復興のグランド・デザインへの貢献

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東日本大震災がおこったのは不幸なことだ. しかし,日本人は震災復興というような明確な目標ができれば,それにむけてがんばるのは得意だ. いくら被害がおおきいといっても,その点では心配ないといえるだろう. しかし,同時に日本人はこれまでにない目標をたてるのは不得意だとされている. 震災復興とはいっても,津波で家がすっかりながされ,浸水したまま土地が回復しないような状況だ. ここに,これまでとおなじまちをつくることはできないし,のぞましくもないだろう. つまり,これまでになかったまちをつくることがもとめられているとかんがえられる.

まだ仮設住宅もできていない状態だが,いまから復興のためのグランド・デザインを徐々にかんがえていくべきだろう. 気がついたときには戦後の東京のように,もうグランド・デザインができなくなっているということがないようにしなければならないだろう.

そのためには,グランド・デザインに貢献できる可能性があるひとは,いまから準備しておいたほうがよいのではないか. グランド・デザインは政府や自治体にまかせることはもちろんできない. 建築や都市開発の専門家だけにまかせるのも適切でないだろう. そこに貢献できるひとたちが協力して,現地のひとたちをまきこんで,つくっていくべきなのではないだろうか.

2011-8-2 追記: いまおもうと,グランド・デザインというようなものがつくれるとかんがえたことがまちがいだったようにおもう. ある意味では復興会議の提言はグランド・デザインだということができるだろう. しかし,それは可能ないろいろな方法を併記したものでしかない. 被災者の住宅についてだけかんがえても,もとの場所にたてなおすのか,高台に家を再建するのか,それは被災者自身がかんがえる必要があるし,被災者のかんがえがそのまま実現されるともかぎらない. コミュニティや地域でコンセンサスがなければ再建はできない. 国や国民はそれに,提案することはできるし,よりそうこともできるが,決定をおおきく左右することはできないだろう. グランド・デザインなどというものはなくて,個々の地域のデザインがあるだけなのかもしれない.

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今、フェイスブックに「東日本大震災 復興グランドデザイン集積所」ファンページが出来ているようです。

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