわからなかった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: なぜあの人とは話が通じないのか?@ [bk1]なぜあの人とは話が通じないのか?@Amazon.co.jp

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2009-11-10

「読解」 というと文章のなかにあるものを解読することだとおもってしまうが,この本はむしろ本のなかには書いてないことがいかに文章の解釈に影響するか,とくにそういう 「文脈」 をただしく理解しないと 「わかったつもり」 つまり誤解することになるかを,いろいろな例をつかって説明している. この本をよめば,「わかったつもり」 というおとしあなにおちるのをふせぐことができるようになるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: わかったつもり@ [bk1]わかったつもり@Amazon.co.jp

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2009-11-21

日本の近現代の地名のなかで,区別しにくい地名,まぜこぜの地名,まぼろしの地名など,さまざまな珍地名に横綱から前頭までの番付をつけて紹介している. まぎらわしい地名のなかにも (著者はそういう視点ではみていないが) 人間にはくべつしにくいがコンピュータにはくべつしやすいものや,その逆のものなどあって,コンピュータ・プログラムを書くものにとってはとくに後者に興味がわく. もちろん,それ以外の点にも興味はつきない.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本の珍地名@ [bk1]日本の珍地名@Amazon.co.jp

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2009-12-25

著者は携帯電話の危険を指摘しつつ,こどもにもたせることを否定してはいない. こどもに携帯電話をもたせている親がその得失をよくかんがえていないことに問題があると指摘し,その得失を議論している. しかし,実はこの本には携帯の利点つまり積極的にもたせるべき理由はほとんど書いていない. 基本的には,こどもにせがまれて携帯を買わざるをえなくなったとき,どうすればできるだけ危険をさけることができるかを知るための本ということだろう. いささか中途半端だ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 子どもとケータイ@ [bk1]子どもとケータイ@Amazon.co.jp

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2009-12-23

数週間前にフレッツ光の導入工事をした. 電話線を光ファイバーでおきかえるのに業者が苦労していたが,そこで駆使していた (が徒労におわった) ローテクが目についた.

つづく…

2009-12-21

著者は日本語が形式論理と同等であり論理的だという. 「同等」 ということばの意味がよくわからない. しかし,形式論理と 1 対 1 に対応するとはかんがえられないから,形式論理と対応づけられるという以上につよい意味はないだろう. 日本語が論理的でないといわれるのは,形式論理と対応づけられないということではなくて,それとの対応関係のあいまいさが英語にくらべておおきいということだろう. それを否定する議論はこの本のなかにはないから,「日本語が英語とくらべて論理的でない」 というかんがえを否定する根拠はあげられていないとかんがえられる. だから,この本はその主要なテーマにおいて失敗しているとかんがえられる.

しかし,この本にはおしえられることもおおい. 著者は日本では外国人向けには学校文法より合理的な文法が教育されているのに,英文法を無理にまねた学校文法が支持者がほとんどいないのに昔のまま教育されていることを批判している. そこには制度的な問題があることを指摘しているが,民主党政権がそこにきりこんでくれることを期待しておこう.

また,著者は日本語においては母音を左脳できくが,英語をはじめたいていの言語においては母音を右脳できいていることを指摘し,それを小学校での英語教育の問題にむすびつけている. 小学校で音声中心の英語教育をすれば母音を左脳できかなくなることを心配している. かんがえすぎのようにもおもうが,興味ぶかい議論ではある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本語は論理的である@ [bk1]日本語は論理的である@Amazon.co.jp

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2010-04-05

どうすれば学会のポスターセッションで効果的なプレゼンテーションができるのかを説明している.ポスターセッションもしだいに紙のきりばりなどに依存しなくなってきているとおもうが,この本ではまだ,のりやはさみのつかいかたにウェイトがおかれている.本の末尾にはさまざまなポスター・セッションの写真とともに失敗している部分の説明が書かれている.成功例もわずかにふくまれているが,もっと成功例をふやしたほうが参考になったとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ポスターセッションガイド@ [bk1] ポスターセッションガイド@Amazon.co.jp

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2010-04-14

4 月 13 日,文化審議会漢字小委員会は常用漢字としての 「私」 という字のよみとして 「わたくし」 のほかに 「わたし」 もみとめるという決定をしたという. たしかに慣用的に 「私」 は 「わたくし」 とも 「わたし」 ともよまれているが,この決定によって 「私」 という漢字のよみがますますあいまいになって,使用価値がひくくなったといえるのではないだろうか.

つづく…

2010-10-27

最近,来年度予算をきめるにあたって,政府の各機関がパブリック・コメントを募集していた. そのなかに総務省の 「光の道」 にかかわる予算があった. これに対して私は否定的な意見を書いたが,その時点ではまだかならずしも,かんがえが明確になっていなかった. その後 「光の道」 に関する本を 2 冊読んで,現状ではそこに税金をつかうべきでないというかんがえはパブリック・コメントに書いたのとかわっていないが,より明確なかんがえをもつようになった.

つづく…

2010-11-12

パソコンやケータイをつかうのにあまりなれていない親のために,こどものケータイをどう管理したらよいかを書いている. こどもとどう向きあい,ケータイやパソコン をどう設定し,どう監視していけばいいか,ひととおりのことが書いてある. たぶん,ほかの本からは得にくい情報もあるのだろう.

しかし,新書だからページ数がかぎられているということもあり,あまり具体的なところまでは書いてない. それに,本のタイトルにあるケータイのことだけでなくパソコンのこともまぜて書いてあるから,どれがケータイのことでどれがパソコンのことなのかも,よくよく読まなければわからない. ケータイについては,さらに電話会社ごとにちがう点があるはずだが,会社ごとの情報にはまったくふれていない. いささか不親切な書きっぷりだ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ケータイ不安@ [bk1] ケータイ不安@Amazon.co.jp

つづく…

2037-01-01

WASSad.jpg
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