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とことん電球に似せた東芝の電球形蛍光管

温暖化防止のためには白熱電球を蛍光管にかえるのが有効です. これまでつかわれてきた器具をいかし,これまでつちかわれてきた文化を継承していくには,できるだけ白熱電球にちかい蛍光管をつくるのがよい. 東芝はこの仕事を徹底的にやってきています. このこだわりは賞賛するべきものでしょう. かたちもとことん白熱電球に似せ,点灯したときのみえかたまで似せた電球形蛍光管 ネオボール Z-REAL EFA10EL8R については 「建築としての自宅で一番,きにいっている階段室」 でもふれましたが,もう一度,この蛍光管について書いてみたいとおもいます.

現在はモダニズム,ポストモダニズムにつづく時代だということですが,モダニズムの時代以来,基本思想は機能主義にあるとかんがえられます. 機能主義的なかんがえかたからすれば,蛍光管は直管がもっともうつくしい. それがもっとも蛍光管の機能をよく表現しているからです. しかし,そうはいっても白熱電球によってつくられてきた文化にもすてがたいものがあります. また,点光源でなければ表現できない陰影があります. そうした文化をいかしつつ,また白熱電球用の器具をいかしつつ,温暖化防止をはかっていくには,できるだけもとの白熱電球にちかい蛍光管でおきかえるのがよい.

東芝は,ボールランプについてはすでに 10 年以上まえにそれを達成していましたが,最近,ふつうのかたちの電球についても白熱電球そっくりの蛍光管をつくることに成功しました. それがネオボール Z-REAL です. これまでは,白熱電球用の器具にとりつけることはできても,おおきさがちがうために器具からはみだしたり,器具におさまっても光のぐあいが白熱電球とはちがったりして,ぶざまになることがおおかったのです. とことん白熱電球に似せることによって,はじめてみばえよく,かつ環境にやさしい照明が実現されたということができます. 100 W の電球相当の蛍光管はまだ白熱電球とはかなり差がありますが,60 W40 W とさがるにつれて,かたちもより白熱電球にちかづいていきます. 点灯後あかるくなるまでの時間も,白熱電球と同程度の 1 秒以下です (ただし,あかるくなるまでの照度の変化は白熱電球とはかなりちがうようにおもわれます). いまのところ,他社はこれらにちかい製品をだすことができていません. 日立は 東芝の製品を売っています.

ToshibaLamp1.jpg ToshibaLamp2.jpg

また,反射形の電球についても 100 W 型60 W 型 をつくっています. ただし,反射形に関しては他社もつくっています.

私自身は光色も電球色をつかっていますが,昼白色や昼光色のものもあります. これらは色においては“リアル” ではありませんが,陰影については白熱電球にちかい世界をつくっているわけです. また,電球色についても,ほとんど青い光をふくまない白熱電球とはちがって,よりたかい演色性をもたせています. つまり,青い色のものもただしい色にみえるようにしています. 電球らしさの追求と電球の欠点をおぎなうことをあわせてやっているわけです. どこを電球に似せてどこを改良するか,これはセンスの問題でしょう.

関連項目 (2008-7-27 追記):

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