「キッチン水栓のデザイン ― オールステンレスとプラスティックつき」 に書いたように,最近はオールステンレスの水栓がおおい. オールステンレスだと耐久性はもうしぶんない. しかし,シャワー水栓のようにつかいかたが比較的複雑なものでも,なにも表示がない,つかいかたを示唆するものがすくないので,ユーザビリティには問題があるのではないだろうか.
温泉施設にあそびにいって,オールステンレス製のシャワーをつかおうとしたが,つかいかたが容易にわからない. プラスティックをつかったものなら,そこにシャワーと蛇口とのきりかえ,水量や温度を示唆する文字や絵などが印刷されていて,とまどうことはほとんどない. しかし,オールステンレスのものは,なにも印刷がない. 印刷してもすぐにはがれてしまうのだろう. 凹凸をつけて文字を書くことはできるが,環境によってはそういう文字はほとんどみえない.
結局,シャワーをあびる時間よりも試行錯誤する時間のほうがながくなって,時間も水もむだになる. これでは,オールステンレスにして耐用年数をながくしてみても,節約にはならない. 本末転倒である.
ためしに大手のサーモスタット混合水栓をしらべてみた.
さすがに TOTO や INAX はユーザビリティに配慮していて,部分的にプラスティックなどをつかって,わかりやすくしようとくふうしているようである.
しかし,表示がちいさいし,ステンレスを強調するためにモノトーンになっているようであり,あまりユーザビリティがよくなさそうにみえる (実際につかってはいないので,よくわからないが…).