放射線ホルミシスについて知って,福島のひとに元気になってもらいたい

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福島やその周辺のひとびとは放射性物質によってとくにこどもの健康が害されるのではないかと心配している. わずかな放射線でもからだにわるい影響があるという理論もあるが,それがすべてではない. 放射線ホルミシスつまり低量の放射線をあびるとかえって健康になるという研究もある. これは決してエセ科学ではなくて,ちゃんと科学的な方法で研究されている. 実証されたことはそれほどおおいとはいえないが,すくなくとも放射線におびえているひとびとに,それをある程度あびたほうが活性酸素につよくなり,ガンになりにくくなるという研究があることを知ってもらいたいとおもう.

残念ながら放射線ホルミシスについては大手の出版社の本はないし,あやしい本がおおいこともたしかだ. しかし,被災者むけのまじめな本もある. ここでは,そういう本もふくめて,私が読んだ何冊かの本を紹介したい.

大朏 博善 著 「放射線の話 ― 本当は怖いだけじゃない」は放射線や放射能とはどういうものか,放射線は人体にどういう影響をあたえるか,ホルミシス現象とはなにかなどという話題に比較的コンパクトでもっともよくこたえてくれる本だといえるだろう. 低量放射線はそれほどおそれる必要はないということだ. ホルミシス現象に関するおおくの本のあやしげな記述とくらべると,この本の記述は信頼できる. これがもっともおすすめの本だ.

つぎにおすすめの本は,中村 仁信 著 「低量放射線は怖くない」だ. この本は東日本大震災後に出版されていて,低量放射線に恐怖を感じているひとに,前半では低量放射線はそれほど危険ではないこと,後半ではもしかしたら年間 20 ミリシーベルト程度の放射線をあびるとかえって健康になるかもしれないことを (つまりホルミシスについて) 書いている.

つぎは,あやしい部分もふくんでいるが,大震災後にボランティアや講演をしてきたというエハン デラヴィ (J .C. ガブリエル) というスコットランド出身の著者による 「外国人が見た東日本大震災」 という本だ. ホルミシスについてはすこしふれている程度だ.

もっと専門的な内容の本としては,つぎの本がある: 近藤 宗平 著 「人は放射線になぜ弱いか 第 3 版 」. 人体への放射線や放射性物質の影響について,くわしく書いている. 現在の版はチェルノブイリの事故のあとでかきかえられたものであり,とくに,放射線は微量でも有害だという仮説を否定して,微量放射線は無害であり,ガンにかかりにくくなることもあることが書かれている. 最近よくきくシーベルトという単位の定義にも,不適切ではないかと疑問をなげかけている. 自然にある放射性カリウムが体内にも 3000 ベクレル相当あるのに対して,もれた放射性物質による放射線はずっとすくないという. 内容は比較的専門的だからよみやすいとはいえないだろうが,この原発事故程度の放射線に危険はないという根拠をよく知りたいひとにはよいだろう.

ほかにはもっとあやしい本しかみつけていないが,藤野 薫 著 「放射線ホルミシスの話」 は,放射線ホルミシスについての本がかぎられているなかでは,比較的すすめられる本だ. 現代書林取材班による 「放射線ホルミシスが体にいい!」 はまったくすすめられない.

これらの本については Amazon.co.jp などにレビューを投稿しているので,(追加の情報はあまりないが),レビューへのリンクをあげておく.

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コメント(1)

Thank you for the sensible critique. Me & my neighbor were just preparing to do a little research about this. We got a grab a book from our local library but I think I learned more from this post. I am very glad to see such excellent info being shared freely out there.

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