2012年4月 アーカイブ

[個人ブログから転載します.]

13 人の専門家による提言集だ. 経済の専門家が多く,内容も経済と原子力に関するものが多い. 復興庁を東北につくり,いずれは東北州の州政府にするのがよいという意見もある. 私自身もそれがよいとかんがえていたが,復興庁はそうはならず,政治の改革もできなかった. これをふくめて,実現されていない,またこれからもされそうにない内容が多い.

評価: ★★★☆☆

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高橋是清の財政を検証し肯定して,それと比較して東日本大震災後にとるべき政策として国債の日銀ひきうけを主張している. 高橋財政に対しても評価しない意見がすくなくないが,それ以上に,当時と現在との世界経済の差をかんがえると,「高橋財政の成功」 が,いまとるべき政策を支持する理由にはならないようにおもえる.

評価: ★★★☆☆

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17 人のひとがみた,それぞれの東日本大震災について書いている. そのなかには津波におそわれた直後の凄惨な現場の様子もある. 遺体にかぶせられたブルーシートをはずして写真をとるカメラマンもえがかれている. 震災関連のニュースを見聞きし,本も相当数読んできたが,この本のなかにはまだそのなかになかったことがいろいろとえがかれている.

評価: ★★★☆☆

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震災後 1 年を機に,あらためて震災関連の本をいろいろ読んで,コメントを書きました. それをこのブログにあつめています. 最近出版されている本も多いのですが,むしろ昨年出版された本を (あらためて) 読んでいます.

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ハードカバーの本ではあるが,2011 年 6 月に出版され,すでにほぼ役目をおえてしまっている. 東日本大震災でなにがおこり,経済にどういう影響をあたえたかが分析されているが,いまからみると,あやまった点もある.

一番価値がある部分は 4 章の 「復興へのロードマップ」 だろう. 出版の時点から短期および長期にわたって復興のために何をするべきか,さまざまな提言がなされている. いまみると,短期の提言のなかにはすでに実現されているものがおおい. この本がしめした時期よりはおくれたものがおおいようだが. しかし,たぶん政府のかんがえがちがったために実現していないこともある.

いま,なぜ実現されてないのかかんがえてみるのも,わるくないのではないかとおもう.

評価: ★★☆☆☆

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被災者向けの災害後の復旧マニュアルだ. 東日本大震災後に改訂されているが,この本のおもな対象は比較的軽い被害をうけた人,あるいはもっと小規模の災害だろう. その範囲では,いろいろ,きめこまかく書かれていて,やくにたつのではないかとかんがえられる.

評価: ★★★☆☆

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著者が震災直後,収監をひかえた時期にリツイートしまくったこと,著者が理想とかんがえる東北のすがた,そして瀬戸内寂聴との対話などからなっている. 常識にしばられない自由な思考だが,いまひとつ魅力に欠ける.

評価: ★★★☆☆

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産経新聞に掲載された東日本大震災の被害者の話などをあつめている. ひとつひとつの記事はみじかいが,それだけに 200 ページほどの本のなかに 50 件ちかいさまざまなケースが 1 冊にあつめられている. 貴重な記録だといえるだろう.

評価: ★★★☆☆

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この本は 茂木 健一郎 と 竹内 薫 という 2 人の科学者とサイエンス・ライターとの対話で構成されている. 東日本大震災では Twitter などのネットメディアが重要なやくわりをはたしたが,その反面,妥当でないことを執拗に主張するひとがいることがとりあげられている. そこでとりあげられているひとつの視点は「パターナリズム」 つまり,こどものように受け身で国の対策をもとめる姿勢だ.

あとがきには,科学で一番重要なのは対話をすることであり,その際,ことなる意見を比較することが科学の方法論の神髄だと書かれている. そうかもしれないが,この本の内容は哲学的対話だとしても,科学的対話だとはとてもおもえない.

評価: ★★★☆☆

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東日本大震災がもたらした津波と原発事故をテーマとした本はすくなくないが,この本は震災後に著者が会ったひとりひとりの人間をえがいている. さらに,原発に関してはそれを推進してきた正力松太郎やさまざまな政治家や東電などの企業人をいきいきとえがいている. 石原慎太郎など現在の政治家には批判的だが,これらの過去のひとは冷静にえがいているところに好感がもてる. だが,「いま私たちに問われているのは,これまで日本人がたどってきた道とはまったく別の歴史を,私たち自身の手でつくれるかどうかである」と書きながら,これからどこにどうやってむかっていけばよいかについては,ほとんどふれないままになっている.

評価: ★★★☆☆

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タイトルからして東日本大震災を意識していることはたしかだが,被災地の具体的な事情などはいっさい考慮していない抽象的な議論であるようにみえる. 復興ビジョンの試案のひとつとして考慮するとよい部分もあるだろうが,ビジョンをたてるまえに具体的な事情を考慮しなければ,ビジョンとしても絵に書いた餅になるだけだろう.

評価: ★★☆☆☆

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タイトルからして,あまのじゃく的だ. 書いていることにそれほどおおきなまちがいはないようにおもえるが,被災者への配慮はほとんど感じられない. 原発災害がもたらすのが精神的な被害であることは著者も書いているとおりだが,そうであるなら,著者も,また災害対策においてもそこに配慮する必要があるだろう. それを欠いた著者の主張はうけいれられないだろう.

評価: ★★★☆☆

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震災後,東京から近郊への帰宅困難者のための対策がとられてきている. 都心の会社や施設などで,いそいで帰宅しなくてもよいように備蓄食料や仮眠設備が整備され,一時避難の場所が整備されている. しかし,私は逆向きに帰宅する少数派だ. 私のような東京への帰宅困難者には対策はどれだけ,とられているのだろうか?

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著者の計算によると,原発のかわりに化石燃料をつかうと大気汚染などで年に 3000 人くらいよけいに死亡するが,原発を運転してもそれほど死者はでないという. その真偽はともかくとして,原発か反原発かをきめるときにこういう冷静な思考をすることは必要だろう. 反原発を主張するなら,この本の挑戦をうけるべきだろう.

評価: ★★★★☆

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震災時にさまざまなメディアがなにをしてきたかが,ひとつのおおきなテーマになっている. グーグルが震災後 2 時間以内でたちあげたという person finder について書いている. そしてヤフーやアマゾンなどもそれぞれが震災後やってきたことを書いている. これらは貴重な記録だ. ツイッターや他のネット・メディアがどのようにつかわれたか. またマスメディアとくに海外のマスメディアが日本の状況をどうつたえたか.

東 浩紀 は 「日本はいま,江戸時代末期のように開国と攘夷に分かれつつある」 という. ここまで劇的な表現はみたことがなかった.

評価: ★★★☆☆

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震災発生時にたまたま石巻にいた官僚の著者は,中央にもどらずそのまま 50 日間石巻でできる限りのことをして,そのレポートを霞ヶ関におくりつづける. それをもとに書かれたのが本書だ. 市役所の混乱した状況や役人たちの対応などが冷静にえがかれている. 興味ぶかく読むことができ,また貴重な資料でもある.

評価: ★★★★☆

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さまざまな大学人が 震災やそれと研究との関係などについて語っている. 文系の研究者が多いが,理系のひともいる. さまざまなかんがえを知ることができるのはよいが,1 人平均 6 〜 7 ページのインタビューでは十分な議論にならない. もっとじっくり議論すれば共感できるかもしれないが,断片的で,ひっかかる点のほうがめだつ.

評価: ★★☆☆☆

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大正大学がどのように震災にかかわってきたか,対談,ボランティアやその他の学生が書いた短文など,さまざまな文章があつめられている. 雑多ではあるが,ボランティアがなにに感動したり影響されたりしたか,救援活動の実態はどうだったのか (避難所にとどいた衣類のうち 1 割しかつかわれなかったことなど),学生のマスコミに対するきびしい見方など,興味をひかれることが多数ふくまれている.

評価: ★★★☆☆

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日本の風土が日本人を世界のなかでも特異な思考や感情をもつようにさせていると著者はいう. 西洋や中国などで歴史上おこった大量殺戮が日本ではなかったこと,それに対して大規模な自然災害による死者がおおかったことなどをあげて,日本の特殊性をしめそうとしている. そして,外国人とちがって日本人が装置インフラを軽視し,合理的になれないといった弱点を説明している.

しかし,外国人とのちがいを章ごとにタイトルをつけてまとめようとしているようだが,各章の内容はタイトルとあまり合っていない. 雑然とならべているようにしかみえない. だから,この議論がまだ,だれでも理解できるように説得力を獲得しているとはいえない.

評価: ★★★☆☆

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関東大震災と東日本大震災のときの政治状況の比較がこの本の中心テーマになっている. とくに東日本大震災のときの政治家については,ことばをきわめて批判している. しかし,それではそのとき政治家がどうすればよかったのかについてはそれほど明確なことを書いてはいない. それは関東大震災についてもおなじだ.

震災後の政治状況を分析するのは必要なことであり,著者の努力は貴重なものだとおもう. しかし,80 年を経てもなお正解がわからないのに,なぜ正解をみつけられない現代の政治家をこれほどつよく罵倒できるのか,理解できない. 政治家がちからをだすべきときに,そのちからをそいでいるのは,こういうジャーナリストなのではないだろうか.

評価: ★★☆☆☆

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約 300 ページのうち半分を津波・地震に,そしてのこりの半分を原発事故にあてている. 著者自身がみたもの・きいたものから,地震の歴史,対策など,1 冊でひととおりカバーしようとしている. 範囲がひろい反面,それぞれの話題にはいまひとつ迫力がない. 著者は 2021 年の中高生がこの震災について知るために最初に読む本をめざしたというが,すくなくとも最初に読む本にはもっとインパクトが必要だろう.

評価: ★★★☆☆

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