情報学・計算・プログラミングの最近のブログ記事

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パソコン上で数式などを書くとき,「プラス」 の文字つまり 「+」 にはあいまいさがないが,「マイナス」 に関してはいつも,まよう.

専門家ではなく IT ジャーナリストが書いた AR 論だ. だから,AR の技術よりは社会,とくに広告などのビジネスが中心の話題になっている. セカイカメラやそれに類するサービスにかなりのページがさかれているが,こういうサービスはセカンドライフと同様にあまりパッとしない.

むしろ,本書でもふれられている 「AR 空間を整備することで,現実空間の人の流れを意図的に変えようという試み」 のほうが興味ぶかい. つまり,AR をみているひとの数はかぎられているので,他のひとにどれだけ影響をあたえられるかが勝負だとおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: AR@ [bk1]AR@Amazon.co.jp

この本は,技術の習得を怠って 「35 歳定年」 をむかえてしまうプログラマと,著者のようにずっと現役でありつづけられるプログラマとのちがいがどこにあるかをしめそうとしている. 思考力をきたえ,つねによみやすいコードを書くように努力し,積極的・継続低に学習するなどの点が指摘されている. 英語力をきたえることもふくまれているが,TOEIC 900 点が必要というのは,いいすぎだろう.

目標はたかいほうがよいだろうが,「現役続行」 するためにこれほどたかい技術的・能力的なハードルが必要だとはおもえない. その一方で,これからのプログラマにはアップル・ストアで当てるというような起業家的な能力も必要なのではないかとおもえるが,この本がめざしているのは従来的なプログラマやシステム・エンジニアをきわめることであり,そこに弱点があるようにおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: プログラマー現役続行@ [bk1]プログラマー現役続行@Amazon.co.jp

著者は Viaweb という Web 上のサービスをたちあげた 「ハッカー」 であり,この本のなかにも Viaweb がときどき登場してくる. 5 年間ねかしていた本だが,そのあいだに Viaweb のようなサービスには 「クラウド」 というなまえがつけられて,なじみのあるものになった.

話題はいろいろな方向にふれていく. なかには専門家でないとわかりにくい話もあるが,そうでなくてもたのしめる部分がおおいだろう. この本を読んで,本来の意味の 「ハッカー」 を理解してもらいたい.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ハッカーと画家@ [bk1] ハッカーと画家@Amazon.co.jp

Eniac の時代からマイコン時代までのコンピュータ開発にたずさわった 10 人の日本人にインタビューしている. 本人にきくと,いろいろな裏話がでてくるところが,単なる 「歴史書」 とはちがうところだろう. そこには,TAC 開発のグループが分裂した話,その一方からでてきたパラメトロン計算機の開発者である後藤英一氏の話,TAC 開発をつづけたグループの和田弘氏の「パラメトロンは [中略] 速度が遅いから,実用価値は乏しいと思っていました」 という話など,ドラマもある.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本人がコンピュータを作った!@ [bk1] 日本人がコンピュータを作った!@Amazon.co.jp

まえから気になっていたこの本をやっと買った. カバーをふくめて,あやしいイラストが何枚かはいっていて期待したくなる (?!) が,はずれた :-)  NAND のような基本的なものを中心とする IC 10 個だけで一応動作する CPU がつくれる. 配線もそれほど複雑ではない. スキルは必要だが,ある程度,電子工作をつくった経験があれば,たぶんつくれるだろう.

メモリが ROM だけで,CPU からはかきこみができないところがちょっと機能不足だが,それをのぞけば最低限のしかけはもっている. この CPU をもとに,すこし変化させてつくることができればもっとよいが,そこまでできるひとはかぎられているのだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: CPUの創りかた@ [bk1] CPUの創りかた@Amazon.co.jp

建築だけでなく,おおくのデザインにおいてコンピュータはなくてはならないものになっている. しかし,そのほとんどがコンピュータを単なる道具として,デザインにとって本質的ではない部分でつかっているにすぎない. 著者はコンピュータのパワーをもっとデザインの本質的な部分にいかそうとしている.

この本のおおくの章は概念的な記述や既存のアルゴリズミックなこころみの紹介などにあてられている. そこにはアルゴリズミック・アーキテクチャのさまざまな可能性がよみとれる. しかし,プログラムの例がしめされた,アルゴリズミック・デザインの具体的な適用例の章になると,当面,著者が興味をもっているのはアルゴリズムで生成される形態やその過程だけらしいことがわかってくる. そこでは建築が人間をつつみこむものであり,居住性,アメニティなどがめざすべきものだということは,わすれられているようにみえる. コンピュータにさせるべき仕事はこういう目的と形態とをうまくつなぐことなのではないだろうか. 失望させられる内容だった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: アルゴリズミック・アーキテクチュア@ [bk1] アルゴリズミック・アーキテクチュア@Amazon.co.jp

日本人よりは,Ruby on Rails,Perl,Twitter などの有名な言語やサービスを開発してきた外国人がインタビューの対象になっている. 技術系雑誌の連載を単行本化したということで,Perl, Ruby, JavaScript などといったプログラミング言語の話題もおおい. これらの言語を知っていればよりたのしめるが,知らなくてもえられるものはおおいだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 小飼弾のアルファギークに逢ってきた@ [bk1] 小飼弾のアルファギークに逢ってきた@Amazon.co.jp

著者はコンピュータ科学の成果を利用してさまざまなアート作品を創作してきた. コンピュータをつかったアートは他の作家によってもさかんにつくられるようになっているが,AI (人工知能) にもふかくかかわる著者のこころみはよりひろく,ふかい.

しかし,AI じたいがまだ多様な側面をもった人間というものを十分にとらえているとはいえない. そういうなかでは,著者のそれぞれのこころみも一面的だという感じがぬぐえない. すぐれた芸術作品には多面性・多層性がある. 「カルチュラル・コンピューティング」 には従来のアートにはなかった人間とのインタラクションがある,とはいうものの,ふかみのある芸術に到達できるのはいつの日か,あるいはそもそも可能なのか? とおもってしまう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: カルチュラル・コンピューティング@ [bk1] カルチュラル・コンピューティング@Amazon.co.jp

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