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メディア・アート・イベント・エンターテイメント アーカイブ

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PicassoGuerunica.jpg このカテゴリーにはアート (絵画,音楽等),エンターテイメント (映画,音楽,ゲーム等),イベント (展覧会,コンサート,競技会等) 等に関する話題をあつめています. 上位のカテゴリーはカナダからのブログです. ビデオ・映画・テレビ建築・都市計画文学音楽などに関する話題はサブカテゴリーに分類しているので,そちらをみてください.

OsakaExpo.jpg このページやサブカテゴリーのページには書評もふくまれていますが,アート・イベント・エンターテイメントに関する書評のページにはそれらの書評だけをあつめています.

なお,このページはアート・イベント・エンターテイメント アーカイブのページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 16:22 です).

おもくなるのをさけるためにアーカイブのページには写真がはいらないようにしていますが,いくつかの個別ページにある写真をここに引用しておきます.

2007-09-09

遊園地にはある程度の非日常性があります. ジェットコースターのようなのりものによる体験は非日常的なものです. 非日常の代表として 「まつり」 がありますが,遊園地にはまつりのようなイベントではありません. つまり,まつりが年に 1 回だけひらかれるのに対して,遊園地にはいつでもいけます. このような,日常 (いわゆる 「ケ」) とまつりのようなつよい非日常 (「ハレ」) とのあいだにある,よわい非日常性が遊園地の特質であるようにおもわれます.

つづく…

マラソン大会はイベントの一種であり,東京マラソンなどをみればその人気のたかさがわかります. しかし,マラソン大会は各種のイベントのなかで特異な位置にあるようにおもえます. ここではその特異性を分析してみたいとおもいます.

つづく…

非日常的な行為には危険がともなうことがおおいとかんがえられます. ここでは,まつり,スポーツ大会などの競技会,ジェットコースターのような遊園地ののりもののそれぞれについて,非日常的な行為と危険・スリルとの関係をかんがえてみることにします.

つづく…

2007-09-13

おおきなイベントはいろいろな波及効果をもっています. 1964 年の東京オリンピックが日本とくに東京のインフラにおおきな影響をあたえたことはよく知られています. 東海道新幹線,首都高速,いくつかの競技場など,さまざまなインフラが整備されました. これらのインフラほどではないでしょうが,音楽も影響をうけたようにおもいます. また,1970 年の大阪万博も音楽的にインパクトをもっていたようにおもいます.

つづく…

2007-09-14

イベント・プロデューサーである 平野 暁臣 は 「コトづくりの眼」 (日本実務出版, 2005) という本のなかで 「イベントにとって一番大切なもの,それはおそらく 「物語」 だ.」 (p. 45) と書いています. このことばがどういう意味をもっているのか,この本から十分に把握することはできません. なぜなら,この本はみじかいエッセイをあつめたものであり,ここで 「物語」 ということばがどういう意味をもっているのか,十分には展開されていないからです. しかし,「物語」 は,「イベントと ICT 技術 (とくに Mixed Reality)」 に書いた同時性,双方向性,一回性,ライブ性,参加性,空間性,体感性などのことばと同様に,私のこころにひびくことばです. したがって,イベントにとって一番大切なのは物語だということばは,おぼえておきたいとおもいます.

イベント・プロデューサーである 平野 暁臣 は 「コトづくりの眼」 (日本実務出版, 2005) という本のなかでつぎのように書いています.

「93 年に韓国の大田 (テジョン) で国際博が開かれた. [中略] カナダ館は,100 人定員のプレショー & メインシアターを 1 時間に 2 回転させているだけだ. 中身はよくできていたが,なにしろキャパシティがあまりに小さい. 延々何時間も入場を待たせている. よくこんなプランが通ったものだ,というのが最初の率直な印象だった.」

「開幕後しばらくして,ぼくはカナダ館のスタッフにこの疑問をぶつけた. すると予想に反して,彼は誇らしげにこう言ったのだ. 『たとえ数は少なくとも,高いミツドで訴求する道をあえてカナダは選んだ. いくら多くの来場者を迎えても,確実にメッセージが伝わらなければ意味がない. 計画通りだ』」

これを読んで私がおもいだしたのが愛知万博の日立館です.

つづく…

2007-09-15

展覧会とくにひとりの画家をとりあげた展覧会では,しばしば時代を追って作品が展示されます. おおくのばあい,作風は時代とともに変化するので,時間はいくつかに区分され,その作家を中心とする物語が説明文などのかたちで,かたられます. 展覧会がテレビや映画などとちがうのは,その時間のながれが空間にマップされているということです. いったんは空間にマップされた時間のながれは,そこを回遊する観客にとっての時間のながれというかたちで,ふたたび時間にマップされます.

つづく…

以前,遠隔会話のためのメディア voiscape (ヴォイスケープ) に関係してテレビ朝日のひとの話をききにいったことがあります. そのときにきいたのは,表現者 (映像作家) はフレーム (わく) のなかに視聴者の注意をひきつけて,表現したものをそのままみてほしいということでした. これに対して,イベント・プロデューサーの 平野 勝臣 は映像についても観客が自分で選択して見るしかけをつくっています. 通常の映像作家と “イベント作家” とのちがいを感じさせる話です.

つづく…

イベント屋ではなく情報通信屋の私にとって,この本の内容はすぐにやくだつというものではない. しかし,MR (Mixed Reality) とイベントとの比較,コミュニケーションとコラボレーションの問題など,情報通信技術との接点もいろいろ論じられている. また,“ハレ” の場だった子どものころの正月の話や,“計算” がなくエネルギーにみちていた大阪万博の話など,その後,現在までのあいだにうしなわれてしまったものをふりかえる機会をあたえてくれる. 著者自身がこれらのさまざまなかんがえ -- アイデア -- をもとにイベントに挑戦しているわけだが,これらのアイデアをイベントにせよ他の世界にせよ,いかしていくことができるか,読者にも挑戦がもとめられているのだとおもう.

評価: ★★★★★

関連リンク: コトづくりの眼@ [bk1]コトづくりの眼@Amazon.co.jp

つづく…

この本の著者のひとりである平野の本 「コトづくりの眼」 はイベントに関するさまざまなかんがえやアイデアの宝庫である. この本においても平野が主導権をにぎっているが,「コトづくりの眼」 ほどの密度はないので,まず 「コトづくりの眼」 を読むとよいだろう. それでも 「コトづくりの眼」 にはなかったかんがえがいくつか書いてあるし,(私にはあまり興味がないが) イベントの実務にかかわるヒントはこの本のほうがえられるだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: イベントの底力@ [bk1]イベントの底力@Amazon.co.jp

つづく…

モノをデザインするときにそのつかいかたなど,モノに付随する “コト” が重要だということに異論はない. “コト” についてかんがえるとき,それをストーリー化するのもよいことだとおもう. しかし,私にわからないのは,なぜセリフまで書いてシナリオにしなければならないかということである. この本にはそういうシナリオがいろいろ書かれているが,私はうんざりするだけである.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 商品企画のシナリオ発想術@ [bk1]商品企画のシナリオ発想術@Amazon.co.jp

つづく…

2007-09-17

著者はイベント演出家がどういう仕事をしているか,イベントを成功させるための条件はなにか,などを語っている. そしてなによりも,著者が一部を演出した 「2002 FIFA ワールドカップ」 と 「国民文化祭・ふくい 2005」 における波乱と感動にみちた経験を語っている. とくに,リハーサルでの失敗をのりこえて閉会式で舞わせた 27000 匹の折鶴の話がもっとも印象的である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: イベント営業演出家@ [bk1]イベント営業演出家@Amazon.co.jp

つづく…

2007-09-21

大阪万博は “イベント” をなりわいとするひとにとっては非常におおきな意味をもつものであり,それ以降の仕事のやりかたにおおきな影響をあたえたものだったようです. 最近読んだいくつかの本でそれを知りました. 私自身も中学生のときに大阪万博にいきましたが,そこまでの影響はうけなかったとおもいます.

つづく…

2007-10-22

この本はひどく評判がわるい. 「ゲーム脳の恐怖」 というタイトルからして,拒否反応がでるのはもっともなことだとおもう. 実際,著者はもともと 「ゲームは脳にわるい」 という仮説 (あるいはおもいこみ) をもっていて,それを証明するために実験をかさねてきたのだとおもわれる. しかし,論理に不完全な点があったり,おもいこみにもとづいて書かれた部分があるのはこの本にかぎったことではない. この本を冷静に読めば,著者がそんなにバランスを欠いた主張をしているわけではないことがわかる. ゲームをするときはからだの非常にかぎられた部分しかつかわない. そうした状態をつづけるのでなく,お手玉などのようにもっとからだ全体をつかうあそびをしたほうがよいという主張はもっともなものだとおもう. 冷静に読めば,えるところのある本だとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ゲーム脳の恐怖@ [bk1]ゲーム脳の恐怖@Amazon.co.jp

つづく…

2007-11-10

このブログにはできるだけ写真をのせるようにしています. 写真はひとの目をひきつけるちからがあるからです. そのなかには,自分でとった写真もあり,借りものの写真もあります. ここでは,そういう写真のえらびかたとつくりかたについて書きます.

つづく…

2007-11-21

母のためにえらんだオリンパス FE-150 というデジカメの電池がすぐなくなるというので,しらべました. デジカメじたいの問題ではないようですが,しらべるついでに家のなかや周囲の写真をとってみました. 500 万画素のカメラですが,使用目的がほとんどメイルで写真をおくるためなので,640×480 つまり 30 万画素でつかっています.

つづく…

本書のタイトルからは日常の食卓の問題点を指摘した本のようにみえたが,実際はクリスマスと正月の祝いかたや料理についてのアンケートをもとにした分析が大半をしめている. つまり,むしろハレの食卓についての本である.

最近の日本では正月はしだいにハレの座からひきずりおろされ,かわってクリスマスにハレのやくわりがあたえられている. このハレの場をもりあげるために,中学生・高校生にまでもサンタクロースのプレゼントがおくられる. とはいっても,ハレの場をつくるのに家族が共同作業をするわけではなくて,それぞれバラバラに自分のやりたいことをやり,たべたいものをたべる.

アンケートにこたえた主婦のおおくは,おせち料理など日本の伝統を継承していくべきだし自分もそうしたいと書きながら,それとはまったく反する行動をしているという. 著者はそこにするどい危機感を感じている. これだけの情報から結果をどう解釈したらよいのか私にはよくわからないが,現代の家庭・食卓への警鐘として,読むべき本だとおもう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 普通の家族がいちばん怖い@ [bk1]普通の家族がいちばん怖い@Amazon.co.jp

つづく…

岩村暢子の 「普通の家族がいちばん怖い」 (新潮社) という本には,アンケートの結果をもとに,現代の主婦から正月はきらわれクリスマスが好かれていることがえがかれています. クリスマスはたのしいが,正月はたのしくない. クリスマスにはケーキなどのおいしいものがたべられるが,おせち料理はこどもがおいしくないという. あと何 10 年かしたら正月をいわう伝統はすたれてしまうのでしょうか?

つづく…

2008-02-03

ニコニコ動画のコメントについてはいろいろ書いてきましたが,それは掛け声のようなものだと,いまになって気づきました. 歌舞伎では 「掛け声」,オペラでは同様の行為が 「クラック (claque)」 とよばれています. ニコニコ動画やそれにつづくメディアがこういう伝統的な行為をどう発展させていくことになるのか,あるいはそうならないのか,興味がもてます.

つづく…

2008-02-10

風景写真も人物写真もあり,20 世紀のさまざまなできごとを感じさせるものもあるが,戦争など,あまり刺激的な写真はふくまれていない. ヌード写真もあり,Amazon.co.jp では版によってアダルト指定をうけているが,本来は指定されるべき本ではないとかんがえられる. 大半はモノクロ写真だが,わずかにカラー写真がふくまれている.

ダリがしばしば登場していることからもわかるように,20 世紀の心理描写や個人の生活を中心とした写真集ということができるだろう. 20 世紀にはもちろんもっとほかの面もあるが,760 ページもある写真集とはいえ,1 冊ですべてをあつかうことはできないということなのだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 20th Century Photography@Amazon.com20th Century Photography@Amazon.co.jp

つづく…

Google の画像検索はテーマによってはつまらない図や写真ばかりがでてくることもありますが,ジェットコースターの検索はとてもおもしろい写真を多数みせてくれました.

つづく…

2008-04-12

これは,「通信と放送の融合」 に関する本というよりは,コンテンツ政策に関する本である. 日本特有のポップカルチャーがうみだすコンテンツに目をむけ,それをいかすコンテンツ政策を提言している. 通信と放送との区分は日本特有の法制からくるものである. イギリスのコンテンツ配信事業者からは 「伝送方式で制度の適用が異なり,著作権処理の扱いも異なる,という日本の事情が一笑に付された」 (p. 192) という. つまり,「通信と放送の融合」 というのは技術的な課題ではなくて,こういう法制をあるべきすがたになおしていくことだということだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「通信と放送の融合」のこれから@ [bk1]「通信と放送の融合」のこれから@Amazon.co.jp

つづく…

2008-04-29

WBS をのぞいては民放のテレビをほとんどみない私が,たまたま日本テレビの 「天才ダビンチ 伝説の巨大壁画発見 !」 なる番組を途中からみました. ゆくえ不明になっていた 「アンギアリの戦い」 (Battaglia di Anghiari) という作品が,実はベッキオ宮にあるヴァザーリ (Giorgio Vasari) の絵の裏にかくされていることをマウリツィオ・セラセチーニ (Maurizio Seracini) という研究者が発見した,そのヒントになったのは彼がヴァザーリの絵にあるのを発見した cerca trova (さがせばみつかる) というとばだったということです. この作品は戦争の残虐さをえがいた絵だということです. ここからさきは私の想像ですが,ダビンチ (Leonardo da Vinci) ほどの大芸術家の絵ではあっても,このような絵はその場にふさわしくないとかんがえられて,完成されるまえに封印されてしまったということではないでしょうか.

つづく…

2008-05-31

著者はさまざまな 「まちづくり」 の活動を調査して,それらのなまのすがたをつたえるとともに,そこから今後のまちづくりへの展望をみちびこうとしている. 終章では 「上からの改革」 がもはや機能しないことやボランティアの重要性についてのべていて,それはそのとおりだとおもうが,この結論はまったく不満足なものである. この程度のことなら,たとえば NHK の 「ご近所の底力」 などでも,いつも話題にされていることである [もっとも,本書の出版の時点ではこの番組ははじまっていなかったのだろうが].

本書で紹介された 「まちづくり」 の例のなかにはもっと,くみとるべきものがあるようにおもう. たとえば十勝の 「北の屋台」 については 「改行準備として 2000 年 2 月に 「北の起業広場協同組合」 を設立し,ホームページを開設. 市内の各所で世界の屋台の写真パネルの展示会を開催し,新聞社をはじめとして各種のメディアの協力も得て広報活動を行った.…」 といった記述があるが,ここからくみとれるものはすくなくないとおもう. それをくみとる作業をすべて読者にまかせてしまうのでは,著者,研究者としての仕事を放棄してしまっているといわざるをえないのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 〈地域人〉とまちづくり@ [bk1]〈地域人〉とまちづくり@Amazon.co.jp

つづく…

2008-06-07

BCCKS」 という Web サイトがあります. ここでは「本がかんたんにつくれる」ということですが,すでに多数のオンラインの 「本」 があります. そのなかに 「清野とおる 未収録漫画」 というのがあります. 雑誌に発表するつもりで書きながら未収録におわった作品をのせたものですが,これをみると,紙メディアのために書いた作品を,うまく Web の紙とのちがいをいかしてプレゼンしていて,感心しました.

つづく…

2008-06-24

中国のわかい写真家を中心として,80 人ほどの作品を紹介している. Amazon.com で 4.5★ の評価をうけていたので,現代中国のエネルギーが感じられる作品を期待して買ったが,期待はずれだった. 写真など,あたらしい作風のものはまだ熟していないと感じられる. それに対して中国の伝統をいかした Gu Wenda の書にはみるべきものがある. ほかに Song Kun によるすこし空虚な情感をとらえた絵画 (水彩?),Wang Qingsong の,多数の人間をつかった彫刻のような写真 (?) には,すこし興味をひかれた. これから何 10 年かさきには,きっとおもしろいことになるだろう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: China Art Book@Amazon.co.jp

つづく…

2008-07-09

Artnet.com というサイトで Marina Abramovic という女性写真家の作品が紹介されている. 自分の裸体を被写体とした作品がおおいようである. このサイトと “Out of the Red” (Damiani) という本には Chen Lingyang という女性写真家の作品が紹介されている. こちらは月経時の女性の性器が被写体とされている. だれのものかはもちろん書いてないが,このような状態がうつせるのは作家本人のものだからだろう. 男性でも自分のからだをうつすことはもちろんできるが,その意味はおおきくちがってくるようにおもえる.

つづく…

2008-07-28

Misty Keasler の写真集 “Love Hotels” (Chronicle Books) は,外国人には (ラブホテルをしらない日本人にも) とても奇異なラブホテルのへやなどの写真をあつめている. ほとんどの写真は大阪のラブホテルのものであり,ほかのおおくも関西である. 東京のものはひとつだけである. たまたま Keasler が大阪を中心に調査したからそうなったのか,この種のデザインが大阪中心なのか,ちょっと興味をひかれる.

つづく…

2008-07-30

100 枚以上のラブホテルの室内の写真をならべた写真集である. この本の最初の版は 2001 年に出版されているが,その後,アメリカでは Misty Keasler の写真集 “Love Hotels” (Chronicle Books) が出版されている. 大阪中心にラブホテルの写真をあつめている点では共通しているが,いくつかちがいもある.

Keasler の写真からはテレビや灰皿のようなフツーのものが排除されているのに対して,都築はテレビを積極的に写真にいれている. その結果,Keasler の写真にくらべると都築の写真のほうに日常性が感じられる. 対象となっているラブホテルも都築のほうがおとなしいところがおおいようである.

Keasler のほうがインパクトはあるようにおもうが,都築のほうが日常と非日常が交錯する,よりラブホテルらしい空間をえがいているといえるのかもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ラブホテル@ [bk1]ラブホテル@Amazon.co.jp

つづく…

2008-07-31

ラブホテルを卒論のテーマにえらんでしまった女子大生が,指導教官のすすめもあって博士課程でまでラブホテルの研究をすることになった.この本がその集大成というわけである.研究なので地の文は基本的にまじめである.ラブホテルやその経営者に取材した情報が中心である.しかし 1970 年代にはやった回転ベッドなどの派手なしかけはいまはなく,当時の週刊誌・月刊誌からの引用にたよっている.それに影響されている部分は地の文もおもしろい.

ラブホテルは衰退しつつあるというが,女子大生が研究テーマにとりあげるのも秋葉原文化にちかいところがあるからではないのだろうか.写真集も日本でもアメリカでも出版されている.この本でも欧米のわかい旅行者がこのんでラブホテルにとまっていることが紹介されている.チャンスはあるのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ラブホテル進化論@ [bk1]ラブホテル進化論@Amazon.co.jp

つづく…

2008-08-15

数日前にピカソのゲルニカの写真をネットでひろってきた. それをちぢめたのが下の写真である. すでにおおくのひとがこの絵を解説してきているが,この不気味な三角構図について書いてみたくなった.

つづく…

2008-08-31

NTT 東日本の ICC (InterCommunication Center) が自宅からあるいてもいけるオペラシティにあります. こどもをつれて,きょう 8 月 31 日が最後の 「ICC キッズ・プログラム 2008」 と来年 3 月までの 「OPEN SPACE 2008」 をみてきました. どちらも,こどもにとっても私にとっても,たのしむことができる展示会でしたが,いささか不満な点もありました. とくに OPEN SPACE 2008 のほうは,作者が意図した方向に体験者をガイドできていない作品がめだっているようにおもえました.

つづく…

2008-11-12

著者によれば,日本は源氏物語の時代から,おおくの芸術や芸能をうみだしてきた. しかし,現代日本においては 「今なお 80 年代の好景気から生まれた 「モノづくり」 に対する神話が残り続けている」,「人々はバブル時代のモノづくり神話を信じ続け,経済大国のノスタルジーに浸っている」 という. ソニーのトップだった出井氏もそうだという. その神話をすてて,日本は 「涼宮ハルヒ」 で代表されるクールなコンテンツをのばすべきだと主張している.

だが,日本のモノづくりはむしろバブル時代におろそかにされていたのであり,それ以前につちかわれてきたはずである. また,ソニーは CBS やコロンビア映画を買収してコンテンツ・ビジネスをおこなってきた会社である. ジャパン・クールのコンテンツをいかすべきだという主張には賛成だが,モノづくりとくみあわせてこそ,つよみをいかせるのではないだろうか.

著者がソニーと対比するアップルは,たしかにコンテンツ中心に収益をあげているのだろうが,iPod にせよ iPhone にせよ,モノづくりによってもたらされるユーザ・エクスペリアンスを重視している会社である.その点で著者の認識は根本的にまちがっているとおもう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: ジャパンクールと情報革命@ [bk1]ジャパンクールと情報革命@Amazon.co.jp

つづく…

2009-03-19

現代アートもバブルがはじけたところだが,この本はそれがはじける直前に書かれている. しかしこの本のねらいはバブルについて書くことではなくて,現代アートの価値がわかるひとびとのこと,それがけっしてわかりにくいものではないことなどをえがいている. もちろん現代アートを写真で紹介しているが,カラー・ページがないのは残念だ. もうすこし価格をあげてもカラーで紹介したほうがよかったのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 現代アートバブル@ [bk1]現代アートバブル@Amazon.co.jp

つづく…

2009-07-11

本の内容は主タイトルとはかなりちがっていて,新聞,テレビ,ラジオ,雑誌などのマスメディアをインターネットと対比して,それらのメディアがインターネットを利用しつつ今後いきのびていくための戦略を議論している. 統計を多用し,グラフや図解でわかりやすく説明しているのはよいが,主観的なものや出典が明確にされていないものもあるので,読者は注意が必要だろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: グーグルに勝つ広告モデル@ [bk1]グーグルに勝つ広告モデル@Amazon.co.jp

つづく…

2009-10-05

さまざまな Web メディアにかかわってきた著者が,Web メディアを中心として新聞・雑誌という既存のメディアまで,さまざまな点を論じている. さまざまな Web サイトがとりあげられているが,それらを知らない読者が本書をよりよく理解するには,それらをみずから体験する必要があるだろう. だから,本書はじっくり読む必要があるし,そうすればいろいろなたのしみがあるのだろう.残念ながら私はまだそれだけの時間がとれていない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 新世紀メディア論@ [bk1]新世紀メディア論@Amazon.co.jp

つづく…

2009-10-15

映画館でみることはないが,宮崎 駿 の作品をテレビではいろいろとみてきた. そのなかでもっとも印象的だったのはなんといっても風の谷のナウシカだ. 最初にみたから印象的だったということもあるだろうが,やはりこれが処女作とはいえ,ビジネス的視点に影響されていない 宮崎 駿 本来の作品だからではないだろうか.

つづく…

2010-01-30

Amazon はだいぶまえから電子書籍端末 Kindle を売っている. これまで発売された類似品とくらべると,かなり売れているらしい. そこに,すくなくともかたちだけみれば似ている iPad を Apple が発表した. Apple は iPad が電子書籍端末だとはいっていないが,そううけとられてもいる. しかし,そううけとろうと,うけとるまいと,2 つの端末がめざす方向はまったくちがっている.

つづく…

2010-05-29

著者はコンピュータ科学の成果を利用してさまざまなアート作品を創作してきた. コンピュータをつかったアートは他の作家によってもさかんにつくられるようになっているが,AI (人工知能) にもふかくかかわる著者のこころみはよりひろく,ふかい.

しかし,AI じたいがまだ多様な側面をもった人間というものを十分にとらえているとはいえない. そういうなかでは,著者のそれぞれのこころみも一面的だという感じがぬぐえない. すぐれた芸術作品には多面性・多層性がある. 「カルチュラル・コンピューティング」 には従来のアートにはなかった人間とのインタラクションがある,とはいうものの,ふかみのある芸術に到達できるのはいつの日か,あるいはそもそも可能なのか? とおもってしまう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: カルチュラル・コンピューティング@ [bk1] カルチュラル・コンピューティング@Amazon.co.jp

つづく…

2010-06-14

説明員をつとめるためにいった Interop Tokyo 2010 は DSJ (Digital Signage Japan) という展示会と同時開催されていた. この展示会をみて,ふりかえってみると,身のまわりにはふしぎなデジタル・サイネージであふれている. そのふしぎなデジタル・サイネージたちについて書いてみよう.

つづく…

2010-06-15

東京などでは街中にあふれるようになってきたデジタルサイネージについて,実際にそれを展開している企業の短文もまじえて紹介している. あふれるようになったとはいえ,まだ視聴率のような効果の測定法が確立されていないという. そのためか,また不況のためもあり,コストダウンがもとめられている. 紙にくらべるとコストがたかいが,ポスターなどの紙より人気があったり効果がたかかったりするわけでもない. テレビ CM の効果がうすれるなかで,それにかわる手段として模索されているが,まだキメ手を欠いているといったところだろう. くるしさがにじみでている.

評価: ★★★★☆

関連リンク: デジタルサイネージ戦略@ [bk1] デジタルサイネージ戦略@Amazon.co.jp

つづく…

2010-07-01

タイトルのとおり,iPad とキンドル (Kindle) がおもな話題だが,それらだけにとどまらず,ソニーの eBook やボイジャー・ジャパンの T-Time などもとりあげられている. eBook に関してどういう歴史があったのか,それらと iPad やキンドルはどうちがうのか,キンドルのビジネスモデルはどうなっているのか. そういうエピソードがおりこまれ,さまざまな知識をえることができる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: iPad vs. キンドル@ [bk1] iPad vs. キンドル@Amazon.co.jp

つづく…

2010-08-08

最近,21 世紀の日本が世界にウリにするのはコンテンツであり,そのひとつの中心はマンガやアニメだという声がおおきくなっている. この本はそういう議論の異常さをもう一度おもいおこさせてくれる. サブカルチャーだったはずのマンガやアニメが国策にされてしまっている. 第 2 部はそれに対する批判だ.

それとともに,第 1 部では日本のマンガやアニメが日本オリジナルではないことが強調される. それとともに,それらが太平洋戦争におおきな影響をうけて独自性をえたことも論じられている. オリジナルでないことよりは戦争に影響をうけたことのほうがむしろ重要な指摘だろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか@ [bk1] 「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか@Amazon.co.jp

つづく…

2010-08-21

エッシャーをとりあげた本はすくなくないが,この本はエッシャーの他の種類の作品もとりあげながら,おもにタイリングにもとづく作品をとりあげている. そこから話はペンローズ・タイルやイスラムや日本の文様につながっていく. 想像力や創造力を刺激される本だ.

評価: ★★★★☆

関連リンク: エッシャーとペンローズ・タイル@ [bk1] エッシャーとペンローズ・タイル@Amazon.co.jp

つづく…

日本からアメリカに特撮映画やアニメが輸入されていたが,歴史的,宗教的,社会的,その他の理由でうけいれられない部分があってカットされたり改竄されたりしていた. それにもかかわらず,著者をはじめ,おおくのアメリカ人がそれにひきつけられてきたことが,この本にえがかれている. 改竄されなければならなかった理由のなかには,宇宙戦艦ヤマトと米軍によって撃沈された戦艦大和との関係,性,暴力などだ. このあたりには,日本人には書けない部分が多々あるようにおもう. いまではインターネットを通じて,もつとナマの情報がはいるようになっているはずだ.

この本にはテレビ番組ワースト 50 にはいったという 「ピンクレディー・ショー」 や日本人についての誤解をまきちらした 「将軍 - Shogun -」 などについても書かれていて,おもしろく,かつかんがえさせられる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: オタク・イン・USA@ [bk1] オタク・イン・USA@Amazon.co.jp

つづく…

2010-08-23

アメリカのオタクやマンガ,アニメなどについてはよくつたえられているが,フランスのオタクの日本語での紹介は貴重だ. アメリカ人は文化に対しては保守的で,マンガやアニメもアメリカナイズされなければうけいれられなかったが,ヨーロッパでは… ということだが,フランスでもやはり日本のマンガやアニメは,暴力シーンを中心に,さんざん改竄されなければうけいれられなかったようだ.

原作は 1998 年に出版されているのでだいぶふるいが,文庫として 2009 年に出版されるにあたって,ジャパンエキスポなど,最近の事情についても書かれている. しかし,そこにそれほど目をひく内容があるわけでもない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ル・オタク@ [bk1] ル・オタク@Amazon.co.jp

つづく…

「模倣」 がおもなテーマになっているが,模倣される日本だけでなく,日本が外国を模倣するさまもえがかれている. 大学のゼミでのいろいろな話をまとめたということで,それほどまとまりのある内容ではない. とはいえ,スピルバーグが他人がつくったストーリーをまねて,いちはやく成功したさまや,日本での省エネ・スーツの失敗の歴史など,いろいろおもしろいエピソードがちりばめられていて,おもしろい.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 模倣される日本@ [bk1] 模倣される日本@Amazon.co.jp

つづく…

2010-09-10

アニメーションの歴史,分類,日本と海外のアニメーションの代表例などがまとめられていて,大学で講義ができるくらいの内容はあるだろう. しかし,日本ではアニメーターがくらしていけるだけの収入がえられない,ということは大学でアニメーション学をまなぶ動機もないということだろう. アニメーション「学」をそだてるまえにアニメーションそのものをちゃんとそだてていく必要があるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: アニメーション学入門@ [bk1] アニメーション学入門@Amazon.co.jp

つづく…

2010-09-19

最近,iPhone と iPad に産経新聞のアプリケーションをいれた. iPhone のほうはすべてのページを無料でみることができるのに対して,iPad では最初のページ以外は月に 1500 円はらわなければ,みられない. 以前は iPad でも無料ですべてのページがみられたようだが,現在では iPhpne とはあまりにあつかいがちがう. もうすこし,ちがうあつかいもできたのではないだろうか?

つづく…

2010-10-17

第 1 章はセカイカメラからはじまる. これは入門書としては適切だろう. しかし,第 1 ~ 2 章のなかに AR のためのプログラム・ライブラリの話まででてくるのは,ちょっとバランスがわるいようにもおもえる.

iPhone やケータイでアクセスできる AR についてはよく書いてあるが,もっと先端的な事例や研究についても書いたほうがよかったのではないだろうか. この本にたりないのは 「感動」 だ.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: AR〈拡張現実〉入門@ [bk1] AR〈拡張現実〉入門@Amazon.co.jp

つづく…

2010-11-13

著者は世界中で笑顔の写真をとりまくり,それをつかった 「MERRY」 と題されたイベントのシリーズをひらいてきた. 著者は就職して以来の 「デザイン」 の仕事をこの本でたどっているが,「MERRY」 は単なるデザインやイベントのわくをこえている.

著者がカメラをむけるとき,またイベントをひらくとき,笑顔でなかったひとたちが笑顔になる. 著者が挑戦するとき,不可能だったことが不可能になる. そういう内なるちからはこの本の文体からも感じられる. 「奇跡」 ということばはあまりに軽くつかわれることがおおいが,この本にはふさわしいのだろう.

評価: ★★★★★

関連リンク: デザインが奇跡を起こす@ [bk1] デザインが奇跡を起こす@Amazon.co.jp

つづく…

2010-11-26

金沢 21 世紀美術館がおおくの入場者をあつめていることはよく知られているが,この本はそれを実現した館長すなわち著者のかんがえかたや経験を書いている. 著者のアメリカなどでの経験が 21 世紀美術館にいかされていること,市長などに理解されまかされていること,建築家とのコラボレーションがうまくいったことなどが成功につながっているのがよくわかる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 超・美術館革命@ [bk1] 超・美術館革命@Amazon.co.jp

つづく…

2010-12-02

「すきまをうめる」 デジタル・サイネージのふしぎ」 という項目では,駅のホームに設置されたデジタル・サイネージがほとんど機能していないので 「不思議だ」 と書いた. しかし,いまやそれを機能させるために,新宿駅では音量をあげるようになって,騒音源と化している.

つづく…

2011-01-07

巻末に解説を書いている東浩紀によれば,この本は先駆的なオタク分析だという. マンガやアニメだけでなく,オタクへのインタビューやアウトサイダー・アーティストのヘンリー・ダーガーの紹介など,さまざまな内容をふくんでいる. ヘンリー・ダーガーをとりあげているのは彼をオタク文化の先駆者ととらえているからだ. 東も書いているように,この本は,こうしたさまざまな十分には整理されていない内容をふくんでいるがゆえに読者に対してさまざまな可能性をひらいていて,おもしろいということができる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 戦闘美少女の精神分析@ [bk1]戦闘美少女の精神分析@Amazon.co.jp

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2011-01-08

この本の内容は 2002 年にはだいたいできていたというが,出版されたのは 2009 年だ. 最近の変化はとりいれられていない. 30 年前をかんがえてみれば,30 年後のメディアのかたちを予測するのがどれだけ困難かがわかるが,著者はあえてタイトルに 「2030 年」 をいれている.

著者がとらえているのはおもに,大型コンピュータからパソコンへというような,「集中」 から 「自律・分散」 へのながれだ. グーグルやアマゾンにはふれているが,それらがもたらした,ある意味での分散から集中への逆行にはふれていない. 著者にとっては 1 人 1 人にとって最適なサービスが提供される (つまり,マス・カスタマイゼーション) ことであり,サービス提供者が寡占的かどうかが問題ではないのだろう. しかし,それならもうすこし説明をくわえてもらわないと,うまく理解することができない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 2030年 メディアのかたち@ [bk1]2030年 メディアのかたち@Amazon.co.jp

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2011-01-15

タイトルからは,これまでにないあたらしいメディアの登場について書いているような印象をうける. 「プロローグ」 にもグーグルが登場し,「その次」 を予感させる. ところが,著者は新聞やテレビなどの従来のメディアの現状から未来をなぞり,政府の政策をなぞる. これがメディアの未来だとしたら,あまりに退屈ではないか?!

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 次に来るメディアは何か@ [bk1]次に来るメディアは何か@Amazon.co.jp

つづく…

本の判型から装丁,校正,活字とフォントなど,はばひろく,「なつかしい」 話題にふれている. だが,電子化されるであろう本の未来をかんがえればもちろん,現在をかんがえても,もう本づくりの中心からはずれてしまった話題がおおい. 編集者の仕事としては著者との共同作業など,もっと内容にかかわる部分がまずあたまにうかぶが,そういう部分についての記述はすくない. 本の物理的な部分にも興味はあるが,すこし期待はずれだった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 編集者の仕事@ [bk1]編集者の仕事@Amazon.co.jp

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2011-01-30

著者はその父がたてたこまばアゴラ劇場の億単位の借金を 23 歳のときに背負って出発したという. そういう著者は芸術と市場経済とのかかわりにもするどい感覚をもっているようだ, 著者は桜美林大学でおしえているが,「学内の演劇の公演は基本的にすべて有料で上演するように指導している」 という. どうすればチケットが売れるかをかんがえるのが重要だからだ.

著者はまた,演劇をはじめとする芸術の公共性を論じている. アメリカでは荒廃した地方都市の再生・再開発に芸術がつかわれて成功した例があるというとこから,日本でも中心街がシャッター通りとなり画一的な 「郊外」 でかこまれた地方都市において芸術がやくわりをはたすのではないかとかんがえている. そこでは,公共的な支援とともに,市民の参加が重要になる.

この本が出版されてから 10 年ちかくになるが,そのあいだに日本各地でビエンナーレ,トリエンナーレなどというもよおしがひらかれるようになった. それらは演劇とのかかわりはうすいだろうが,著者がかんがえていた芸術による地方の振興や市民参加を実現しているといえるだろう. 著者がのこしたするどいメッセージを,このようなこころみのなかに,さらにいかしていけるようにおもえる.

評価: ★★★★★

関連リンク: 芸術立国論@ [bk1]芸術立国論@Amazon.co.jp

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2011-02-01

出張で St. Maarten (シント・マーテン,セント・マーティン) というまちにきて,まちなかをあるいていると,よく変化する広告看板をみかけた. 日本ではあまりみないものだ. 日本では最近,デジタル・サイネージがはやっているが,こういう “アナログ・サイネージ” の文化があるのとないのとで,デジタル・サイネージがうけいれられるかどうかがきまってくるのではないだろうか?

つづく…

2011-02-03

越後妻有でひらかれる 「大地の芸術祭」,その企画や作品の制作,地元住民との交流などを作品中心にえがいている. ここでえがかれた芸術祭はすでにおわっているが,作品をみただけではわからないさまざまなエピソードを知ることは,つぎの 「大地の芸術祭」 をみるときに参考になるだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 大地の芸術祭@ [bk1]大地の芸術祭@Amazon.co.jp

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2011-02-05

冒頭に 「いいものさえつくっていれば売れる」 というまちがったかんがえに編集者はおちいりやすいと書かれている. 製造業といっしょだ. しかし,実際には編集者がいいとかんがえても売れない本はたくさんある.

この本でとりあげられているのは 「売れる」 本や雑誌たちなのだろう. しかし,この本に書かれているのは編集者がなにをかんがえて本や雑誌をつくってきたかだ. それらがなぜ売れたかはこの本を読んでもわからないし,おなじことをやってももう売れないだろう. たしかにおもしろい話はいろいろあるが,どううけとめたらよいのだろう.

最初の版は 2006 年に出版されているが,電子書籍を意識せずに書けた最後の時代かもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 本を作る現場でなにが起こっているのか!?@ [bk1] 本を作る現場でなにが起こっているのか!?@ [bk1]本を作る現場でなにが起こっているのか!?@Amazon.co.jp本を作る現場でなにが起こっているのか!?@Amazon.co.jp

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2011-02-12

著者はグーグルのこともよく知らなかったが,自著の本の著作権がおびやかされていることを知って怒り,すぐに行動をおこす. そして,「黒船」 がうちはらわれるまで,ずっとたたかいつづける. この本はその過程を書きつづったものだ.

「グーグルブック検索事件」 に関して第 3 者が書いた本はいろいろあるが,当事者のナマの声はそれらとはちがって,読者につよくひびく. もちろん,当事者だからこそ知っていることもある. この事件そのものは,もはやすぎさったことだ. しかし,今後のグーグルをみる視点としてもやくにたつだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: グーグルに異議あり!@ [bk1]グーグルに異議あり!@Amazon.co.jp

つづく…

2011-02-19

専門家ではなく IT ジャーナリストが書いた AR 論だ. だから,AR の技術よりは社会,とくに広告などのビジネスが中心の話題になっている. セカイカメラやそれに類するサービスにかなりのページがさかれているが,こういうサービスはセカンドライフと同様にあまりパッとしない.

むしろ,本書でもふれられている 「AR 空間を整備することで,現実空間の人の流れを意図的に変えようという試み」 のほうが興味ぶかい. つまり,AR をみているひとの数はかぎられているので,他のひとにどれだけ影響をあたえられるかが勝負だとおもえる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: AR@ [bk1]AR@Amazon.co.jp

つづく…

9999-01-01

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