被災地でのあらたな 「まちづくり」 の方針について

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被災地のおおくは,建設されていた堤防をこえる津波がおしよせた. その結果,堤防はこわされ,今回の津波よりひくいものでも,ふせげない状態になっている. 堤防を再建することは必要だが,膨大なコストがかかるスーパー堤防をつくるのでなく,高台などへの移転や観光客の避難体制の確立など,さまざまな対策をあわせて実行していく必要があるだろう.

堤防の再建はもちろん必要だ. しかし,どのくらいの堤防をつくるべきなのだろうか? 堤防に予算をかければ,そのぶんだけほかのところにかけられる予算がへるだろう. それなら,これまでどおりに低地にまちを再建して,それを堤防でまもるという方法をとるのはむずかしいだろう. とくに,震災後,水没してしまっている地域もある. もとどおりにするには,しずんだぶんの土をどこかからはこんでこなければならない. しかし,膨大な土砂をはこんでくるには莫大なコストがかかる.

土地がしずんだにせよ,そうでないにせよ,もとどおりに復興するのでなく,より海抜がたかい地域に人家などを移転する必要があるだろう. とくに,震災の際に敏捷ににげることがむずかしい高齢者やこどもは,できるだけ避難が必要ない地域に住んでもらう,あるいはそういう地域に学校やこども園をつくるほうがよいだろう.

しかし,被災地では海にかかわる仕事をしているひとがおおい. だから,仕事の場を高台にうつしたりすることはできないだろう. そういう元気なひとは震災時にすぐに逃げられるように,避難のためのしくみをととのえ,避難訓練をするのがよいだろう.

ひとつ気になるのは観光客だ. 今回は観光客がすくない季節だったから,おおきな問題はおこらなかった. しかし,観光客がおおい季節に震災がおこると,その避難をどうするかが問題になってくる. 観光客は海にやってくる. 津波があぶないから海にちかづけないというのでは,観光にならない. 避難訓練をしていない観光客を危険からまもるには,特別なしくみが必要だろう.

こういう,さまざまなことをかんがえて,今後の防災体制をつくっていく必要がある

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