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思想・哲学・宗教 アーカイブ

0001-01-01

tetu_bn_161.gif 書評・読書カテゴリーには私が Amazon や BK1 に投稿した書評や,本について書いた文章をあつめています. 以前はすべての書評をひとつのページにいれていましたが,書評の数がおおくなり,書評・読書カテゴリーのページがながくなりすぎたので,書評・読書カテゴリーを分割しました. 書評以外のカテゴリーにあわせて, Web とインターネット仕事と起業メディア・アート・イベント・エンターテイメントインタフェース,アメニティとデザイン思想・哲学・宗教情報学・計算・プログラミング政治・法律・憲法教養・教育と学習歴史環境生活知的生産とリテラシー社会・経済秘密・プライバシー保護とセキュリティ言語・コミュニケーションとネットワーキング というように書評を細分するようにして,書評カテゴリーのページにはそれらに分類しづらいものをあつめました. なお,このページは各カテゴリーのページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 10:39 です).

2005-12-24

この本を読む前にバカの壁をこえているひとにとってこの本の内容は納得できるものだとおもいますが,読む価値はあまりないでしょう.逆にバカの壁をこえられないひとにはこの本の内容は理解できないので,やはり読む価値はあまりないでしょう.編集者でなく養老先生自身がこの本を書けば,もうすこしバカの壁をこえるたすけになったのかも…

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: バカの壁@ [bk1]バカの壁@Amazon.co.jp

つづく…

2006-04-14

この本の後半には本多勝一とイザヤ・ベンダさん (山本七平) の公開討論が収録されている. この本が出版されたときには,まだ本多のバカさ加減を見抜くことは難しかったのだろう. まだ文化大革命が続くなかで 「今の中国へ行く人が,予備知識として第一に何を勉強すべきたか考えたら [中略] まず 「階級」 とは何かを徹底的に知ることだと思います」 という主張に疑問をもつことはできなかっただろう. しかし,いくら当時でも 「私たちは,多少はスジの通った考え方のできる者であればだれでも知っている. 天皇制などというものは,シャーマニズムから来ている未開野蛮なしろものだということを」 という意見が妥当なものだったとはおもえない. 山本七平はこうした本多の主張にていねいに反論している. いまからみれば,どちらがただしかったかは,あきらかであろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 殺す側の論理@Amazon.co.jp. (品切れになっているので,古書があるときだけ買えます.)

つづく…

2007-09-19

仕事や人生がうまくいっていないひとは,自分で自分のちからを殺してしまっていることがおおいとおもわれる. 本書はそのような状況からぬけだして,ちからが発揮できるようにするための方法を順序を追って説明している. 私自身が実践していることや私にも納得できる点がおおいが,気になるのは説明が論理的でないことである. 本書のサブタイトルは 「幸運の流れをつかむ新しい哲学」 とあるが,哲学は論理的でなければならない. その意味で本書はむしろ宗教である. 本書には占いのすすめなども書かれていて,そういう点では私はついていけない. 信じられるひとがこの本にそって実践すればきっと成功するだろう. だから,そういうひとにとっては良書だといえるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: パワー・オブ・フロー@ [bk1]パワー・オブ・フロー@Amazon.co.jp

つづく…

2007 年 8 月 12 日に NHK で放送された 「鬼太郎が見た玉砕」 というドラマの原作である. 戦争や死,病気などが日常化した戦場の世界がえがかれている. ドラマではより戦争の非情さが強調されていたようにおもうが,この本のなかに登場する人物たちはより人間的であるようにみえる. 玉砕するはずだったがいきのこった小隊長たちもドラマよりは温情的にあつかわれているようにみえる. しかし,それは著者のやさしさからでた表現なのかもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 総員玉砕せよ!@ [bk1]総員玉砕せよ!@Amazon.co.jp総員玉砕せよ!@Amazon.co.jp

つづく…

2007-12-31

東 浩紀 は 大澤 眞幸 との共著 「自由を考える」 (NHK 出版, 2003 年) のなかで 「規律訓練型権力」 と 「環境管理型権力」 について論じています. 「規律訓練型権力」 はもともとミシェル・フーコーが 「監獄の誕生」 (新潮社, 原著 1975 年) において論じているということですが,私自身はこの本を呼んではいません. 東の論旨は 「ポストモダン化」 によって 「規律訓練型権力」 によっては秩序を維持することができなくなり,「環境管理型権力」 がそれにかわって登場してきたが,そこにはいろいろ警戒すべき点があるということです. 「環境管理型権力」 は情報技術とくにセキュリティに関する技術を背景として登場してきているということなのですが,したがって,セキュリティ技術との関係を吟味する必要があります. このブログはこのような考察に適当な場所ではないとおもわれたので,「環境管理型アーキテクチャとセキュリティ管理」 において,環境管理とセキュリティ管理の技術との関係を論じています.

つづく…

2008-01-07

「問題作」 を読んだときには,すぐにみずから書評を書いて Amazon.co.jp と BK1 とに投稿している私だが,この本に関してはそうたやすく書評を書けなかった. ここには,Amazon.co.jp から,よく内容を要約している モチヅキ (名古屋市) の書評を引用しておきたい.

つづく…

中村 天風 の数 10 文字のことばをおおきな活字で 1 ページにひとつずつ印刷した本である. すでに天風の本を多数読んだり話をきいたひとには,その話がおもいだせればよい本なのだろう. しかし,文脈がわからない私には,これだけでは理解することができない. 天風の本のなかでよいものをさがして,あるひとにすすめようとおもって買った (ということは私も天風のことばが気にいっているわけなのだ) が,そういうわけなので,この本はすすめるわけにはいかない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 心が強くなる言葉@ [bk1]心が強くなる言葉@Amazon.co.jp

つづく…

2008-01-08

宇野 千代 が 中村 天風 の講話を編集して書いた本である. 廣済堂文庫にある 「天風先生座談」 (こちらが本来のタイトル) とおなじ内容だが,小見出しをつけてその目次をつくることによって,あとから見返すのが容易になっている. まえむきに生きることがどれだけ人生にとって大事であるかを実感させてくれる本だとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 中村天風の生きる手本@ [bk1]中村天風の生きる手本@Amazon.co.jp

つづく…

2008-03-07

この本は、最近多数出版されている自虐史観のみなおしに関するものである. 米軍の占領政策のなかで日本人が洗脳されたという指摘はすでにさんざん読まされているが,この本では日本が戦前あやまった方向にふみだすにあたっても,また戦後の占領政策も最近の 「ジェンダーフリー」 運動も 「社会主義」 に影響されたと主張している. なにもかも 「社会主義」 のレッテルをはりつけてしまうことで真実をかくしているようにおもえる.

とはいえ,大陸における戦争の一因をもともと日本の弱腰外交,英米と協調した出兵をしなかったことなどをもとめている点などは,きくに値するようにおもえる. 弱腰ではかえって戦争をまねいてしまうということはドイツに対する各国の対応でもいえることであり,現代日本にもあてはまるとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 日本人としてこれだけは知っておきたいこと@ [bk1]日本人としてこれだけは知っておきたいこと@Amazon.co.jp

つづく…

2008-03-19

ちかごろの本はただ平易でよみやすくするばかりで,味わいのない文章がおおい. それに対してこの本の著者は 「本を大量に読み,文章を膨大に書きなぐるという過程を子供の頃から無意識で繰り返しては来たのだが,文章に味わいや品格というものがどうにもこうにも涌いてこない」 と書いてはいるものの,この本はひと味ちがっている. また,通説にとらわれず,2 ちゃんねらーについても小林秀雄や藤原正彦も独自に理解しようとしている. 疑問の点も多々あるが,得るところもある本である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 新しい神の国@ [bk1]新しい神の国@Amazon.co.jp

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2008-05-05

タイトルの 「モノの捨て方」 にひかれて買ったまま読まずにいた本を最近,読んだ. たしかに最初の章にはモノの捨て方が話題にされていて,常識を捨てることが大事だということも感じさせる. しかし,それ以降の章はタイトルにこそ 「捨てる時代」 がかぶされているが,内容はモノを捨てることとは関係がない. 話題になっていた 辰巳 渚 の本に便乗しようとしたのだろう. もっと独自性をうちだしたほうが価値ある本になったのではないかとおもえる.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: モノの捨て方で人生が変わる@Amazon.co.jp

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2008-08-18

「やる気」 がないのにもいろいろな原因やレベルがある. この本ではその原因を 「思うように仕事がはかどらないから」,「仕事の目標が見つからないから」 など,6 つに分類している. そして,原因のちがい,レベルのちがいなどに応じて,いろいろな対策をしめしている.

いずれかの原因,いずれかのレベルに特化して対策をしめしても,そこからはずれているひとには効果がないが,この本からはよりおおくのひとが自分にあった対策をみつけることができるのではないかとおもう. それができるのは,著者みずからがかつて 「やる気なし人間」 だった,たぶんそのときによっていろいろな原因やレベルを経験してきているからなのではないかとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: やる気の法則@ [bk1]やる気の法則@Amazon.co.jp

つづく…

2008-08-22

おとなになると 「常識」 にとらわれて自由に行動できなくなるので,それを排して自由になろうという趣旨はたいへんよい. しかし,こどものときはほんとうに自由だったのだろうか?

こどものころは温泉で下半身をかくしたりしなかったのが,おとなになると人目を気にするようになると書いている. しかし,私のばあいはむしろ逆だった. 「何もない原っぱで遊べますか?」 というのもあるが,いまでも原っぱをたのしめる私に対して,私のこどものほうがたのしめないようだ.

つまり,こどもかおとなかということはあまり関係なくて,へんなこだわりはすてたほうがよいということだ. この本のヘンなところにこだわるのも,もうやめよう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 子ども脳の大人になろう@ [bk1]子ども脳の大人になろう@Amazon.co.jp

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2008-08-26

どんな分野でも 「できる人」 は 〈まねる (盗む) 力〉,〈段取り力〉,〈コメント力〉 をもっているという. なるほど,さすが齋藤先生だ,とおもいながら読んでいったが,わけあって,途中で数日ほうりだしてからつづきを読んだ. それまでに書いてあることをすっかりわすれていることに気づいた. 私にとっては,もっともだがどうもピンとこなくて実践的にはつかえない,すぐ内容をわすれてしまう本だった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「できる人」はどこがちがうのか@ [bk1]「できる人」はどこがちがうのか@Amazon.co.jp

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2008-09-03

この本にはいろいろなことが書いてある. サラリーマンや経営者なら,そのなかから自分にあったやりかたをみつけることができるだろう. 自分に関係ないことはわすれて,よい部分だけを読めばいい.

とはいえ,仕事の種類によって 「いい仕事の仕方」 はかわってくるだろう. しかし,この本がどんな仕事を対象としているかははっきりしない. それだけでなく,仕事とはなにか,趣味とはなにか,それがまず書いてない. そのため,仕事は生きがいになるが 「趣味そのものは,生きがいになりにくい」 と書きながら 「仕事を趣味にすればよい」 と書いているのは意味がわからない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: いい仕事の仕方@ [bk1]いい仕事の仕方@Amazon.co.jp

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2009-02-06

新自由主義に席巻されたアメリカの経済学を信奉してきた著者が,そういう過去を自己批判する. 最近はつよく批判される小泉政権の政策については,郵政民営化で公共事業に自動的に資金がながれるしくみにくさびをうった点を評価しながらも,いなかの特定郵便局まで民営化して採算重視することへの疑問をのべている.

しかし,著者の議論はそれだけにとどまらない. 格差や貧困ををうみだし環境を破壊する近年のグローバル資本主義を批判するだけでなく,一神教であるキリスト教にささえられた米英の資本主義や土地の私有制などにもメスがいれられる. その一方でグローバル資本主義を拒否したブータンとキューバに羨望の目がむけられる. また,自然との共生を重視してきた日本人の思想をみなおし,「商人道」 から発した日本の商慣習を評価し,日本の自動車産業の成功の理由をそういうところにみている. また,日本 「再生」 のためにも,さまざまな提言をしている.

しかし,その一方で,批判した資本主義を 「歴史を逆行させることはおそらくできないだろう」 というように,かんたんにみとめてしまっている. 資本主義のルーツにまでさかのぼった議論をするのであれば,改良主義的な提言よりも,もっと根本的なみなおしの議論がほしかったようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 資本主義はなぜ自壊したのか@ [bk1]資本主義はなぜ自壊したのか@Amazon.co.jp

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日本人は無宗教であることを比較的最近,自覚するようになったが,昔の日本人は無宗教になりようがなかったという. それは 「宗教」 ということば自体がなかったからだという. そのため,宗教の有無のくべつもなく,神道と仏教をはっきりくべつするする理由もなかった. 現在でもそれらを明確に区別して,どちらかだけを信仰することに,どれだけの意味があるのだろうかと著者は疑問をなげかける. また,宗教どうしが排他的になりがちなのに対して,無宗教である日本人は対立をうまず,世界的におおきな意味をもちうるという.

しかし,無宗教がどういう意味をもちうるのか,明確な議論はない. 未完の議論であり,いささか,くいたりない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 無宗教こそ日本人の宗教である@ [bk1]無宗教こそ日本人の宗教である@Amazon.co.jp

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2009-03-29

著者は日本中に 「思考停止」 したひとがはびこっているのをうれいている. 藤原正彦の 「国家の品格」 を 「思考停止のススメ」 と評し,「ものを考えない」 小泉純一郎にだまされた国民も思考停止しているといい,食品偽装に関しては 「日本の食品には,真実性のかけらもない」 と評している. こうなった原因のひとつとして,思考をきたえない 「偏差値教育」 をあげ,「少年ジャンプ」 もヤリ玉にあげている. 中国,インドをはじめ日本以外の国では学生が必死に勉強しているなかで日本の学生だけが意欲をうしなっていることに危機感をもっている.

興味ぶかい点のひとつは,「いわゆる教養主義は 1970 年前後に消滅し」,「最近では世界のエグゼクティブと言われる人間でも,伝統的な教養をあまり知らない」,だから 「古典的教養」 を復活させるのでなく,ネット社会重視の 「21 世紀の教養」 を身につけるべきだといっていることである.

この本の内容にはうたがわしい点も多々ある. 「思考停止」 してそれを信じるのは著者がもっとものぞんでいないことだろう. 刺激的な著者の意見を自分のあたまでかんがえなおせば,えられるものはすくなくないだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「知の衰退」からいかに脱出するか?@ [bk1]「知の衰退」からいかに脱出するか?@Amazon.co.jp

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2009-04-13

さまざまな分野の論客による環境知能の本ということで期待したのだが,はずれてしまったようだ. 第 1 部はシンポジウムの記録であり,おもしろい研究の紹介であるはずだが,テレビなどにくらべるとおもしろさがなかなかつたわらないようだ. それ以降はかなり哲学に傾斜しているが,それほどあたらしさを感じなかった. わすりやすくするために小説のようなスタイルなど,ストーリー性をあたえた部分もあるが,成功していないようで残念だ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 環境知能のすすめ@ [bk1]環境知能のすすめ@Amazon.co.jp

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2009-05-11

死後の世界を図解しようという前代未聞の (?!) こころみである. イラストを書いているのは著者ではないので,どれだけ著者の意図がイラストレータにつたわっているかはよくわからないが,いろいろと興味ぶかい点がある.

「地獄界の 「針の山」 や 「血の池地獄」 は実際にあるのでなく観念的に地獄の苦しみをあじわう」 というわけで,ベンチのようなものに腰かけている絵がかかれている. 地獄の映画をみているようなものであり,現実の戦争などにくらべれば天国のようなものだとおもえる. これはぬるま湯につかった日本の現状を反映しているのだろう.

地獄界からしてそうなので,さらに天界となると 「常に昼のような明るさに満たされ,季節や天候の変化もない」 ということだ. これでは退屈で死にそうだ.

水子供養を手厚くすれば賽の河原での修行がうまくいくが,「通り一遍の供養」 では修行がはかどらないという. 著者は真言密教の管長だというが,その立場 (あるいは利益) がこういうかんがえに反映されているようにおもえる.

この本には黒カビが魔物をよびよせるとか,衣服をくりかえしクリーニングすることでマイナスの霊がさけられるとか,ラブホテルには水子や色情霊がいるので注意が必要だとか書かれている. ある意味で著者の感覚のナイーブさをしめすものだといえるだろう. 過剰な清潔感などはいただけないが,よりよい生活をおくるためのくふうとして,ある程度はうけいれられるかんがえだとおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 下ヨシ子の死後の世界@ [bk1]下ヨシ子の死後の世界@Amazon.co.jp

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2009-07-14

「軽い」 なやみには冗談をまじえてこたえ,深刻ななやみには真正面からこたえている. こういう姿勢が支持をえているのだろう. しかし,内容をみるとどうも疑問の点がおおい. 何人かのひとがおなじ質問をすれば,ひとによってこたえるべき内容は本来はちがうだろう. それに対してひとつだけのこたえをあたえようとすれば,やはり無理がある. しかし,ほかの答えをきりすてて,ひとつにしぼるから,迫力があるのだろう. ないものねだりをしても,しかたがないのかもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: あなたの悩みが世界を救う!@ [bk1]あなたの悩みが世界を救う!@Amazon.co.jp

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2009-11-14

「図解」 に興味があるので,ついついこの本を買ってしまった. 哲学を図にするとはどういうことか?

しかし,やはり図をみてもいっこうにわからない. 文章を読んではじめて理解できる. ★ 1 個にしようかとおもったが,文章の内容はそれなりなので 2 個にしておいた.

それでも,あとで図をみかえせば内容をおもいだすことができるのであれば,図にする価値があるのだろう. しかし,そこまでは検証できていない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 哲学は図でよくわかる@ [bk1]哲学は図でよくわかる@Amazon.co.jp

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2009-11-30

著者は緒言でいきなり 「ウェブ空間」 ということばをつかっている. それはメイルなどもふくんでいるようだが,その意味が明確にされないまま議論がすすんでいく. 4~5 章で 「ウェブ空間」 について論じているので,「ウェブ空間」 がなんであるかもしだいにあきらかになっていくとはいうものの,読みにくい本である.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「場所」論@ [bk1]「場所」論@Amazon.co.jp

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2010-01-18

人間にせよ他の動物にせよ,自分が中心にあるというふうにしか世界を認識できないはずだ. それなのにこの本はあたかもそうでないかのように生きているひとのための本だ. この本は執拗に 「自分中心にかんがえなさい」 といっているが,そういわれなければ自分のことをかんがえないひとがいるらしいということを知るのは私にとってはむしろ,おどろきだ. 私のような人間のための本でないことはあきらかだが,それでも,えるところがあったといえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: もっと自分中心でうまくいく@ [bk1]もっと自分中心でうまくいく@Amazon.co.jp

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2010-10-19

著者はロボット屋からシステム論屋になったひとのようである. この本ではシステム論を発展させることがいまの日本に必要だという. 著者は 4 つの思考法として 「要素還元思考」,「システム思考」,「ポスト・システム思考」,「システム思想」 をあげ,それらは相補的だと主張している. はじめの 2 つはシステム論を知っているひとにはおなじみのものだが,あとの 2 つは著者が独自にかんがえたものだ.

著者はこれは宗教ではないというのだが,「ポスト・システム思考」 は哲学,「システム思想」 は宗教だ (とくに仏教に影響されている) ととらえると理解しやすいようにおもう. 著者がいうように 「要素還元思考」 でも 「システム思考」 でもとけない問題はあり,科学にこだわらないのであれば,そこに哲学や宗教が登場してくる余地がある.

現代の困難な問題をとくには,これらをうまくくみあわせるのがよいということだが,どうくみあわせればよいのかはあいまいだ. あとの 2 つを哲学と宗教とかんがえるなら,これはとくにあたらしい思想ではないだろう. もっと明確な指針をあたえてくれるのなら価値があるだろうが,この本からそれほどのものがえられるようにはおもえない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 思考脳力のつくり方@ [bk1] 思考脳力のつくり方@Amazon.co.jp

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2011-02-19

かつては科学のことは科学者がきめていればよかったが,現代においては科学技術が政治や社会におおきな影響をあたえ,非専門家が科学研究のすすめかたにおおきくかかわるようになっている. 本書は,高速増殖炉もんじゅや BSE などを例としてとりあげつつ,そういう 「トランス・サイエンス」 のながれを追っている.

著者は 1970 年代がこういうトランス・サイエンスへのおおきな転換期だったという. しかし,それではなぜこの本が 2007 年に書かれなければならなかったのか,その理由がわからない. トランス・サイエンスの時代への変化は数 10 年あるいはもっとながい期間を要するものだということかもしれない. しかし,2000 年代の話題をとりあげつつも,この本がどちらかといえば過去の変化をかたっていることに,かるい失望感をおぼえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: トランス・サイエンスの時代@ [bk1]トランス・サイエンスの時代@Amazon.co.jp

つづく…

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