言語・コミュニケーションとネットワーキングの最近のブログ記事
パソコンやケータイをつかうのにあまりなれていない親のために,こどものケータイをどう管理したらよいかを書いている. こどもとどう向きあい,ケータイやパソコン をどう設定し,どう監視していけばいいか,ひととおりのことが書いてある. たぶん,ほかの本からは得にくい情報もあるのだろう.
しかし,新書だからページ数がかぎられているということもあり,あまり具体的なところまでは書いてない. それに,本のタイトルにあるケータイのことだけでなくパソコンのこともまぜて書いてあるから,どれがケータイのことでどれがパソコンのことなのかも,よくよく読まなければわからない. ケータイについては,さらに電話会社ごとにちがう点があるはずだが,会社ごとの情報にはまったくふれていない. いささか不親切な書きっぷりだ.
評価: ★★★☆☆
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最近,来年度予算をきめるにあたって,政府の各機関がパブリック・コメントを募集していた. そのなかに総務省の 「光の道」 にかかわる予算があった. これに対して私は否定的な意見を書いたが,その時点ではまだかならずしも,かんがえが明確になっていなかった. その後 「光の道」 に関する本を 2 冊読んで,現状ではそこに税金をつかうべきでないというかんがえはパブリック・コメントに書いたのとかわっていないが,より明確なかんがえをもつようになった.
4 月 13 日,文化審議会漢字小委員会は常用漢字としての 「私」 という字のよみとして 「わたくし」 のほかに 「わたし」 もみとめるという決定をしたという. たしかに慣用的に 「私」 は 「わたくし」 とも 「わたし」 ともよまれているが,この決定によって 「私」 という漢字のよみがますますあいまいになって,使用価値がひくくなったといえるのではないだろうか.
どうすれば学会のポスターセッションで効果的なプレゼンテーションができるのかを説明している.ポスターセッションもしだいに紙のきりばりなどに依存しなくなってきているとおもうが,この本ではまだ,のりやはさみのつかいかたにウェイトがおかれている.本の末尾にはさまざまなポスター・セッションの写真とともに失敗している部分の説明が書かれている.成功例もわずかにふくまれているが,もっと成功例をふやしたほうが参考になったとおもう.
評価: ★★★☆☆
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著者は携帯電話の危険を指摘しつつ,こどもにもたせることを否定してはいない. こどもに携帯電話をもたせている親がその得失をよくかんがえていないことに問題があると指摘し,その得失を議論している. しかし,実はこの本には携帯の利点つまり積極的にもたせるべき理由はほとんど書いていない. 基本的には,こどもにせがまれて携帯を買わざるをえなくなったとき,どうすればできるだけ危険をさけることができるかを知るための本ということだろう. いささか中途半端だ.
評価: ★★★☆☆
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数週間前にフレッツ光の導入工事をした. 電話線を光ファイバーでおきかえるのに業者が苦労していたが,そこで駆使していた (が徒労におわった) ローテクが目についた.
著者は日本語が形式論理と同等であり論理的だという. 「同等」 ということばの意味がよくわからない. しかし,形式論理と 1 対 1 に対応するとはかんがえられないから,形式論理と対応づけられるという以上につよい意味はないだろう. 日本語が論理的でないといわれるのは,形式論理と対応づけられないということではなくて,それとの対応関係のあいまいさが英語にくらべておおきいということだろう. それを否定する議論はこの本のなかにはないから,「日本語が英語とくらべて論理的でない」 というかんがえを否定する根拠はあげられていないとかんがえられる. だから,この本はその主要なテーマにおいて失敗しているとかんがえられる.
しかし,この本にはおしえられることもおおい. 著者は日本では外国人向けには学校文法より合理的な文法が教育されているのに,英文法を無理にまねた学校文法が支持者がほとんどいないのに昔のまま教育されていることを批判している. そこには制度的な問題があることを指摘しているが,民主党政権がそこにきりこんでくれることを期待しておこう.
また,著者は日本語においては母音を左脳できくが,英語をはじめたいていの言語においては母音を右脳できいていることを指摘し,それを小学校での英語教育の問題にむすびつけている. 小学校で音声中心の英語教育をすれば母音を左脳できかなくなることを心配している. かんがえすぎのようにもおもうが,興味ぶかい議論ではある.
評価: ★★★☆☆
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日本の近現代の地名のなかで,区別しにくい地名,まぜこぜの地名,まぼろしの地名など,さまざまな珍地名に横綱から前頭までの番付をつけて紹介している. まぎらわしい地名のなかにも (著者はそういう視点ではみていないが) 人間にはくべつしにくいがコンピュータにはくべつしやすいものや,その逆のものなどあって,コンピュータ・プログラムを書くものにとってはとくに後者に興味がわく. もちろん,それ以外の点にも興味はつきない.
評価: ★★★★☆
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「読解」 というと文章のなかにあるものを解読することだとおもってしまうが,この本はむしろ本のなかには書いてないことがいかに文章の解釈に影響するか,とくにそういう 「文脈」 をただしく理解しないと 「わかったつもり」 つまり誤解することになるかを,いろいろな例をつかって説明している. この本をよめば,「わかったつもり」 というおとしあなにおちるのをふせぐことができるようになるだろう.
評価: ★★★★☆
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