災害関連の出版物 の最近の記事

[おくれましたが,個人ブログから転載します.]

著者は東日本大震災をアメリカにつたえてきたジャーナリストだ. 自分がみた震災のすがたと日本の新聞などがつたえたそれとのあいだにギャップがあることを感じている. この本は日本人にはわかりにくい問題点をつたえている点で,価値がある.

日本のマスコミは震災における日本人の行動をほとんどいつも肯定的につたえていたようにおもうが,この本ではエゴイスティックな若者をとりあげている. それが真実なのかどうかには疑問もあるが,そういうケースもあったのかもしれない.

日本のマスコミが遺体の写真をとりあげないことについては私も不満をもっていたが,著者もそれを指摘している. しかし,それがとりあげられないのはそれに日本人のおおくがたえられないからであり,マスコミの側の問題ではないのだろう. こういう,受け手の問題がとりあげられなければ,真の解決にはつながらないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「本当のこと」を伝えない日本の新聞@Amazon.co.jp

震災後 2 年にあたって,2011 年 4 〜 5 月の石巻,気仙沼,仙台をあるきまわってとった写真と,石巻でのボランティアの経験とを Kindle 本にまとめました.「震災津波の爪痕 石巻編 (上巻)」,「 震災津波の爪痕 気仙沼編 (中巻)」, 「震災津波の爪痕 仙台編 (下巻)」.ロイヤリティ (売り上げ) は被災者のために寄付します (2013-3-11).

[おくれましたが,個人ブログから転載します.]

文章はひととおりはいっているのだろうが,ぬけている写真または図が多数ある. つまり,校正した形跡がない. 250 円などという値段をつけて売るような本でないことはあきらかだ.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 東日本大震災とおながわ日記@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

東日本大震災がもたらした津波と原発事故をテーマとした本はすくなくないが,この本は震災後に著者が会ったひとりひとりの人間をえがいている. さらに,原発に関してはそれを推進してきた正力松太郎やさまざまな政治家や東電などの企業人をいきいきとえがいている. 石原慎太郎など現在の政治家には批判的だが,これらの過去のひとは冷静にえがいているところに好感がもてる. だが,「いま私たちに問われているのは,これまで日本人がたどってきた道とはまったく別の歴史を,私たち自身の手でつくれるかどうかである」と書きながら,これからどこにどうやってむかっていけばよいかについては,ほとんどふれないままになっている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 津波と原発@ [bk1]津波と原発@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

被災者向けの災害後の復旧マニュアルだ. 東日本大震災後に改訂されているが,この本のおもな対象は比較的軽い被害をうけた人,あるいはもっと小規模の災害だろう. その範囲では,いろいろ,きめこまかく書かれていて,やくにたつのではないかとかんがえられる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 災害のあと始末@ [bk1]災害のあと始末 (旧版)@ [bk1]災害のあと始末@Amazon.co.jp災害のあと始末 (旧版)@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

13 人の専門家による提言集だ. 経済の専門家が多く,内容も経済と原子力に関するものが多い. 復興庁を東北につくり,いずれは東北州の州政府にするのがよいという意見もある. 私自身もそれがよいとかんがえていたが,復興庁はそうはならず,政治の改革もできなかった. これをふくめて,実現されていない,またこれからもされそうにない内容が多い.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 震災からの経済復興@ [bk1]震災からの経済復興@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

高橋是清の財政を検証し肯定して,それと比較して東日本大震災後にとるべき政策として国債の日銀ひきうけを主張している. 高橋財政に対しても評価しない意見がすくなくないが,それ以上に,当時と現在との世界経済の差をかんがえると,「高橋財政の成功」 が,いまとるべき政策を支持する理由にはならないようにおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 経済復興@ [bk1]経済復興@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

17 人のひとがみた,それぞれの東日本大震災について書いている. そのなかには津波におそわれた直後の凄惨な現場の様子もある. 遺体にかぶせられたブルーシートをはずして写真をとるカメラマンもえがかれている. 震災関連のニュースを見聞きし,本も相当数読んできたが,この本のなかにはまだそのなかになかったことがいろいろとえがかれている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: わたしの 3.11@ [bk1]わたしの 3.11@Amazon.co.jp

震災後 1 年を機に,あらためて震災関連の本をいろいろ読んで,コメントを書きました. それをこのブログにあつめています. 最近出版されている本も多いのですが,むしろ昨年出版された本を (あらためて) 読んでいます.

[個人ブログから転載します.]

著者の計算によると,原発のかわりに化石燃料をつかうと大気汚染などで年に 3000 人くらいよけいに死亡するが,原発を運転してもそれほど死者はでないという. その真偽はともかくとして,原発か反原発かをきめるときにこういう冷静な思考をすることは必要だろう. 反原発を主張するなら,この本の挑戦をうけるべきだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「反原発」の不都合な真実@ [bk1]「反原発」の不都合な真実@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

ハードカバーの本ではあるが,2011 年 6 月に出版され,すでにほぼ役目をおえてしまっている. 東日本大震災でなにがおこり,経済にどういう影響をあたえたかが分析されているが,いまからみると,あやまった点もある.

一番価値がある部分は 4 章の 「復興へのロードマップ」 だろう. 出版の時点から短期および長期にわたって復興のために何をするべきか,さまざまな提言がなされている. いまみると,短期の提言のなかにはすでに実現されているものがおおい. この本がしめした時期よりはおくれたものがおおいようだが. しかし,たぶん政府のかんがえがちがったために実現していないこともある.

いま,なぜ実現されてないのかかんがえてみるのも,わるくないのではないかとおもう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 岐路@ [bk1]岐路@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

著者が震災直後,収監をひかえた時期にリツイートしまくったこと,著者が理想とかんがえる東北のすがた,そして瀬戸内寂聴との対話などからなっている. 常識にしばられない自由な思考だが,いまひとつ魅力に欠ける.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 0311 再起動@ [bk1]0311 再起動@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

産経新聞に掲載された東日本大震災の被害者の話などをあつめている. ひとつひとつの記事はみじかいが,それだけに 200 ページほどの本のなかに 50 件ちかいさまざまなケースが 1 冊にあつめられている. 貴重な記録だといえるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: がれきの中で本当にあったこと@ [bk1]がれきの中で本当にあったこと@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

この本は 茂木 健一郎 と 竹内 薫 という 2 人の科学者とサイエンス・ライターとの対話で構成されている. 東日本大震災では Twitter などのネットメディアが重要なやくわりをはたしたが,その反面,妥当でないことを執拗に主張するひとがいることがとりあげられている. そこでとりあげられているひとつの視点は「パターナリズム」 つまり,こどものように受け身で国の対策をもとめる姿勢だ.

あとがきには,科学で一番重要なのは対話をすることであり,その際,ことなる意見を比較することが科学の方法論の神髄だと書かれている. そうかもしれないが,この本の内容は哲学的対話だとしても,科学的対話だとはとてもおもえない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 3.11 以後@ [bk1]3.11 以後@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

タイトルからして東日本大震災を意識していることはたしかだが,被災地の具体的な事情などはいっさい考慮していない抽象的な議論であるようにみえる. 復興ビジョンの試案のひとつとして考慮するとよい部分もあるだろうが,ビジョンをたてるまえに具体的な事情を考慮しなければ,ビジョンとしても絵に書いた餅になるだけだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 大震災復興ビジョン@ [bk1]大震災復興ビジョン@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

タイトルからして,あまのじゃく的だ. 書いていることにそれほどおおきなまちがいはないようにおもえるが,被災者への配慮はほとんど感じられない. 原発災害がもたらすのが精神的な被害であることは著者も書いているとおりだが,そうであるなら,著者も,また災害対策においてもそこに配慮する必要があるだろう. それを欠いた著者の主張はうけいれられないだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 原発「危険神話」の崩壊@ [bk1]原発「危険神話」の崩壊@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

震災時にさまざまなメディアがなにをしてきたかが,ひとつのおおきなテーマになっている. グーグルが震災後 2 時間以内でたちあげたという person finder について書いている. そしてヤフーやアマゾンなどもそれぞれが震災後やってきたことを書いている. これらは貴重な記録だ. ツイッターや他のネット・メディアがどのようにつかわれたか. またマスメディアとくに海外のマスメディアが日本の状況をどうつたえたか.

東 浩紀 は 「日本はいま,江戸時代末期のように開国と攘夷に分かれつつある」 という. ここまで劇的な表現はみたことがなかった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: IT時代の震災と核被害@ [bk1]IT時代の震災と核被害@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

大正大学がどのように震災にかかわってきたか,対談,ボランティアやその他の学生が書いた短文など,さまざまな文章があつめられている. 雑多ではあるが,ボランティアがなにに感動したり影響されたりしたか,救援活動の実態はどうだったのか (避難所にとどいた衣類のうち 1 割しかつかわれなかったことなど),学生のマスコミに対するきびしい見方など,興味をひかれることが多数ふくまれている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 3.11大震災@ [bk1]3.11大震災@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

さまざまな大学人が 震災やそれと研究との関係などについて語っている. 文系の研究者が多いが,理系のひともいる. さまざまなかんがえを知ることができるのはよいが,1 人平均 6 〜 7 ページのインタビューでは十分な議論にならない. もっとじっくり議論すれば共感できるかもしれないが,断片的で,ひっかかる点のほうがめだつ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ポスト3・11 変わる学問@ [bk1]ポスト3・11 変わる学問@Amazon.co.jp

[個人ブログから転載します.]

震災発生時にたまたま石巻にいた官僚の著者は,中央にもどらずそのまま 50 日間石巻でできる限りのことをして,そのレポートを霞ヶ関におくりつづける. それをもとに書かれたのが本書だ. 市役所の混乱した状況や役人たちの対応などが冷静にえがかれている. 興味ぶかく読むことができ,また貴重な資料でもある.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 被災、石巻五十日@ [bk1]被災、石巻五十日@Amazon.co.jp