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専門家ではなく IT ジャーナリストが書いた AR 論だ. だから,AR の技術よりは社会,とくに広告などのビジネスが中心の話題になっている. セカイカメラやそれに類するサービスにかなりのページがさかれているが,こういうサービスはセカンドライフと同様にあまりパッとしない.

むしろ,本書でもふれられている 「AR 空間を整備することで,現実空間の人の流れを意図的に変えようという試み」 のほうが興味ぶかい. つまり,AR をみているひとの数はかぎられているので,他のひとにどれだけ影響をあたえられるかが勝負だとおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: AR@ [bk1]AR@Amazon.co.jp

著者はグーグルのこともよく知らなかったが,自著の本の著作権がおびやかされていることを知って怒り,すぐに行動をおこす. そして,「黒船」 がうちはらわれるまで,ずっとたたかいつづける. この本はその過程を書きつづったものだ.

「グーグルブック検索事件」 に関して第 3 者が書いた本はいろいろあるが,当事者のナマの声はそれらとはちがって,読者につよくひびく. もちろん,当事者だからこそ知っていることもある. この事件そのものは,もはやすぎさったことだ. しかし,今後のグーグルをみる視点としてもやくにたつだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: グーグルに異議あり!@ [bk1]グーグルに異議あり!@Amazon.co.jp

冒頭に 「いいものさえつくっていれば売れる」 というまちがったかんがえに編集者はおちいりやすいと書かれている. 製造業といっしょだ. しかし,実際には編集者がいいとかんがえても売れない本はたくさんある.

この本でとりあげられているのは 「売れる」 本や雑誌たちなのだろう. しかし,この本に書かれているのは編集者がなにをかんがえて本や雑誌をつくってきたかだ. それらがなぜ売れたかはこの本を読んでもわからないし,おなじことをやってももう売れないだろう. たしかにおもしろい話はいろいろあるが,どううけとめたらよいのだろう.

最初の版は 2006 年に出版されているが,電子書籍を意識せずに書けた最後の時代かもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 本を作る現場でなにが起こっているのか!?@ [bk1] 本を作る現場でなにが起こっているのか!?@ [bk1]本を作る現場でなにが起こっているのか!?@Amazon.co.jp本を作る現場でなにが起こっているのか!?@Amazon.co.jp

越後妻有でひらかれる 「大地の芸術祭」,その企画や作品の制作,地元住民との交流などを作品中心にえがいている. ここでえがかれた芸術祭はすでにおわっているが,作品をみただけではわからないさまざまなエピソードを知ることは,つぎの 「大地の芸術祭」 をみるときに参考になるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 大地の芸術祭@ [bk1]大地の芸術祭@Amazon.co.jp

出張で St. Maarten (シント・マーテン,セント・マーティン) というまちにきて,まちなかをあるいていると,よく変化する広告看板をみかけた. 日本ではあまりみないものだ. 日本では最近,デジタル・サイネージがはやっているが,こういう “アナログ・サイネージ” の文化があるのとないのとで,デジタル・サイネージがうけいれられるかどうかがきまってくるのではないだろうか?

著者はその父がたてたこまばアゴラ劇場の億単位の借金を 23 歳のときに背負って出発したという. そういう著者は芸術と市場経済とのかかわりにもするどい感覚をもっているようだ, 著者は桜美林大学でおしえているが,「学内の演劇の公演は基本的にすべて有料で上演するように指導している」 という. どうすればチケットが売れるかをかんがえるのが重要だからだ.

著者はまた,演劇をはじめとする芸術の公共性を論じている. アメリカでは荒廃した地方都市の再生・再開発に芸術がつかわれて成功した例があるというとこから,日本でも中心街がシャッター通りとなり画一的な 「郊外」 でかこまれた地方都市において芸術がやくわりをはたすのではないかとかんがえている. そこでは,公共的な支援とともに,市民の参加が重要になる.

この本が出版されてから 10 年ちかくになるが,そのあいだに日本各地でビエンナーレ,トリエンナーレなどというもよおしがひらかれるようになった. それらは演劇とのかかわりはうすいだろうが,著者がかんがえていた芸術による地方の振興や市民参加を実現しているといえるだろう. 著者がのこしたするどいメッセージを,このようなこころみのなかに,さらにいかしていけるようにおもえる.

評価: ★★★★★

関連リンク: 芸術立国論@ [bk1]芸術立国論@Amazon.co.jp

最近,オペラの DVD をいくつか買ったこともあり,「つんどく 」していた音楽関係の本のなかから,この 1 冊をひろいだした. モンテベルディからショスタコービッチまで,70 ちかいオペラ作品の DVD や CD が紹介されている. 最近の本だけあって紹介されたメディアの半数は DVD であることが,ありがたい.DVD であれば歌手や舞台がみられるだけでなく,字幕がみられることがおおきい. ただし,字幕がないものや日本語がないものも紹介されているようだ.

バロック時代からとりあげられてはいるが,モンテベルディにしても,解説はみじかく,それらの文章はあまり魅力的でない. それとくらべると,ベルディなど,近代イタリア・オペラの紹介には熱がはいっていて,買いたくなる.

ショスタコービッチまでとりあげてはいるが,プッチーニよりあとのオペラはすくない. ベルクについてもヴォツェックはとりあげているが,ルルはとりあげていない. 日本の作曲家もいろいろオペラを書いているが,それもとりあげていない. 新書としてはすでに 300 ページもあって,これ以上ふやせないのだろうが,もっとあたらしい作品もとりあげてほしかったとおもう.

モーツァルトについてもみじかい解説がおおいが,アーノンクールの演奏をつよくすすめている. 半世紀くらいまえの演奏もすくなからずとりあげられているが,モーツァルトだけでなく,このようなあたらしい演奏をおおくとりあげている. あとがきには,いま,あたらしい演出への変化がおこりつつあり,それを紹介することが目的のひとつだったように書かれている. ふだんはあまりオペラに親しんでいない私にとっては,オペラの現在を知るうえで,とてもよかった.

評価: ★★★★☆

関連リンク: オペラの名盤@ [bk1]オペラの名盤@Amazon.co.jp

本の判型から装丁,校正,活字とフォントなど,はばひろく,「なつかしい」 話題にふれている. だが,電子化されるであろう本の未来をかんがえればもちろん,現在をかんがえても,もう本づくりの中心からはずれてしまった話題がおおい. 編集者の仕事としては著者との共同作業など,もっと内容にかかわる部分がまずあたまにうかぶが,そういう部分についての記述はすくない. 本の物理的な部分にも興味はあるが,すこし期待はずれだった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 編集者の仕事@ [bk1]編集者の仕事@Amazon.co.jp

タイトルからは,これまでにないあたらしいメディアの登場について書いているような印象をうける. 「プロローグ」 にもグーグルが登場し,「その次」 を予感させる. ところが,著者は新聞やテレビなどの従来のメディアの現状から未来をなぞり,政府の政策をなぞる. これがメディアの未来だとしたら,あまりに退屈ではないか?!

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 次に来るメディアは何か@ [bk1]次に来るメディアは何か@Amazon.co.jp

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