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建築・都市計画 アーカイブ

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stair-room.jpg Nakanoshimbashi.jpg このカテゴリーには建築や都市計画を中心とした話題をあつめています. 上位のカテゴリーはアート・イベント・エンターテイメントです.

なお,このページは建築・都市計画アーカイブのページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 16:42 です).

おもくなるのをさけるためにアーカイブのページには写真がはいらないようにしていますが,個別ページにある写真をここにいくつか引用しておきます.

2007-06-09

自宅はもう約 20 年まえにたてたものですが,たてるまえから建築として一番きにいっている場所は階段室です.

つづく…

2007-10-20

会社からのかえりに,中野駅でおりるべきところを新宿までのりすごしてしまうことがたまにあります. 本を読むのに集中していて,おりそこなうのですが,どこかの駅についたということに気がつかないわけではありません. にもかかわらずおりそこなうのは,中野駅に個性がたりないからだとおもいます.

つづく…

2007-10-21

地下鉄丸ノ内線の中野新橋の駅は,この地下鉄が開通したときとほとんどかわっていません. この駅の特異なところは,通常は地下鉄の駅の地上部分はせまいのに対して,ひろい平屋建ての駅舎をもっているところだとおもいます.

つづく…

2007-12-09

ちかごろは “工場萌え” がはやっています. きょうの WBS (ワールド・ビジネス・サテライト) でもこの話題がとりあげられていましたが,これをみていて,10 年以上まえ,つくばからのかえりみちの首都高のそばにあるコンビナートの夜景が気になっていたことをおもいだしました.

つづく…

2007-12-05

きょうの NHK 教育テレビの 「視点・論点」 では建築家の 安藤 忠雄 氏が都市計画について,とくに川をおおう高速道路の撤去に関して論じていました. そのなかでは韓国における成功例とともに日本橋上の高速道路の撤去計画もとりあげられていました. この話をきいておもいだしましたが,私はまだ 小泉 純一郎 が首相をしていた 2006 年に官邸にみじかいメイルをだしました. この時点ですでに計画はうごきだしていたのかもしれませんが,要望をだしておきたいとおもいました. いまさらですが,その内容をここにのせておきます.

つづく…

2008-02-16

もうだいぶまえのことですが,2005 年から 2006 年にかけて,3 回ほど中国の杭州に出張する機会がありました. 杭州は上海から比較的ちかい (最近,新幹線ができたので 1 時間くらいでいけるようになったときいています) 中規模の都市です (周辺もふくめると人口は 800 万人くらいとのこと). そこで空港からまちにいく途中,不思議な家がたくさんあるのをみました. 塔がついていたり,家の一番最上階に特別なへやがついていたりします. 仕事の相手にきいても,なぜそういうつくりになっているのか,わかりませんでした.

つづく…

2008-02-10

20th Century Photography」 という写真集にはおおくの写真家の作品がとりあげられていますが,そのなかで Hein Engelskirchen と Albert Renger-Patzsch の作品のなかには “工場萌え” の起源 (?) があるようにおもいます.

つづく…

2008-04-19

会社のすぐそばに本町八幡神社というちいさな神社があります. きょう,しらべるまで名前すらしらなかったのですが,ここでこの半年くらいのあいだに,けっこうなイベントがありました. ちいさいけれども,けっこうりっぱな社殿がつくられたことです.

つづく…

2008-04-26

最近,国分寺に関していくつか書いてきました (「“はり” をあたえる国分寺本町八幡神社の社殿再建」,「10 数年間,工事中のままの国分寺北口」) が,ついでにもうひとつ,ここにあるふしぎな道路について書いておきたいとおもいます. それは,西武バスの専用道路です.

つづく…

“はり” をあたえる国分寺本町八幡神社の社殿再建」 には,国分寺のなかで最近,環境が改善された部分について書きました. その一方で,バブル崩壊のころから改善されないままになっている部分もあります. それが国分寺駅北口です. 駅前がこんな悲惨な状況で放置されているとは信じがたいことです.

つづく…

2008-04-28

汐留,丸ノ内,六本木ヒルズ,代官山,町田,おまけに北京といったまちを著者 2 人が実際にあるきながら会話した内容を中心として,それに 2 人が文章を足して構成している. 文章だけでも 200 ページをこえるボリュームがあり,新書にするには写真を十分にいれるスペースがとれなかったのだとおもうが,会話の文章から情景を想像するのはむずかしい. だからますます,あまりいったことのない場所にはいきたくなる.

丸ノ内や六本木ヒルズは目にうかぶが,東京に住んでいながら汐留や代官山にはほとんどいっていない. うしなわれた同潤会アパートはもはやサンプルしかのこっていないが,ヒルサイドテラスにはまだみるべきものがあるらしい. 汐留も反面教師としてみておく価値があるのだろう. 今度,時間をつくって,いってみようとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 新・都市論TOKYO@ [bk1]新・都市論TOKYO@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-18

ときどき東京で散歩あるいは徒歩旅行をこころみていますが,きょうは 「新・都市論 TOKYO」 という本を読んだことをきっかけとして,表参道ヒルズ周辺や原宿,裏原宿の店 (というより建物) をみて,神社や公園をとおり,ヒルサイド・テラス周辺までいく散歩をこころみました. いくつかの項目にわけて,この散歩について書くことにします.

  1. 表参道界隈の建物たち ― アウトドアのレストランと裏庭がみえる風景
  2. いまいちな表参道ヒルズとその周辺
  3. “Kitty Land” とそのちかくのラーメン屋
  4. ひともくるまもすくない裏原宿から,ひとごみの竹下通りへ
  5. 東郷神社から明治通り ― 緑の裏庭・中庭がある建築
  6. 宮下公園の住人 (?) と道玄坂をふさぐ 「おはら祭」
  7. ゆったり散歩できる旧山手通り
  8. 絵になるヒルサイド・テラス

つづく…

2008-05-16

10 数年間,工事中のままの国分寺駅北口」 という項目で,会社にいくときにとおっている,いつも工事中の国分寺駅前について書きました. 国分寺駅北口再開発について,Web からの情報をさらにいくつか,とりあげます.

つづく…

2008-05-18

表参道を出発点とした散歩も終点にちかづきました. 代官山ちかくのヒルサイド・テラスが最後の目的地です.

つづく…

表参道から代官山まであるくと,途中にはかならずしも散歩に適切とはいえないところもあります. しかし,旧山手通りは道玄坂上から代官山駅ちかくまで,散歩するにはよいところです. ヒルサイド・テラスもこのとおりぞいにありますが,それについてはべつの項目にまとめます.

つづく…

原宿駅のちかくに東郷神社があります. 表参道から代官山までの散歩の途中,店や建物ばかりみるのもつかれるので,緑にさそわれてちょっとここにはいってみました.

つづく…

表参道から代官山までの散歩の途中で,明治通りにちかづくと人出がふえてきました (最初の写真). それでも,裏通りにはひとはまばらです (2 番め以降の写真). 明治通りをはさんで竹下通りの反対側のあたりは,ところどころ,ブティックを中心とする店があります. ここが裏原宿の中心のようです. そこから原宿駅までいき,竹下通りとその周辺を散歩しました.

つづく…

表参道をすすんでいくと,まもなく表参道ヒルズにでます. その内外をあるいてみました.

つづく…

2008-05-20

ちょっとしたきっかけで,すでにこわされた東京の建物をあつめたサイトをみつけました. それから,東京の現存のふるい建物をあつめたサイトもみつけました.

つづく…

2008-05-30

有名な建築家や大規模な建築だけでなく,著者が見学した個人住宅なども多数とりあげられている. 個々の建築を静的にとりあげるだけでなく,首都高などをはしるクルマからみるところは斬新であり,「パースペクティブ」 というタイトルにふさわしい.

写真は全般に暗くてみづらい. モノクロだからということもあるが,もうすこしくふうの余地があるとおもう. また,本文の意図をうまくつたえられていないものもある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 現代建築のパースペクティブ@ [bk1]現代建築のパースペクティブ@Amazon.co.jp

つづく…

2008-05-24

先日,表参道から代官山まで散歩するなかで,もっとも印象にのこったのは,通りから建物をとおして中庭や裏の風景がみえる建物がいくつかあったことです. 緑がのぞいているのが一番ひとをひきつけるでしょうが,モニュメントのある庭をのぞかせた建物もありました. 「渋谷周辺散歩」 のなかでもそういう建物を紹介しましたが,ここではもう一度,それらの建物だけをあつめて,みてみたいとおもいます.

つづく…

2008-06-05

いまいちな表参道ヒルズとその周辺 (渋谷周辺散歩 2)」 という項目に,表参道ヒルズとおなじ設計者,安藤 忠雄 による 「住吉の長屋」 のことを追記したので,あわせてその写真をさがしました. しかし,適当な写真はみつかりませんでした. 写真をさがすなかで,それを見にいって,おもての写真をとってブログなどにのせているひとがおおいことを知って,くびをかしげました. おもてからだけみても,おもての写真だけのせても,この建築の意味はわかりません.

つづく…

2008-06-03

和英辞典で 「景観」,「風景」 ということばをひくと,どちらも landscape, scene という訳がでてきます. これは,実は 「風景」 ということばが英語には完全には訳せないことのあらわれだとおもいます. Wikipedia の 「景観」 の項には,景観は客観的であり風景は主観的だということが書かれていて,これがただしい説明なのだろうとおもいます. しかし,「景観」 はむしろ landscape の訳語としてあてられた (つくられた?) ことばだとおもうのですが,日本語には 「風景」 ということばがあるせいなのか,私は 「景観」 ということばに,つめたさを感じてしまいます.

つづく…

建築や景観はカラー写真をみないとわかりにくいが,冒頭に 4 ページにわたってそれがあるのは,新書としては気がきいている. 本をよみすすむまで,そのかぎられた写真のなかに北朝鮮のピョンヤンの写真が数枚ある意味がわからなかった.

いろいろな話題がとりあげられているが,そのなかでも著者が力説しているのは日本橋をふさいでいる首都高を地下に移設するカネがあるなら,もっと有益なことがたくさんできるということである. この首都高移設に代表される 「景観論」 の極致として,整然としていて美しいピョンヤンの景観があるという. 著者が最後に書いているのは,こういう 「景観論」 のいきつく果ては 「何ごとも起こらない,変化なき永遠の定常状態.それは歴史の終わりかもしれない」 ということばである.

逆説的な書き方だが,著者が生き生きとした都市をもとめていることがつたわってくる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 美しい都市・醜い都市@ [bk1]美しい都市・醜い都市@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-02

第 1 章で脱構築を脱建築とみなすという説を提示し,それを建築の危機ととらえている. 第 2 章ではシェルターとしての建築という見方をほとんどきりすててしまう. こうしう大胆な見方で読者をひきこみ,ヨーロッパの建築史をみていく. しかし,大胆さは荒削りな議論の表裏であり,最後にふたたび語られる脱構築による建築の危機が説得力をもってこない. 著者は建築が物質的な構築にこだわりつづけたことが批判されてたと書いているが,建築がシェルターであるということをおもいだせば,物質的であるのは当然のことだとおもわれる. おどろおどろしい議論のわりには,のこるものがすくない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 新・建築入門@ [bk1]新・建築入門@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-07

著者が破壊された景観としてまずヤリ玉にあげるのは国道 16 号によって代表される郊外の道路景観である. 行政による失敗例として神戸の震災復興,(ある程度の) 成功例として真鶴町の 「美の条例」 がとりあげられている. また,電線地中化にもひとつの章があてられている.

著者がもとめている,空中電線や派手な看板がない規制されて整然としたまちなみを批判するひともすくなくない. 一歩ゆずって景観の整備が必要であるとしても,もともとめだった建築がほとんどなかった国道 16 号のような地域においては景観は 「まもるべき」 ものではなくて,創造するべきものだろう. そこで著者がもとめるヨーロッパ的な景観がモデルになるとはかぎらない. 「失われた景観」 は 「失われた」 のではなくて,日本にはもともとなかったし,いまもいくつかの例外をのぞいて基本的にはないのだとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 失われた景観@ [bk1]失われた景観@Amazon.co.jp

つづく…

建築に関するさまざまな対立的なモデルが紹介されている. ロバート・ヴェンチューリ の 「あひる」 と 「装飾された部屋」,青木 淳 の 「原っぱ」 と 「遊園地」,モデルとはいえないが 「斜線」 と 「スロープ」,クロード・レヴィ゠ストロース の 「近代的な科学者」 と 「器用人 (ブリコラージュのひと)」 ,エリック・レイモンド の 「伽藍」 と 「バザール」,男性原理と女性原理,白井 晟一 の 「弥生的なもの」 と 「縄文的なもの」,ブルーノ・タウト の 「伊勢・桂」 と 「日光東照宮」 あるいは 「天皇的」 と 「将軍的」,伊藤 忠太 と 岸田 日出刀 の 「神社」 と 「仏教」,丹下 健三 などにおける 「大衆的」 と 「貴族的」 等々. 本のなかばまでひろいあげてきたが,書ききれないほどである.

著者はこうしたさまざまな対立概念をたてて建築を分節していく. とても,めざましい. しかし,あまりに密度がたかすぎて,軽いきもちで新書をよみはじめた読者にはなかなかついていけず,散漫な印象をあたえてしまうともいえるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 現代建築に関する16章@ [bk1]現代建築に関する16章@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-12

著者は欧米だけでなく,世界各地を旅するなかからえた,まちの景観に関するかんがえをのべている. また,横浜などで景観の保存のために,すでにきまっていた都市計画を変更させたことを回想している. 著者が強調するのは,景観は市民の協働によってデザインしていくべきものだという点である. ちいさな白黒写真ではあるが,アフリカや中近東をふくむ世界各地のすぐれた景観の写真は印象的であり,そこには景観に関してなにか普遍的なものがあるように感じられる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: まちづくりと景観@ [bk1]まちづくりと景観@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-14

「パノプティコン」 は 「一望監視装置」 ともいわれ,現代の監視社会のたとえとして,しばしば引用される概念である. 藤森 照信 と 増田 彰久 による 「建築探偵 東奔西走」 (朝日文庫) には,いまは正門だけが保存されている旧鹿児島刑務所の建物の写真があるが,これは外部からうつした写真でみるかぎりは,まさにパノプティコンである.

つづく…

著者は 1997 年のこの本につづいて 2005 年に 「まちづくりと景観」 という本を書いていて,基本的な主張はかわっていない. 市民の協働によって景観をデザインするアーバンデザインを推進している. 本書ではまず 「景観」 と 「風景」 ということばを比較して,「景観」 を 「地域をトータルに捉えた認識像」 と定義し,トータルデザインとしてのアーバンデザインのあるべき姿や手法,実践例などについて書いている. 著者が中心となった横浜での成功例をはじめとして例は多数とりあげられているが,抽象論が中心の記述という印象をうける.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 美しい都市景観をつくるアーバンデザイン@ [bk1]美しい都市景観をつくるアーバンデザイン@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-13

Wikipedia の 「景観」 の項に,景観は客観的であり風景は主観的だということが書かれていることについては 「「景観」 ということばのイメージ」 という項目で書きました. ところが,これとは反対にちかいことを 田村 明 が書いていることがわかりました.

つづく…

2008-06-12

地下街というとだいたい天井がひくくて閉鎖的で,あまりよい印象はありません. 大阪でもたいていの地下街はそうです. ところが,大阪駅と北新地駅とのあいだにあるディアモール大阪という地下街は,一部はおおきな天窓で採光され,一部は天井のない階段からの光がとどくようになっていて,あかるく開放的な空間になっています.

つづく…

2008-06-17

著者は,ヨーロッパ諸国にはのこされている 「周囲の自然と渾然一体となった,地方の小さな町や村のたたずまい」 が現代の日本ではうしなわれてしまっているという. ではヨーロッパではそういう景観がずっとうけつがれてきたのかというと,著者がみてきたドイツにおいては,開発によっていったんうしなわれた自然景観が住民や地方政府の努力によって復元されてきたことが,この本にえがかれている. ドイツのほうが景観の復元のために有利な条件があったのだとしても,日本においてもそれができるはずだということをこの本はおしえているといえるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ドイツの景観都市@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-19

東京近辺の 「建築散歩」 の本は何冊かあるが,この本は建築だけでなく,そのなかにある家具にかなりのウェイトがおかれている点が他とはちがう. 写真や絵の数はおおいが,本文中にあるのは白黒であり,ちいさくて見づらい. 自分でいってみるためのガイドブックなので,コンパクトであることを重視しているということであり,やむをえないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 建築散歩24コース@ [bk1]建築散歩24コース@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-29

都営大江戸線の大門駅を出発点として,東京駅まで,建築をみることを中心として散歩してきました. 出発前には日本橋までいって,さらに本郷あたりもみたいとおもっていましたが,出発したのが 13:00 すぎだったので,そこまではいきつきませんでした.

最初に目にとまった建物が芝商業高校でした. 学校建築というと,たいていはモノトーンですが,この建物は 2 色にぬりわけられています.

つづく…

2008-06-28

建物のおもてからみえる中庭と裏の風景」 という項目で,明治通りにある,建物ごしに緑がみえる建物をいくつか紹介しました. これほどめだつ緑がみえるわけではありませんが,中野新橋からすこし南にくだったところに,だいぶまえから同様の景観をもつ建物があります.

つづく…

中野は新宿もちかいため,バブル経済のなかでも,一部の地域をのぞいては,高層ビルを林立させるような開発とは無縁だった. ところが,最近になって規制緩和のあおりで中層のビルがすこしずつ,中野の南部にもふえてきた. こういうビルをたてるときに考慮されるのは建築制限だけであり,日照は問題にされるが景観はほとんど考慮されていない. なにがおこっているのか,すこし検証してみよう.

つづく…

2008-06-27

江戸時代末期以降の日本の洋風建築の歴史を 2 巻にわけて解説している. 下巻では明治の建築家たちが成熟し,さまざまな流派にわかれて伝統的な様式でさまざまな建築をたてていくところからはじまるが,地震とのたたかいがひとつの焦点である. 関東大震災の復興の際などにつくられ,最近しばしばツアーがくまれている同潤会アパートや復興小学校などがとりあげられている. また,短期間にアールヌーボーやさまざまなモダニズム (表現派,ライト派,バウハウス派,コルビュジェ派など) のなかをはしりぬけていくさまがえがかれている.ナチスの影響なども分析されている. 興味をひかれる点がおおい.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本の近代建築 下@ [bk1]日本の近代建築 下@Amazon.co.jp

つづく…

江戸時代末期以降の日本の洋風建築の歴史を 2 巻にわけて解説している. 上巻では外国人建築家によってもたらされた洋風建築が日本人によって模倣され,最初の日本人建築家たちが登場するところまでをえがいている. もっとも興味をひかれるのは,よくわからないまま西洋建築をまねて日本人の棟梁がたてた奇妙な擬洋風建築を,著者が 「建築探偵」 的あるいは 「路上観察学」 的な視点で観察し写真を紹介しているところである. 龍など,西洋にない装飾をつけたギリシャ風の柱,構造物からただのかざりになってしまったアーチなどが紹介されている.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 日本の近代建築 上@ [bk1]日本の近代建築 上@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-29

大門駅から東京駅まで散歩するなかで,東京国際フォーラムと丸ノ内周辺にある農林中央金庫ビル,明治生命ビルなどをみてきました.

つづく…

大門駅から東京駅まで散歩するなかで,とくに銀座の周辺や中央通りにさえ,もともとはらわたのようなものをみせているビルがあり,また建築工事のためにふだんはみえない,はらわたのようなものがみえているのに気づきました.

つづく…

大門駅から東京駅まで散歩するなかで,とくに銀座中央通りとその周辺で,中銀タワーや和光のような比較的ふるいビルから Dior にいたるまで,いろいろな建築をみてきました.

つづく…

大門駅から東京駅まで散歩するなかで,汐留駅とその周辺で,あやしい柱や時計,新旧さまざまなビルたちをみてきました.

つづく…

大門駅から東京駅まで散歩するなかで,汐留でみたイタリア公園と擬歴史様式のビルをみてきました. とくに,これらのビルのアーチや柱について分析してみます.

つづく…

大門駅から東京駅まで散歩するなかで,竹芝付近でみた,ちょっとした魅力がある,みどりのある立体駐車場について書きます.

つづく…

大門駅から東京駅まで散歩するなかで,竹芝にいくと劇団四季のおおきな劇場があり,汐留にいくと劇団四季のべつの劇場があります. もともとこのあたりにはあき地がおおくて,劇団四季はそこにテントをたてて公演していたのでしょうが,いまは不動の建物・不動の地位をえたということでしょうか. ここではあわせて,四季の劇場がある汐留電通ビルの階段とエスカレーターについても考察してみました.

つづく…

大門駅から東京駅まで散歩するなかで,芝商業高校の建物をみながら,竹芝桟橋方面にあるいていきました. 竹芝桟橋からみる,コンテナや船のある風景の写真をのせてみます.

つづく…

中野新橋駅付近をとおるとき,ふだんはあまり上をみあげることもない. したがって,ほとんど気づいていなかったのだが,ここにはいくつか屋上に看板がつけられるようになったビル,つまり広告塔のあるビルがある. しかし,実際に屋上に広告看板をつけているビルはかぎられている.

つづく…

2008-07-07

地方の 「総郊外化」,退廃化に危機感をもつ三浦らの著者たちは,それぞれの立場から解決への努力をはらっている. 三浦は解決のヒントを東京にもとめているが,「商店主自身が街に住み,街に愛着を持って店を開いていれば,自然と人口も増える」 というのはあまりに楽観的なかんがえだろう. 渡もニューアーバニズムに解決策をもとめ,「もう一度東京のよさを学ぶ」 ことをすすめている. 馬場は日本橋を拠点として,まちの再生をめざしている.

さまざまな分野の著者たちは 「ファスト風土化」 に危機感をもち,そこからぬけだすヒントが東京にあるという点で共通するかんがえかたをもっているようにみえる. しかし,それがなぜなのかが,はっきりとはみえてこない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 脱ファスト風土宣言@ [bk1]脱ファスト風土宣言@Amazon.co.jp

つづく…

「郊外化」 を都市計画や建築の問題としてとらえる 松原 隆一郎 のような論者と,それを人間や社会の問題としてとらえる 宮台 真司 のような論者がいるなかで,両者をつなぐ議論を展開し,郊外化を単に都市周辺の問題でなく日本全体の問題 (「総郊外化」) としてとらえているのが本書の著者である.

「街をつくらない」 ジャスコや他の大型店の地方進出によって享楽的・退廃的な消費社会がつくられたと主張する,その危機感には迫力がある. 一方で吉祥寺,下北沢,高円寺などの東京の都市には 「新たな原理」 をみている. 主張の根拠は十分ではないが,それは読者に課せられた課題とかんがえることができる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ファスト風土化する日本@ [bk1]ファスト風土化する日本@Amazon.co.jp

つづく…

2008-07-10

アメリカでは近年,ウォルマートをはじめとする大型店が規制され,進出に反対してくいとめた例がおおいという. 日本では逆に自治体が大型店を誘致した結果,中心市街地がさびれて地価が低下し自治体の収入が減少する事態が多発している. 本書はアメリカの例を紹介して日本における規制や反対運動の参考になるようにしている.

しかし,本書ではの大型店のデメリットばかりを書いている. そこにはメリットもあるはずであり,両方をあわせてかんがえることで,より客観的な判断ができるものとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 大型店とまちづくり@ [bk1]大型店とまちづくり@Amazon.co.jp

つづく…

2008-07-09

日本の地方都市のなかには駅前通りが 「シャッター通り」 と化しているところがすくなくありませんが,ふつうはさすがに廃墟にまではなっていません. しかし,1980 年代にアメリカの自動車産業が没落してから,デトロイト (Detroit) のまちの中心部は廃墟となり,いまだに回復していないようです.

つづく…

著者の主張の基本線は正編とかわっていない. 西欧の建築が壁の建築であるのに対して日本の建築は床の建築であるという. 日本の建築が龍安寺石庭のように 「内から眺める景観」 をつくっているのに対して西欧の建築は 「外から眺める景観」 をつくっているという. 日本人がこれまでは外から眺める景観に無頓着だったために街並みの美しさがなおざりにされてきたが,いまこそそれをもとめるべきときだという. 本書には,前著にはなかった水辺の美しさやエッフェル塔と東京タワーなど,さまざまな景観が分析されている.

前著ほどの新鮮さはないが,あわせて読むことでさらに理解をふかめることができるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 続・街並みの美学@ [bk1]続・街並みの美学@Amazon.co.jp

つづく…

日本の建物は靴をぬいで内部にはいるというところから,西欧の建築や街並みとのおおきなちがいが生じていると著者はいう. また,日本の建築が柱でささえられるのに対して西欧の建築が壁でささえられてきたことも対比している. 靴をぬぐ習慣はいまもかわっていないが,日本の住宅もツーバイフォーのように壁でささえて厚い断熱材や二重窓などで外部から遮断するようになってきている. それをかんがえると,はたしてこのちがいが今後もうけつがれていくのかどうかは疑問におもえてくる.

著者はまた,ル・コルビュジエのような近代建築家が設計した都市は建築間の距離がとおいため徒歩には適さないことを指摘している. その例として,くるまをもたないひとがおおいインドのチャンディガールをあげている. 著者はコルビュジエが現場にいくことをあまりこのまなかったことを指摘しているが,そのために人々の生活にあわない都市空間がつくられたのだろう. それでいて 「今から数百年たった将来,もし今日の建築が存在するとしたら,おそらくコルビュジエの建築だけだろう」 とも書いているが,現場をみずに設計した建築が将来は生活にあうようになるとはかんがえられないから,なぜコルビュジエの建築がのこるのか,わからない.

いろいろ疑問の点はあるが,著者の指摘に興味はつきない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 街並みの美学@ [bk1]街並みの美学@Amazon.co.jp

つづく…

“20th Century Photography” にみる “工場萌え” の起源 (?)」 という項目に海外の “工場萌え” 写真を紹介しましたが,ここでは Artnet.com というサイトにある Mitch Epstein という写真家による工場萌え的,あるいは廃墟的な写真をとりあげます.

つづく…

2008-08-12

通常の新書の約 2 倍のページをつかって,おもに古代ギリシャからからバロックまでの都市計画を説明している. それ以降から現代の都市計画を日本の例もあげて説明しているが,ちょっとバランスがわるい. 世界史なので日本があまりとりあげられないのはやむをえないかもしれないが,もっと近代・現代にページをさいたほうが読者の興味をひいたのではないかとおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 都市計画の世界史@ [bk1]都市計画の世界史@Amazon.co.jp

つづく…

2008-08-08

中野区の南部,川島通りと富士高校とのあいだの道に 3 対の “ツインハウス” があります. ツインハウスとは,もともと 1 件の家やひとつのビルがたっていた土地を 2 つにわけて,よく似た 2 件の家をたてたもののことをいっています. 以前ならこうした土地にはビルをたてたりアパートをたてたりしたところですが,最近ではちいさな一戸建て住宅をたてることがおおくなっているわけです.

つづく…

2008-11-29

年末になると,あちらこちらに LED (発光ダイオード) によるイルミネーションがかざられる. 青色 LED が廉価になって以来,そればかりがつかわれてることがおおい. なぜ青色 LED ばかりをつかおうとするのか,理解しがたい.

つづく…

2009-04-07

私がこどものころ住んでいた家では,玄関をとおらないとトイレにも 2 階にもいけなかった. そのため,来客のときは家のなかを移動しづらかった. そのおもいでが現在,住んでいる家を 20 年ほどまえにデザインするときに,玄関のデザインをあやまらせてしまったとおもう.

つづく…

2009-04-25

最近,白山に出張する機会がおおい. この付近には本郷キャンパスをはじめとして東大の施設が集中している. 最近は本郷キャンパスにもめったにいくことがなく,安藤忠雄らが設計した 「情報学環・福武ホール」 もまだみていない. そこで,機会があれば東大の建物や博物館などをみてみたいとおもっていたが,ようやく時間がとれて,本郷キャンパスをあるきまわることができた. 福武ホールもそうだが,すきまをうめるようにつぎつぎとあたらしい建物がつくられている. 本郷三丁目交差点のちかくには産学連携プラザやアントレプレナー・プラザといった建物がつくられている. また,理由はよくわからないが医学部 3 号館にはゴツい補強工事がされている.

つづく…

2009-07-14

コンピュータ・プログラムをつかって建築設計をするためのさまざまな技法や設計例について書いている. 「アルゴリズミック」 というと完全に自動的に設計するようにきこえるが,おおくの例では設計の候補を出力して,設計者がそのなかから選択する方法がとられている. その点ではアルゴリズミック・コンポジションつまりコンピュータをつかった作曲と同様であり,まさにクセナキスがとっていた 「音楽デザイン」 の方法とおなじである. それを 「アルゴリズミック」 とよぶのが適切であるかどうかはわからない.

紹介されている各種の 「技法」 はまだ建築設計に適用できるようになっていない (あるいは適用の方法までは書いてない) ものがおおく,その点では不十分である. さらに数年たてば,もっと充実した内容の本が書けるのかもしれないが,現状でも十分におもしろく,建築家でなくてもたのしめる本である.

評価: ★★★☆☆

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つづく…

2010-09-07

著者のおいたちや経験をおりまぜながら,さまざまな建築,プロジェクトについての見方がしめされている. そのなかには,注意をひきつける,さまざまな書物からの知識やひとの話などもある. 「イースト吉祥寺」 に関して 「街の悪所を雑菌とみなし,[中略] 無臭・無菌に突き進むデオドランド社会の危険性を訴えた」 という部分には共感した. しかし,全体としてはなぜか混沌とした印象だ.

最後の章には,大宮の再開発にあたっての著者のグループによる分析や提言が記述されている. こまかく分析され,さまざまな事業が提案されている. しかし,ここでもなにか,うまくかみあっていないものを感じてしまう. 謎の本だ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 知能化都市@ [bk1] 知能化都市@Amazon.co.jp

つづく…

廃墟をうつした写真集は多数ある. そのなかには,こちちよく見ていくことができるものもあるのだが,この本はむしろ,きもちわるくなってしまう. それは,この本が廃墟を美化していないということなのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 廃墟遊戯@ [bk1] 廃墟遊戯@Amazon.co.jp

つづく…

建築だけでなく,おおくのデザインにおいてコンピュータはなくてはならないものになっている. しかし,そのほとんどがコンピュータを単なる道具として,デザインにとって本質的ではない部分でつかっているにすぎない. 著者はコンピュータのパワーをもっとデザインの本質的な部分にいかそうとしている.

この本のおおくの章は概念的な記述や既存のアルゴリズミックなこころみの紹介などにあてられている. そこにはアルゴリズミック・アーキテクチャのさまざまな可能性がよみとれる. しかし,プログラムの例がしめされた,アルゴリズミック・デザインの具体的な適用例の章になると,当面,著者が興味をもっているのはアルゴリズムで生成される形態やその過程だけらしいことがわかってくる. そこでは建築が人間をつつみこむものであり,居住性,アメニティなどがめざすべきものだということは,わすれられているようにみえる. コンピュータにさせるべき仕事はこういう目的と形態とをうまくつなぐことなのではないだろうか. 失望させられる内容だった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: アルゴリズミック・アーキテクチュア@ [bk1] アルゴリズミック・アーキテクチュア@Amazon.co.jp

つづく…

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