うごきがよくみえない復興構想会議の検討部会

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[個人ブログから転載します.]

東日本大震災復興構想会議が 6 月 25 日に提言をまとめた. そこで議論されてきた重要な内容はすべてとりこまれたということで,委員である宮城県知事も満足している様子だ. しかし,「具体的な内容がもりこまれなかった復興構想会議の提言」 に書いたように,その内容は具体性にとぼしい. 内容を具体的にうらづけるのは検討部会の仕事のはずだが,そのうごきがよくみえない. 検討部会がうまく機能していなかったから,提言に具体性がないままになったのではないだろうか.

復興構想会議の本会議は 4 月以来 12 回,とくに,6 月にはいってからは 5 回ひらかれている. だが,検討部会のほうはあわせて 8 回,6 月には 2 回しかひらかれていない. 通常,政府の諮問機関などで本会議が提言をだすときには,その案をつくるのは検討部会のほうだ. そうであれば,提言をだす直前には検討部会がもっと活発に活動するはずだ. ところが,復興構想会議においては,検討部会は 「検討部会における検討の状況について」 という資料をまとめてはいるものの,この資料と本会議の提言との関係は明確でない. それを関連づけるのは今後の仕事なのかもしれないが,本来ならば検討部会が提言をうらづけるデータをつくるべきところだろう.

実際,提言にもりこまれた増税に関するデータの作成がもとめられていたはずだ. しかし,検討部会はいわば 「できること」 しかやっていないようにみえる. 6 月最後にひらかれた第 8 回においては,各委員が参考資料を提出しているが,その内容はバラバラであり,提言につながるものではない. この会議には提言の骨子が資料として配布されているが,これは未完成の骨子であり,検討部会がこれに貢献するためというよりは,本会議でやっていることを後追いしているにすぎないようにみえる.

検討部会はいったいなにをやってきたのか,とおもわざるをえない. 「検討部会における検討の状況について」 を整理して提言にむすびつけることができるかもしれないが,提言がこういうかたちにせよ,でてしまったあとは,うらづけデータをつくるのは官僚だろう. もはや検討部会のでる幕はないのではないだろうか. 本会議と検討部会とを並立させるというやりかたそのものが不適切だったということかもしれない.

いずれ 「議事要旨」 というかたちで議論の内容がみえてくるだろうが,いまのところは第 7 回の議事要旨も公開されていないから,6 月の検討部会のうごきはみえない.

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