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インタフェース,アメニティとデザイン アーカイブ

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tetu_bn_161.gif 書評・読書カテゴリーには私が Amazon や BK1 に投稿した書評や,本について書いた文章をあつめています. 以前はすべての書評をひとつのページにいれていましたが,書評の数がおおくなり,書評・読書カテゴリーのページがながくなりすぎたので,書評・読書カテゴリーを分割しました. 書評以外のカテゴリーにあわせて, Web とインターネット仕事と起業メディア・アート・イベント・エンターテイメントインタフェース,アメニティとデザイン思想・哲学・宗教情報学・計算・プログラミング政治・法律・憲法教養・教育と学習歴史環境生活知的生産とリテラシー社会・経済秘密・プライバシー保護とセキュリティ言語・コミュニケーションとネットワーキング というように書評を細分するようにして,書評カテゴリーのページにはそれらに分類しづらいものをあつめました. なお,このページは各カテゴリーのページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 10:39 です).

2006-10-22

この本を読んだからといって満足できるデザインのブログサイトは,なかなか,つくれないだろう. この本の後半 (実践編) ではこまかいコンテンツ・デザインのための方法たとえばスタイルシートのかきかたなどが解説されているが,すくなくともアマチュアにはここまではできないとおもわれる. 私も Movable Type をインストールしたときにつくられるファイルを,よくわけもわからないまま変更して,およそ満足できるサイトをつくっている. そういう私にとっては前半の基礎編はそれなりにやくにたった. かんたんな例が多数かいてあるので,それをためせば Movable Type のしくみを理解することができる. タグに関する記述がないことなどは Web 上のタグ・リファレンスでおぎなう必要があったが,それ以外はだいたいこの本でまにあっている. もっとあたらしい版 (3.3 など) に準拠した本はあって,そのほうがよかったかもしれないが,私はわるくない本だとおもっている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: Movable Type スタイル & コンテンツデザインガイド@ [bk1]Movable Type スタイル & コンテンツデザインガイド@Amazon.co.jp

つづく…

2006-10-25

本来のテンプレート集のよいところは,印刷された多種多様なデザインのなかから,自分がすきなものをえらべることにある. カスタマイズのしかたが書いてあれば,さらにそこから自分がすきなようにちょっとカスタマイズすることで,他人とはちがうデザインをつくることができる. ところが,この本には 77 個という,個数としてはわるくない数のデザインが写真つきで紹介されているが,それらは “ちょっとずつ” しかちがわない. WWW 上をみれば,ほんとうに多種多様なブログ・デザインがあることがわかる. それらのバリエーションの 5% 以下でもいいから,もっといろいろなデザインをとりあげていれば,この本はずっと価値のあるものになっただろう. 現在のままでは,自分でカスタマイズするときのたすけにはなるが,Movable Type の初期画面からあまりとおくにいくことはできない.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: Dr. Blog の Movable Type スタイルデザイン & テンプレート集@ [bk1]Dr.Blog の Movable Type スタイルデザイン & テンプレート集@Amazon.co.jp

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2007-09-15

モノをデザインするときにそのつかいかたなど,モノに付随する “コト” が重要だということに異論はない. “コト” についてかんがえるとき,それをストーリー化するのもよいことだとおもう. しかし,私にわからないのは,なぜセリフまで書いてシナリオにしなければならないかということである. この本にはそういうシナリオがいろいろ書かれているが,私はうんざりするだけである.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 商品企画のシナリオ発想術@ [bk1]商品企画のシナリオ発想術@Amazon.co.jp

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2008-03-11

アップル (Apple) はどういう会社か,またスティーブ・ジョブスはどういうひとか,それを新書というみじかい本のなかにうまく書いている. とくに,ジョブスがどうやってアップルという会社をとりもどしたのか,その後どのような戦略をとっているかなど,もしまだ知らなければ読む価値があるだろう. しかし,すでにある程度こうした知識を知っている私にとっては,おさらいにはなったが,いまひとつ,あたらしい発見はなかったようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: アップルの法則@ [bk1]アップルの法則@Amazon.co.jp

つづく…

2008-04-12

iPhone をタイトルにふくむ本は日本でもすでに何冊か出版されているが,iPhone がまだ当分日本ではつかえないためか,これまでの本は iPhone そのものにはあまりページをさかず,iPhone をつくった Apple や Steve Jobs について書いていた. この本は iPhone そのものに正面からとりくんだ最初の本だといえるだろう. iPhone の機能や日本の携帯電話との比較,日本での発売の可能性などについて書いている. 意外な話はとくにないが,iPhone の概要を知るにはよいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: iPhoneが日本に上陸する日@ [bk1]iPhoneが日本に上陸する日@Amazon.co.jp

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2008-04-13

SaaS は ASP とどうちがうのか,えせ SaaS ベンダをみわけるにはどうしたらよいか,などの点について,技術内容にたちいらずにえがこうとしている. だれでも読める本にするために技術内容にふれていないことが,かえってわかりにくくしている面があることは否定できない. 最後の章で SaaS がおもに販売管理や人材管理につかわれていて,今後も企業の 「競争力強化」 にかかわる部分にはつかわれず,「未確定情報」 や 「文字情報」 の処理のため,「負荷削減」 のためにつかわれるだろうという指摘は納得できるものである.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: SaaSはASPを超えた@ [bk1]SaaSはASPを超えた@Amazon.co.jp

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2009-04-21

著者は工学が科学ととはちがってアートにちかいものであることを強調する. コンピュータが発達するのにつれて科学的な思考 (論理) が重視され,技術屋が重視してきた視覚的・非言語的な思考 (直観) が軽視されるようになったという. 本書ではこうした技術屋がつかってきた図面・絵・模型などの例を多数あげて解説している. また,「科学」 やコンピュータにたよりすぎたために失敗した例 (橋の崩落など) を分析している.

著者は科学と工学とを対比させているが,数学や物理においても直観や全体的な把握は重要だ. 論理的な思考だけでは全体を把握するのは困難だ. しかし,技術屋のほうが視覚的・非言語的なものをより必要としてきたこともたしかだろう. コンピュータ技術が発展した現在でも,概念図的なものや非言語的なものはコンピュータにとっては苦手であり,おきざりにされやすい. しかし,コンピュータが苦手としているということは従来と同様に人手でやる必要があるということであり,この本に書かれている過去の知識が現在でもいかせるということだろう. 本書はそれをみなおすときに,やくにたつにちがいない.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 技術屋の心眼@ [bk1]技術屋の心眼@Amazon.co.jp

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2009-08-08

認知心理学者ノーマンは著書 「誰のためのデザイン?」 において既存のさまざまな工業製品のデザインを分析していた. するどい分析ではあったが,その内容はむしろ保守的にみえた. 本書では知的な機械と人間とのインタラクションがテーマとなっていて,よりノーマンらしい内容だとおもえる. 本書の内容はそのなかに書かれている 「6 つのデザインルール」 にまとめられ,また 「機械によって [実はノーマンによって] 作られた 5 つのルール」 もあわせて書かれていて,そのほうが私にはピンとくる. いずれにしても,マイコンなどを内蔵した知的なインタフェースのデザイナーは,本書をてもとにおくとよいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 未来のモノのデザイン@ [bk1]未来のモノのデザイン@Amazon.co.jp

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2010-06-25

デザイン思考について,さまざまなエピソードをまじえて語っている. エピソードのひとつとして,小池百合子環境大臣のリーダーシップのもとで博報堂が展開した 「クールピズ」 のキャンペーンがとりあげられている. 短期間で 「クールピズ」 を浸透させることができたのもデザイン思考のおかげということだ.

また,新興国でモバイル機器で初めてインターネットを経験する顧客がふえていることに目をつけたノキアが 2006 年にそれまでのハードウェア主導のアプローチの代替策を実行したことも書かれている. 国内ではもっと以前からインターネット・サービスを提供していた NTT ドコモがなぜノキアに勝てないのか,という観点から読むのもおもしろい.

評価: ★★★★☆

関連リンク: デザイン思考が世界を変える@ [bk1] デザイン思考が世界を変える@Amazon.co.jp

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2010-09-05

この本は 「ユーザ・エクスペリエンス」 の技術や実践についての本である. このことばを 「おもてなし」 と意訳している. 「ユーザ・エクスペリエンス」 とか 「おもてなし」 ということばをきくとアップルをおもいだすし,この本でもアップルが登場する. しかし,この本にはアップルの製品やサービス,あるいはホテルなどの 「おもてなし」 で重要なことがぬけおちているようにおもえる. それは感動,発見,新鮮さというようなことばであらわされることだ. それらは 「エクスペリエンス・テクノロジー」 の主題ではないのだろうが,「おもてなし」 には不可欠のことのはずだ. 「おもてなし」 ということばをつかうのなら,そこに目をむける必要があるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「おもてなし」のIT革命@ [bk1] 「おもてなし」のIT革命@Amazon.co.jp

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2010-10-17

第 1 章はセカイカメラからはじまる. これは入門書としては適切だろう. しかし,第 1 ~ 2 章のなかに AR のためのプログラム・ライブラリの話まででてくるのは,ちょっとバランスがわるいようにもおもえる.

iPhone やケータイでアクセスできる AR についてはよく書いてあるが,もっと先端的な事例や研究についても書いたほうがよかったのではないだろうか. この本にたりないのは 「感動」 だ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: AR〈拡張現実〉入門@ [bk1] AR〈拡張現実〉入門@Amazon.co.jp

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2010-11-13

著者は世界中で笑顔の写真をとりまくり,それをつかった 「MERRY」 と題されたイベントのシリーズをひらいてきた. 著者は就職して以来の 「デザイン」 の仕事をこの本でたどっているが,「MERRY」 は単なるデザインやイベントのわくをこえている.

著者がカメラをむけるとき,またイベントをひらくとき,笑顔でなかったひとたちが笑顔になる. 著者が挑戦するとき,不可能だったことが不可能になる. そういう内なるちからはこの本の文体からも感じられる. 「奇跡」 ということばはあまりに軽くつかわれることがおおいが,この本にはふさわしいのだろう.

評価: ★★★★★

関連リンク: デザインが奇跡を起こす@ [bk1] デザインが奇跡を起こす@Amazon.co.jp

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2010-12-16

多数のカラー写真がジェスチャーによるインターフェースを読者の直観にうったえる. 本分をよまなくても,写真とそのキャプションをみるだけで,かなりの情報がある. 本の末尾 (「なか見! 検索」でみられる) には,やはり 50 ページにわたるカラー写真で人間 (日本人のような女性) の自由なジェスチャーがしめされている. それを今後のインターフェースにどういかすかは読者にゆだねられているということだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: Designing Gestural Interfaces@Amazon.co.jp

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2011-02-04

さまざまな企業からの依頼をうけて魅力的な製品をうみだしているデザイン会社 IDEO が話題の中心だ. GE, P & G, Apple などの会社にもふれている. そして,この本の中心は IDEO にみられる創造のプロセスの著者の体験にもとづく解説だ. そこでは,創造性は個人の才能ではなく方法でありマネジメントの問題だということ,プロトタイピングと,フィールドワーク,エスノグラフィーの重要性と手法などが記述されている. フランク・モスにひきいられる MIT メディアラボにおけるプロトタイピングの方法も記述されている.

こういうあたらしい方法はとくに日本の大企業にはうけいれられていないという. 会社がうけいれないなら,個人で経験する方法はないものかとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: デザイン思考の道具箱@ [bk1]デザイン思考の道具箱@Amazon.co.jp

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2011-03-08

「デザイン思考」 ではデザインということばをひろくとらえる. 著者の仕事は商品や Web の企画やデザインだというから,「デザイン思考」 の中核的な部分をあつかっているといえるだろうが,この本では野外科学やパースの哲学の話まで登場する. 野外科学が登場するのは KJ 法という発想法との関係だし,パースが登場するのはアブダクションという推論の方法が企画発想にやくだつからにほかならない. これらと 「デザイン思考」 との関係は,いまいちすっきりしないが,「デザイン思考」 のためにはそのときどきで目的にあった方法を選択するのがよいということなのだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: デザイン思考の仕事術@ [bk1]デザイン思考の仕事術@Amazon.co.jp

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